簡易課税通達届出

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 (簡易課税制度選択届出書の効力)

13‐1‐3 法第37条第1項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》の規定による届出書(以下
「簡易課税制度選択届出書」という。)は、
課税事業者の基準期間における課税売上高が5,000万円以下の課税期間について簡易課税制度を選択するものであるから、
当該届出書を提出した事業者のその課税期間の基準期間における課税売上高が
5,000万円を超えることにより、その課税期間について
同制度を適用することができなくなった場合又は
その課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下となり免税事業者となった場合であっても、
その後の課税期間において基準期間における課税売上高が1,000万円を超え5,000万円以下となったときには、
当該課税期間の初日の前日までに同条第4項《簡易課税制度の選択不適用》
に規定する届出書を提出している場合を除き、
当該課税期間について再び簡易課税制度が適用されるのであるから留意する。

(相続があった場合の簡易課税制度選択届出書の効力等)
13‐1‐3の2 相続があった場合における法第37条第1項
《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》の規定の適用は、
次のようになるのであるから留意する。

(1) 被相続人が提出した簡易課税制度選択届出書の効力は、相続により当該被相続人の事業を承継した相続人には及ばない。したがって、当該相続人が法第37条第1項の規定の適用を受けようとするときは、新たに簡易課税制度選択届出書を提出しなければならない。
(2) 事業を営んでいない相続人が相続により被相続人の事業を承継した場合又は個人事業者である相続人が相続により法第37条第1項の規定の適用を受けていた被相続人の事業を承継した場合において、当該相続人が相続があった日の属する課税期間中に簡易課税制度選択届出書を提出したときは、当該課税期間は、令第56条第1項第1号《事業を開始した日の属する課税期間》又は第2号《相続があった日の属する課税期間》に規定する課税期間に該当する。
 ただし、当該課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円を超え、課税事業者に該当する個人事業者が相続により法第37条第1項の規定の適用を受けていた被相続人の事業を承継した場合の当該課税期間は、令第56条第1項第2号に規定する課税期間には該当しない。

(簡易課税制度選択届出書を提出することができる事業者)
13‐1‐4 簡易課税制度を適用できる事業者は、簡易課税制度選択届出書を提出した事業者で、当該課税期間の基準期間における課税売上高が5,000万円以下である事業者に限られるのであるが、
当該簡易課税制度選択届出書の提出は
免税事業者であってもできるのであるから留意する。

(簡易課税制度選択届出書提出後に法第37条第3項各号に規定する場合に該当する場合の当該届出書の取扱い)
13‐1‐4の2 簡易課税制度選択届出書を提出した事業者が、
当該届出書の提出日以後、その提出した日の属する課税期間中に
調整対象固定資産の仕入れ等又は
高額特定資産の仕入れ等を行ったことにより、法第37条第3項各号
《調整対象固定資産又は高額特定資産の仕入れ等を行った場合の
簡易課税制度選択届出書の提出制限》に規定する場合に
当することとなった場合には、同条第4項の規定により
当該届出書の提出がなかったものとみなされることに留意する。

(調整対象固定資産又は高額特定資産を売却等した場合の法第37条第3項の適用関係)
13‐1‐4の3 法第37条第3項《調整対象固定資産の仕入れ等又は高額特定資産の仕入れ等を行った場合の簡易課税制度選択届出書の提出制限》の規定は、同項各号に規定する事業者が当該各号に規定する場合に該当するときに適用されるのであるから、当該事業者が調整対象固定資産の仕入れ等又は高額特定資産の仕入れ等を行った後に当該調整対象固定資産又は高額特定資産を廃棄、売却等により処分したとしても、法第37条第3項の規定は継続して適用されることに留意する。

法第37条第3項各号
《調整対象固定資産又は高額特定資産の仕入れ等を行った場合の
簡易課税制度選択届出書の提出制限》

(事業を開始した課税期間の翌課税期間からの簡易課税制度の選択)
13‐1‐5 事業者が簡易課税制度選択届出書を提出した場合には、
当該簡易課税制度選択届出書を提出した日の属する課税期間の
翌課税期間以後の課税期間(その基準期間における課税売上高が5,000万円を超える課税期間及び令第55条各号《仕入れに係る消費税額の控除の特例の適用がない分割に係る課税期間》に規定する課税期間を除く。以下13‐1‐5において同じ。
について、簡易課税制度を選択できるのであるから、
当該簡易課税制度選択届出書を提出した日の属する課税期間が令第56条第1項各号
事業を開始した日の属する課税期間等の範囲》に規定する課税期間に該当する場合であっても、当該課税期間の翌課税期間から簡易課税制度を選択することもできることに留意する。

(注) この場合、事業者は、
当該簡易課税制度選択届出書において

適用開始課税期間の初日の年月日を明確にしなければならない。

(「やむを得ない事情」の範囲等)
13‐1‐5の2 法第37条第8項《届出書の提出時期に係る特例》に規定する「やむを得ない事情」の意義については、1‐4‐16による。
 また、令第57条の2第3項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例の適用を受ける旨の届出等に関する特例》に規定する「当該事情がやんだ後相当の期間内」の意義については、1‐4‐17による。

(貸倒れがあった場合の適用関係)
13‐1‐6 簡易課税制度を適用している事業者の行った課税資産の譲渡等に係る売掛金等について法第39条第1項《貸倒れに係る消費税額の控除等》に規定する事実が生じたこと(以下「貸倒れ」という。)により同項の規定の適用がある場合又は同項の規定の適用を受けた貸倒れに係る売掛金等を回収した場合における消費税額の計算は、次によるのであるから留意する。
(1)    その貸倒れとなった売掛金等に係る消費税額
当該売掛金等の金額に108分の6.3を乗じて算出した金額をいう。以下13‐1‐6において同じ。)は、
当該課税期間の課税標準額に対する消費税額から、
法第37条第1項《中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例》の規定により当該課税期間における
仕入控除税額とみなされる金額を控除した後
の金額から控除する。
(2) 回収した売掛金等に係る消費税額は、その回収した日の属する課税期間における課税標準額に対する消費税額に加算され、加算後の金額を基に同項の規定により仕入控除税額を計算する。
(災害その他やむを得ない理由の範囲)
13‐1‐7 法第37条の2第1項又は第6項《災害等があった場合の中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例の届出に関する特例》に規定する「災害その他やむを得ない理由」とは、おおむね次に掲げるところによる。
(1) 地震、暴風、豪雨、豪雪、津波、落雷、地すべりその他の自然現象の異変による災害
(2) 火災、火薬類の爆発、ガス爆発、その他の人為による異常な災害
(3) (1)又は(2)に掲げる災害に準ずる自己の責めに帰さないやむを得ない事実
(簡易課税制度の不適用の特例申請ができる課税期間)
13‐1‐9 法第37条の2第6項《災害等があった場合の中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例の届出に関する特例》の規定により災害その他やむを得ない理由の生じた日(以下13‐1‐9において「災害等の生じた日」という。)の属する課税期間の翌課税期間以後の課税期間において簡易課税制度の適用を受けることをやめることができる課税期間は、令第57条の3第1項各号《災害等があった場合の簡易課税制度の届出等に関する特例》に規定する要件の全てに該当する課税期間のうち、いずれか1の課税期間に限られることに留意する。
(注) 災害等の生じた日の属する課税期間において法第37条の2第6項の承認を受けたときは、令第57条の3第1項第2号に規定する要件に該当しないことから、その災害等を理由とするこの特例の対象となる翌課税期間以後の課税期間はないこととなる。
消費税法施行規則第17条 (中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例を受ける旨の届出書の記載事項等)
 
 第十七条  法第三十七条第一項 に規定する届出書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
 届出者の氏名又は名称、納税地及び個人番号又は法人番号(個人番号又は法人番号を有しない者にあつては、氏名又は名称及び納税地)
 届出者の行う事業の内容及び令第五十七条第五項第一号 から第六号 までに掲げる事業の種類
 法第三十七条第一項 に規定する翌課税期間の初日の年月日
 前号に規定する翌課税期間の基準期間における課税売上高(法第九条第一項 に規定する基準期間における課税売上高をいう。以下この条及び次条において同じ。)
 その他参考となるべき事項
 法第三十七条第五項 に規定する同条第一項 の規定の適用を受けることをやめようとする旨の届出書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
 届出者の氏名又は名称、納税地及び個人番号又は法人番号(個人番号又は法人番号を有しない者にあつては、氏名又は名称及び納税地)
 法第三十七条第一項 に規定する翌課税期間の初日の年月日
 法第三十七条第七項 に規定する課税期間の末日の翌日の年月日
 その他参考となるべき事項
 法第三十七条第五項 に規定する事業を廃止した旨の届出書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。
 届出者の氏名又は名称、納税地及び個人番号又は法人番号(個人番号又は法人番号を有しない者にあつては、氏名又は名称及び納税地)
 事業を廃止した年月日
 その他参考となるべき事項
 令第五十七条の二第三項 に規定する財務省令で定める事項は、次の各号に掲げる区分に応じ当該各号に定める事項とする。
 令第五十七条の二第一項 の承認を受けようとする事業者 次に掲げる事項
 申請者の氏名又は名称、納税地及び個人番号又は法人番号(個人番号又は法人番号を有しない者にあつては、氏名又は名称及び納税地)
 申請者の行う事業の内容及び令第五十七条第五項第一号 から第六号 までに掲げる事業の種類
 法第三十七条第一項 の規定の適用を受けようとする課税期間の基準期間における課税売上高
 その他参考となるべき事項
 令第五十七条の二第二項 の承認を受けようとする事業者 次に掲げる事項
 申請者の氏名又は名称、納税地及び個人番号又は法人番号(個人番号又は法人番号を有しない者にあつては、氏名又は名称及び納税地)
 法第三十七条第一項 に規定する翌課税期間の初日の年月日
 法第三十七条第一項 の規定の適用を受けることをやめようとする課税期間の基準期間における課税売上高
 その他参考となるべき事項
 法第三十七条第一項 の規定の適用を受ける事業者は、法第三十八条第一項 に規定する売上げに係る対価の返還等を行つた場合には、令第五十八条第一項 に規定する帳簿に当該売上げに係る対価の返還等に係る令第五十七条第五項第一号 から第六号 までに掲げる事業の種類を付記しなければならない。
消費税法施行令第57条の2 (中小事業者の仕入れに係る消費税額の控除の特例の適用を受ける旨の届出等に関する特例)       
 
第五十七条の二 法第三十七条第一項の規定の適用を受けようとする事業者が、やむを得ない事情があるため同項の規定による届出書(以下この条において「簡易課税制度選択適用届出書」という。)を同項の規定の適用を受けようとする課税期間の初日の前日(当該課税期間が第五十六条第一項に規定する課税期間である場合には、当該課税期間の末日。以下この項、第三項及び第四項において同じ。)までに提出できなかつた場合において、当該課税期間以後の課税期間につき法第三十七条第一項の規定の適用を受けることについてその納税地を所轄する税務署長の承認を受けたときは、当該事業者は簡易課税制度選択適用届出書を当該適用を受けようとする課税期間の初日の前日に当該税務署長に提出したものとみなす。
2 法第三十七条第一項の規定の適用を受けることをやめようとする事業者が、やむを得ない事情があるため同条第五項の規定による届出書(事業を廃止した旨を記載した届出書を除く。以下この条において「簡易課税制度選択不適用届出書」という。)を法第三十七条第一項の規定の適用を受けることをやめようとする課税期間の初日の前日までに提出できなかつた場合において、当該課税期間以後の課税期間につき同項の規定の適用を受けることをやめることについてその納税地を所轄する税務署長の承認を受けたときは、当該事業者は簡易課税制度選択不適用届出書を当該適用を受けることをやめようとする課税期間の初日の前日に当該税務署長に提出したものとみなす。
3 前二項の承認を受けようとする事業者は、法第三十七条第一項の規定の適用を受けようとし、又は受けることをやめようとする課税期間の初日の年月日、簡易課税制度選択適用届出書又は簡易課税制度選択不適用届出書を当該課税期間の初日の前日までに提出できなかつた事情その他財務省令で定める事項を記載した申請書を、当該事情がやんだ後相当の期間内に、その納税地を所轄する税務署長に提出しなければならない。
4 税務署長は、前項の申請書の提出があつた場合において、その申請をした事業者が簡易課税制度選択適用届出書又は簡易課税制度選択不適用届出書をその申請に係る課税期間の初日の前日までに提出できなかつたことについてやむを得ない事情がないと認めるときは、その申請を却下する。
5 税務署長は、第三項の申請書の提出があつた場合において、その申請につき承認又は却下の処分をするときは、その申請をした事業者に対し、書面によりその旨を通知する。