事務用消耗品、作業用消耗品、包装材料、広告宣伝用印刷物、見本品

(消耗品費等)

37-30の3 消耗品その他これに準ずる棚卸資産の取得に要した費用の額は、当該棚卸資産を消費した日の属する年分の必要経費に算入するのであるが、その者が、事務用消耗品、作業用消耗品、包装材料、広告宣伝用印刷物、見本品その他これらに準ずる棚卸資産(各年ごとにおおむね一定数量を取得し、かつ、経常的に消費するものに限る。)の取得に要した費用の額を継続してその取得をした日の属する年分の必要経費に算入している場合には、これを認める。(昭55直所3-19、直法6-8追加)

(注) この取扱いにより必要経費に算入する金額が製品の製造等のために要する費用としての性質を有する場合には、当該金額は製造原価に算入するのであるから留意する。

(短期の前払費用


37-30の2 前払費用(一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうちその年12月31日においてまだ提供を受けていない役務に対応するものをいう。以下この項において同じ。)の額はその年分の必要経費に算入されないのであるが、その者が、前払費用の額でその支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合において、その支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する年分の必要経費に算入しているときは、これを認める。(昭55直所3-19、直法6-8追加)

(翌年以後の期間の賃貸料を一括して収受した場合

(翌年以後の期間の賃貸料を一括して収受した場合の必要経費)

37-3 資産の貸付けの対価としてその年分の総収入金額に算入された賃貸料でその翌年以後の貸付期間にわたるものに係る必要経費については、その総収入金額に算入された年において生じた当該貸付けの業務に係る費用又は損失の金額とその年の翌年以後当該賃貸料に係る貸付期間が終了する日までの各年において通常生ずると見込まれる当該業務に係る費用の見積額との合計額をその総収入金額に算入された年分の必要経費に算入することができるものとする。この場合において、当該翌年以後において実際に生じた費用又は損失の金額が当該見積額と異なることとなったときは、その差額をその異なることとなった日の属する年分の必要経費又は総収入金額に算入する。

(食事の評価)

(食事の評価)

36-38 使用者が役員又は使用人に対し支給する食事については、次に掲げる区分に応じ、それぞれ次に掲げる金額により評価する。(昭50直法6-4、直所3-8改正)

(1) 使用者が調理して支給する食事 その食事の材料等に要する直接費の額に相当する金額

(2) 使用者が購入して支給する食事 その食事の購入価額に相当する金額

(食事の支給による経済的利益はないものとする場合)

36-38の2 使用者が役員又は使用人に対し支給した食事(36-24の食事を除く。)につき当該役員又は使用人から実際に徴収している対価の額が、36-38により評価した当該食事の価額の50%相当額以上である場合には、当該役員又は使用人が食事の支給により受ける経済的利益はないものとする。ただし、当該食事の価額からその実際に徴収している対価の額を控除した残額が月額3,500円を超えるときは、この限りでない。(昭50直法6-4、直所3-8追加、昭59直法6-4、直所3-7改正)

課税しない経済的利益

(課税しない経済的利益……金銭の無利息貸付け等)

36-28 使用者が役員又は使用人に対し金銭を無利息又は36-49により評価した利息相当額に満たない利息で貸し付けたことにより、その貸付けを受けた役員又は使用人が受ける経済的利益で、次に掲げるものについては、課税しなくて差し支えない。(平11課法8-11、課所4-23改正)

(1) 災害、疾病等により臨時的に多額な生活資金を要することとなった役員又は使用人に対し、その資金に充てるために貸し付けた金額につき、その返済に要する期間として合理的と認められる期間内に受ける経済的利益

(2) 役員又は使用人に貸し付けた金額につき、使用者における借入金の平均調達金利(例えば、当該使用者が貸付けを行った日の前年中又は前事業年度中における借入金の平均残高に占める当該前年中又は前事業年度中に支払うべき利息の額の割合など合理的に計算された利率をいう。)など合理的と認められる貸付利率を定め、これにより利息を徴している場合に生じる経済的利益

(3) (1)及び(2)の貸付金以外の貸付金につき受ける経済的利益で、その年(使用者が事業年度を有する法人である場合には、その法人の事業年度)における利益の合計額が5,000円(使用者が事業年度を有する法人である場合において、その事業年度が1年に満たないときは、5,000円にその事業年度の月数(1月未満の端数は1月に切り上げた月数)を乗じて12で除して計算した金額)以下のもの

(課税しない経済的利益……用役の提供等)

36-29 使用者が役員若しくは使用人に対し自己の営む事業に属する用役を無償若しくは通常の対価の額に満たない対価で提供し、又は役員若しくは使用人の福利厚生のための施設の運営費等を負担することにより、当該用役の提供を受け又は当該施設を利用した役員又は使用人が受ける経済的利益については、当該経済的利益の額が著しく多額であると認められる場合又は役員だけを対象として供与される場合を除き、課税しなくて差し支えない。

(課税しない経済的利益……使用人等に対し技術の習得等をさせるために支給する金品)

36-29の2 使用者が自己の業務遂行上の必要に基づき、役員又は使用人に当該役員又は使用人としての職務に直接必要な技術若しくは知識を習得させ、又は免許若しくは資格を取得させるための研修会、講習会等の出席費用又は大学等における聴講費用に充てるものとして支給する金品については、これらの費用として適正なものに限り、課税しなくて差し支えない。(平28課法10-1、課個2-6、課審5

(退職所得の収入金額の収入すべき時期

(給与所得の収入金額の収入すべき時期)

36-9 給与所得の収入金額の収入すべき時期は、それぞれ次に掲げる日によるものとする。(昭63直法6-1、直所3-1、平19課法9-1、課審4-11改正)

(1) 契約又は慣習その他株主総会の決議等により支給日が定められている給与等(次の(2)に掲げるものを除く。)についてはその支給日、その日が定められていないものについてはその支給を受けた日

(2) 役員に対する賞与のうち、株主総会の決議等によりその算定の基礎となる利益に関する指標の数値が確定し支給金額が定められるものその他利益を基礎として支給金額が定められるものについては、その決議等があった日。ただし、その決議等が支給する金額の総額だけを定めるにとどまり、各人ごとの具体的な支給金額を定めていない場合には、各人ごとの支給金額が具体的に定められた日

(3) 給与規程の改訂が既往にさかのぼって実施されたため既往の期間に対応して支払われる新旧給与の差額に相当する給与等で、その支給日が定められているものについてはその支給日、その日が定められていないものについてはその改訂の効力が生じた日

(4) いわゆる認定賞与とされる給与等で、その支給日があらかじめ定められているものについてはその支給日、その日が定められていないものについては現実にその支給を受けた日(その日が明らかでない場合には、その支給が行われたと認められる事業年度の終了の日)

(退職所得の収入金額の収入すべき時期)

36-10 退職所得の収入金額の収入すべき時期は、その支給の基因となった退職の日によるものとする。ただし、次の退職手当等については、それぞれ次に掲げる日によるものとする。(昭52直所3-33、直法6-10、直資3-15、昭63直法6-1、直所3-1、平14課個2-22、課資3-5、課法8-10、課審3-197改正)

(1) 役員に支払われる退職手当等で、その支給について株主総会その他正当な権限を有する機関の決議を要するものについては、その役員の退職後その決議があった日。ただし、その決議が退職手当等を支給することだけを定めるにとどまり、具体的な支給金額を定めていない場合には、その金額が具体的に定められた日

(2) 退職給与規程の改訂が既往にさかのぼって実施されたため支払われる新旧退職手当等の差額に相当する退職手当等で、その支給日が定められているものについてはその支給日、その日が定められていないものについてはその改訂の効力が生じた日

(3) 法第31条《退職手当等とみなす一時金》に規定する退職手当等とみなされる一時金については、その一時金の支給の基礎となる法令、契約、規程又は規約により定められた給付事由が生じた日

(4) 引き続き勤務する者に支払われる給与で30-2により退職手当等とされるもののうち、役員であった勤続期間に係るものについては(1)に掲げる日、使用人であった勤続期間に係るものについては次に掲げる区分に応じ、それぞれ次に掲げる日

イ 30-2の(1)に掲げる給与  その支給を受けた日

ロ 30-2の(2)に掲げる給与  使用人から役員になった日。ただし、30-2の(2)のかっこ内の給与については、その制定又は改正の日

ハ 30-2の(4)に掲げる給与  その定年に達した日

ニ 30-2の(5)に掲げる給与  旧定年に達した日

ホ 30-2の(6)に掲げる給与  法人の解散の日

(5) 年金に代えて支払われる一時金で30-4及び31-1により退職手当等とされるものについては、当該退職手当等とされるものの給付事由が生じた日

(注) 令第77条《退職所得の収入の時期》の規定が適用される退職手当等の課税年分については、(1)から(5)までに掲げる日にかかわらず、同条の規定によることに留意する。

(一の退職により2以上の退職手当等の支払を受ける権利を有することとなる場合)

36-11 令第77条に規定する「一の勤務先を退職することにより2以上の……退職手当等の支払を受ける権利を有することとなる場合」とは、次に掲げるような場合をいう。(平元直所3-14、直法6-9、直資3-8、平14課個2-22、課資3-5、課法8-10、課審3-197改正)

(1) 勤務先を退職することにより、当該勤務先から退職手当等の支払を受けるほか、法第31条各号に掲げる一時金(確定拠出年金法の規定に基づき老齢給付金として支給される一時金を除く。)の支払者からも当該一時金の支払を受けることとなる場合

(2) 退職により退職手当等の支払を受けた者が、その後退職給与規程の改訂等により退職手当等の差額の支払を受けることとなる場合

(注) 上記に掲げる場合であっても、(1)の一時金又は(2)の差額の支給期がその者の死亡後に到来したときは、これらの一時金又は差額については、令第77条の規定は適用しない(9-17及び34-2参照)。

(譲渡費用の範囲)

33-7 法第33条第3項に規定する「資産の譲渡に要した費用」(以下33-11までにおいて「譲渡費用」という。)とは、資産の譲渡に係る次に掲げる費用(取得費とされるものを除く。)をいう。

  1. (1) 資産の譲渡に際して支出した仲介手数料、運搬費、登記若しくは登録に要する費用その他当該譲渡のために直接要した費用
  2. (2) (1)に掲げる費用のほか、借家人等を立ち退かせるための立退料、土地(借地権を含む。以下33-8までにおいて同じ。)を譲渡するためその土地の上にある建物等の取壊しに要した費用、既に売買契約を締結している資産を更に有利な条件で他に譲渡するため当該契約を解除したことに伴い支出する違約金その他当該資産の譲渡価額を増加させるため当該譲渡に際して支出した費用

(注) 譲渡資産の修繕費、固定資産税その他その資産の維持又は管理に要した費用は、譲渡費用に含まれないことに留意する。

(極めて長期間保有していた不動産の譲渡による所得)

(極めて長期間保有していた不動産の譲渡による所得)

33-3 固定資産である不動産の譲渡による所得であっても、当該不動産を相当の期間にわたり継続して譲渡している者の当該不動産の譲渡による所得は、法第33条第2項第1号に掲げる所得に該当し、譲渡所得には含まれないが、極めて長期間(おおむね10年以上をいう。以下33-5において同じ。)引き続き所有していた不動産(販売の目的で取得したものを除く。)の譲渡による所得は、譲渡所得に該当するものとする。

(固定資産である土地に区画形質の変更等を加えて譲渡した場合の所得)

33-4 固定資産である林地その他の土地に区画形質の変更を加え若しくは水道その他の施設を設け宅地等として譲渡した場合又は固定資産である土地に建物を建設して譲渡した場合には、当該譲渡による所得は棚卸資産又は雑所得の基因となる棚卸資産に準ずる資産の譲渡による所得として、その全部が事業所得又は雑所得に該当する。(昭48直資4-6、直所2-22、昭56直資3-2、直所3-3改正)

(注) 固定資産である土地につき区画形質の変更又は水道その他の施設の設置を行った場合であっても、次のいずれかに該当するときは、当該土地は、なお固定資産に該当するものとして差し支えない。

  1. 1 区画形質の変更又は水道その他の施設の設置に係る土地の面積(当該土地の所有者が2以上いる場合には、その合計面積)が小規模(おおむね3,000m²以下をいう。)であるとき。
  2. 2 区画形質の変更又は水道その他の施設の設置が土地区画整理法、土地改良法等法律の規定に基づいて行われたものであるとき。

(少額重要資産の範囲)

33-1の2 令第81条第2号又は第3号《譲渡所得の基因とされない棚卸資産に準ずる資産》かっこ内に規定する「その者の業務の性質上基本的に重要なもの」とは、製品の製造、農産物の生産、商品の販売、役務の提供等その者の目的とする業務の遂行上直接必要な減価償却資産で当該業務の遂行上欠くことのできないもの(以下この項において「少額重要資産」という。)をいう。(昭50直資3-11、直所3-19、追加平11課所4-1、令4課資3-7、課審7-16改正)

(注) 少額重要資産であっても、貸衣装業における衣装類、パチンコ店におけるパチンコ器、養豚業における繁殖用又は種付用の豚のように、事業の用に供された後において反復継続して譲渡することが当該事業の性質上通常である少額重要資産の譲渡による所得は、譲渡所得には該当せず、事業所得に該当する(27-1参照)。

《退職手当等とみなす一時金》関係

(確定給付企業年金法等の規定に基づいて支払われる一時金)

31-1  法第31条第3号に規定する「加入者の退職により支払われるものその他これに類する一時金として政令で定めるもの」又は令第72条第2項に規定する「加入員の退職に基因して支払われるもの」には、確定給付企業年金法の規定に基づいて支払われる退職一時金、公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律(平成25年法律第63号。以下「平成25年厚生年金等改正法」という。)第1条((厚生年金保険法の一部改正))の規定による改正前の厚生年金保険法第9章((厚生年金基金及び企業年金連合会))の規定に基づいて支払われる退職一時金、法人税法附則第20条第3項((退職年金等積立金に対する法人税の特例))に規定する適格退職年金契約に基づいて支払われる退職一時金、平成25年厚生年金等改正法附則の規定に基づいて支払われる退職一時金、平成25年厚生年金等改正法第2条((確定給付企業年金法の一部改正))の規定による改正前の確定給付企業年金法の規定に基づいて支払われる退職一時金又は確定拠出年金法の規定に基づいて老齢給付金として支払われる一時金のうち、次に掲げる一時金がそれぞれ含まれるものとする。(昭63直法6-1、直所3-1追加、平14課個2-22、課資3-5、課法8-10、課審3-197、平17課個2-39、課資3-11、課審4-220、平19課法9-9、課個2-20、課審4-32、平26課法10-14、課個2-22、課審5-27改正)

(1) 確定給付企業年金規約、厚生年金基金規約又は適格退職年金契約に基づいて支給される年金の受給資格者に対し当該年金に代えて支払われる一時金のうち、退職の日以後当該年金の受給開始日までの間に支払われるもの(年金の受給開始日後に支払われる一時金のうち、将来の年金給付の総額に代えて支払われるものを含む。)

(注) 上記一時金の課税年分については、30-4の取扱いに準ずる。

(2) 確定拠出年金法に規定する企業型年金規約又は個人型年金規約に基づく年金の受給開始日後に支払われる一時金のうち、将来の年金給付の総額に代えて支払われるもの

(注) 上記一時金の課税年分については、当該一時金の支給期の属する年分とし、令第77条の規定の適用はないことに留意する。

(3) 確定給付企業年金規約の加入者又は厚生年金基金(企業年金連合会を含む。)若しくは適格退職年金契約の加入員に対し、30-2の(2)及び(4)から(6)まで並びに30-2の2に掲げる退職に準じた事実等が生じたことに伴い加入者又は加入員(厚生年金基金の場合の加算適用加入員を含む。)としての資格を喪失したことを給付事由として支払われる一時金(当該事実等が生じたことを給付事由として、使用者から30-2の(2)及び(4)から(6)まで並びに30-2の2に掲げる退職手当等が支払われる場合に限る。)

(注) 上記の場合において、加入者又は加入員に支払われる退職手当等が確定給付企業年金規約又は厚生年金基金規約若しくは適格退職年金契約に基づいて支払われるもののみである場合には、上記かっこ書は適用しない。

(退職一時金等に係る勤続年数の計算)

31-2 令第69条第1項第1号《退職所得控除額に係る勤続年数の計算》に規定する退職一時金等に係る勤続年数の計算に当たっては、次のことに留意する。(昭63直法6-1、直所3-1、令3課個2-10、課法11-28、課審5-4改正)

(1) 当該退職一時金等の支払金額の計算の基礎となった期間が、例えば、休職又は停職の期間を2分の1とするなど、時の経過に従って計算した期間に一定の率を乗ずるなどにより短縮して計算されている場合には、その短縮をしない期間により勤続年数を計算すること。

(2) 当該退職一時金等の支払金額の計算の基礎となった期間が、例えば、休職若しくは停職の期間又は掛金等を負担しなかった期間等を除外するなど、一部の期間を全く除外して計算されている場合には、その除外された期間を除いて勤続年数を計算すること。

(3) 当該退職一時金等の支払金額の計算の基礎となった期間が当該退職一時金等の給付の基因となった制度等に加入する前の勤務期間を含めて計算されている場合には、その含められた期間を通算して勤続年数を計算すること。

(4) 当該退職一時金等の支払金額の計算の基礎となった期間が、例えば、いわゆる任意継続組合員であった期間を含めるなど、退職の時以後においてその受給者が保険料又は掛金を負担した期間を含めて計算されている場合には、その含められた期間を通算して勤続年数を計算すること。

(退職金共済契約の範囲)

31-3 令第73条第1項第1号《特定退職金共済団体の要件》に規定する退職金共済契約には、使用人の退職について退職給付金を支給するほか、使用人の慶弔、災害について金品を支給するなど他の給付をも併せて行うことを約する契約は含まれない。ただし、退職給付金の給付事業に関する経理とその他の経理とが明確に区分されている場合には、その退職給付金の給付に係る部分の契約に限り、退職金共済契約に該当する。(昭63直法6-1、直所3-1改正)

(注) 使用人の退職につき退職給付金を支給する契約で退職金共済契約に該当しないものは、令第65条第1号《不適格退職金共済契約等に基づく掛金の取扱い》に規定する退職金共済契約に類する契約に該当する。

(被共済者間の公平な取扱い)

31-4 令第73条第1項第10号に掲げる要件は、特定の事業に従事する被共済者又は役付の被共済者等特定の者だけについて掛金の額を減額し又は退職給付金の額を増額するなどの取扱いをしてはならないことを定めたものであるが、次に掲げるような特別の事情がある者に対する給付に差を設けても不当に差別的な取扱いをすることにはならないことに留意する。(昭63直法6-1、直所3-1、平11課所4-25、平28課法10-5、課審5-15改正)

(1) 窃取、横領、傷害その他刑罰法規に触れる行為により、事業主に重大な損害を加え、その名誉若しくは信用を著しくき損し、又は職場規律を著しく乱した者

(2) 秘密の漏えいその他の行為により職務上の義務に著しく違反した者

(3) 正当な理由がない欠勤その他の行為により職場規律を乱した者又は雇用契約に関し著しく信義に反する行為があった者

(退職給付金支給事業とその他の事業とを併せて行う団体に対して支出した掛金)

31-5 令第65条の規定の適用に当たり、事業主が同条各号に規定する契約に基づき退職給付金を支給する事業(以下この項において「退職給付金支給事業」という。)とその他の事業とを併せて行う団体に対して、被共済者又はこれに類する者のために支出した掛金で損金の額又は必要経費に算入される金額は、退職給付金支給事業以外の事業に充てられる部分の金額が明らかに区分されている場合を除き、その全額を被共済者又はこれに類する者に対する給与等とする。(昭63直法6-1、直所3-1改正

《退職所得》関係

(退職手当等の範囲)

30-1 退職手当等とは、本来退職しなかったとしたならば支払われなかったもので、退職したことに基因して一時に支払われることとなった給与をいう。したがって、退職に際し又は退職後に使用者等から支払われる給与で、その支払金額の計算基準等からみて、他の引き続き勤務している者に支払われる賞与等と同性質であるものは、退職手当等に該当しないことに留意する。

(引き続き勤務する者に支払われる給与で退職手当等とするもの)

30-2 引き続き勤務する役員又は使用人に対し退職手当等として一時に支払われる給与のうち、次に掲げるものでその給与が支払われた後に支払われる退職手当等の計算上その給与の計算の基礎となった勤続期間を一切加味しない条件の下に支払われるものは、30-1にかかわらず、退職手当等とする。(昭51直所3-1、直法6-1、直資3-1、平16課個2-23、課資3-7、課法8-8、課審4-33改正)

(1) 新たに退職給与規程を制定し、又は中小企業退職金共済制度若しくは確定拠出年金制度への移行等相当の理由により従来の退職給与規程を改正した場合において、使用人に対し当該制定又は改正前の勤続期間に係る退職手当等として支払われる給与

(注)

1 上記の給与は、合理的な理由による退職金制度の実質的改変により精算の必要から支払われるものに限られるのであって、例えば、使用人の選択によって支払われるものは、これに当たらないことに留意する。

2 使用者が上記の給与を未払金等として計上した場合には、当該給与は現に支払われる時の退職手当等とする。この場合において、当該給与が2回以上にわたって分割して支払われるときは、令第77条((退職所得の収入の時期))の規定の適用があることに留意する。

(2) 使用人から役員になった者に対しその使用人であった勤続期間に係る退職手当等として支払われる給与(退職給与規程の制定又は改正をして、使用人から役員になった者に対しその使用人であった期間に係る退職手当等を支払うこととした場合において、その制定又は改正の時に既に役員になっている者の全員に対し当該退職手当等として支払われる給与で、その者が役員になった時までの期間の退職手当等として相当なものを含む。)

(3) 役員の分掌変更等により、例えば、常勤役員が非常勤役員(常時勤務していない者であっても代表権を有する者及び代表権は有しないが実質的にその法人の経営上主要な地位を占めていると認められるものを除く。)になったこと、分掌変更等の後における報酬が激減(おおむね50%以上減少)したことなどで、その職務の内容又はその地位が激変した者に対し、当該分掌変更等の前における役員であった勤続期間に係る退職手当等として支払われる給与

(4) いわゆる定年に達した後引き続き勤務する使用人に対し、その定年に達する前の勤続期間に係る退職手当等として支払われる給与

(5) 労働協約等を改正していわゆる定年を延長した場合において、その延長前の定年(以下この(5)において「旧定年」という。)に達した使用人に対し旧定年に達する前の勤続期間に係る退職手当等として支払われる給与で、その支払をすることにつき相当の理由があると認められるもの

(6) 法人が解散した場合において引き続き役員又は使用人として清算事務に従事する者に対し、その解散前の勤続期間に係る退職手当等として支払われる給与

(使用人から執行役員への就任に伴い退職手当等として支給される一時金)

30-2の2 使用人(職制上使用人としての地位のみを有する者に限る。)からいわゆる執行役員に就任した者に対しその就任前の勤続期間に係る退職手当等として一時に支払われる給与(当該給与が支払われた後に支払われる退職手当等の計算上当該給与の計算の基礎となった勤続期間を一切加味しない条件の下に支払われるものに限る。)のうち、例えば、次のいずれにも該当する執行役員制度の下で支払われるものは、退職手当等に該当する。(平19課法9-9、課個2-20、課審4-32追加)

(1) 執行役員との契約は、委任契約又はこれに類するもの(雇用契約又はこれに類するものは含まない。)であり、かつ、執行役員退任後の使用人としての再雇用が保障されているものではないこと

(2) 執行役員に対する報酬、福利厚生、服務規律等は役員に準じたものであり、執行役員は、その任務に反する行為又は執行役員に関する規程に反する行為により使用者に生じた損害について賠償する責任を負うこと

(注) 上記例示以外の執行役員制度の下で支払われるものであっても、個々の事例の内容から判断して、使用人から執行役員への就任につき、勤務関係の性質、内容、労働条件等において重大な変動があって、形式的には継続している勤務関係が実質的には単なる従前の勤務関係の延長とはみられないなどの特別の事実関係があると認められる場合には、退職手当等に該当することに留意する。

(受給者が掛金を拠出することにより退職に際しその使用者から支払われる一時金)

30-3 在職中に使用者に対し所定の掛金を拠出することにより退職に際して当該使用者から支払われる一時金は、退職手当等とする。この場合において、その退職手当等の収入金額は、その一時金の額から受給者が拠出した掛金(支給日までにその掛金の運用益として元本に繰り入れられた金額を含む。)の額を控除した金額による。(昭63直法6-1、直所3-1、平14課個2-22、課資3-5、課法8-10、課審3-197改正)

(注) 上記後段のかっこ内の掛金の運用益として元本に繰り入れられた金額とは、各人ごとの掛金の額が区分経理されている場合において、当該掛金に対応する運用益としてその者に係る一時金の原資に繰り入れられたものをいい、当該運用益に係る所得は、当該掛金が令第2条第1号《預貯金の範囲》に掲げる貯蓄金として管理されている場合にはその繰り入れられた時の利子所得とし、その他の場合にはその繰り入れられた時の法第35条第2項第2号《雑所得》に規定する雑所得として課税することとなる。

(過去の勤務に基づき使用者であった者から支給される年金に代えて支払われる一時金)

30-4 法第35条第3項第2号に規定する過去の勤務に基づき使用者であった者から支給される年金の受給資格者に対し当該年金に代えて支払われる一時金のうち、退職の日以後当該年金の受給開始日までの間に支払われるものは退職手当等とする。
なお、年金の受給開始日後に支払われる一時金であっても、将来の年金給付の総額に代えて支払われるものは、次に掲げる区分に応じ、それぞれ次に掲げる年分の退職手当等として差し支えない。(昭63直法6-1、直所3-1追加)

(1) 退職の日以後当該退職に基因する退職手当等の支払を既に受けている者に支払われる当該一時金  当該退職手当等のうち最初に支払われたものの支給期の属する年分

(2) (1)以外の当該一時金  当該一時金の支給期の属する年分

(注)

1 年金の受給開始日後に支払われる一時金で、上記なお書に該当しないものは、法第35条第3項第2号に規定する公的年金等に該当する。

2 年金の受給開始日までの間に支払われる一時金で退職手当等とされるものについては、令第77条《退職所得の収入の時期》の規定が適用されることに留意する。

(解雇予告手当)

30-5 労働基準法第20条《解雇の予告》の規定により使用者が予告をしないで解雇する場合に支払う予告手当は、退職手当等に該当する。(昭63直法6-1、直所3-1改正)

(退職手当等の支払金額の計算の基礎となった期間と勤続年数との関係)

30-6 令第69条第1項第1号本文《退職所得控除額に係る勤続年数の計算》の勤続年数は、当該退職手当等の支払者(その者が相続人である場合にはその被相続人を含み、その者が合併後存続する法人又は合併により設立された法人である場合には合併により消滅した法人を含み、その者が法人の分割により資産及び負債の移転を受けた法人である場合にはその分割により資産及び負債の移転を行った法人を含む。)の下においてその退職手当等の支払の基因となった退職の日まで引き続き勤務した期間により計算するのであるから、退職手当等の支払金額の計算の基礎となった期間がその引き続き勤務した期間の一部である場合又はその期間に一定の率を乗ずるなどにより換算をしたものである場合であっても、同号本文の勤続年数は、その引き続き勤務した実際の期間により計算することに留意する。(昭63直法6-1、直所3-1改正、平13課法8-6、課個2-17、課審3-89改正)

(長期欠勤又は休職中の期間)

30-7 令第69条第1項第1号に規定する勤務した期間には、長期欠勤又は休職(他に勤務するためのものを除く。)の期間も含まれる。(昭63直法6-1、直所3-1改正)

(引き続き勤務する者に支払われる給与で退職手当等とされるものに係る勤続年数)

30-8 30-2により退職手当等とされる給与に係る勤続年数は、当該給与の計算の基礎とされた勤続期間の末日において退職したものとして計算するものとする。(昭63直法6-1、直所3-1改正)

(日々雇い入れられる期間)

30-9 法第185条第1項第3号《日額表丙欄の適用を受ける給与等》に掲げる給与等の支払を受けていた期間は、令第69条第1項第1号に規定する「引き続き勤務した期間」及び「他の者の下において勤務した期間」に含まれない。(昭63直法6-1、直所3-1改正)

(前に勤務した期間を通算して支払われる退職手当等に係る勤続年数の計算規定を適用する場合)

30-10 令第69条第1項第1号ロ及びハただし書の規定は、法律若しくは条例の規定により、又は令第153条《退職給与規程の範囲》若しくは旧法人税法施行令第105条《退職給与規程の範囲》に規定する退職給与規程において、他の者の下において勤務した期間又は前に支払を受けた退職手当等の支払金額の計算の基礎とされた期間(以下30-11においてこれらの期間を「前に勤務した期間」という。)を含めた期間により退職手当等の支払金額の計算をする旨が明らかに定められている場合に限り、適用するものとする。(昭63直法6-1、直所3-1、平15課個2-23、課資3-7、課法8-11、課審4-37改正)

(前に勤務した期間の一部等を通算する場合の勤続年数の計算)

30-11 令第69条第1項第1号ロ及びハただし書に規定する場合において、退職手当等の支払金額の計算の基礎とする期間のうちに、前に勤務した期間のうちの一部の期間又は前に勤務した期間に一定の率を乗ずるなどにより換算をした期間を含めて計算するときは、それぞれ当該一部の期間又は当該前に勤務した期間を同号本文に規定する勤続期間(以下30-13において「勤続期間」という。)に加算して勤続年数を計算するものとする。(昭63直法6-1、直所3-1改正)

(復職等に際し退職手当等を返還した場合)

30-12 既往における退職に際し退職手当等の支払を受けた場合であっても、その後復職又は再就職に際し、その復職又は再就職のための条件として定められたところに従い、当該退職手当等の全額を当該退職手当等の支払者に返還したときは、令第69条第1項第1号ハに規定する「前に退職手当等の支払を受けたことがある場合」に該当しないものとする。(昭63直法6-1、直所3-1改正)

(勤続年数の計算の基礎となる期間の計算)

30-13 勤続期間、令第69条第1項第1号イ若しくはロの規定により加算する期間又は同号ハただし書の規定により含まれるものとされる期間は、それぞれ暦に従って計算し、1月に満たない期間は日をもって数え、これらの年数、月数及び日数をそれぞれ合計し、日数は30日をもって1月とし、月数は12月をもって1年とする。
同項第2号に規定する組合員等であった期間についても同様とする。(昭63直法6-1、直所3-1改正)

(その年に支払を受ける2以上の退職手当等のうちに前の退職手当等の計算期間を通算して支払われるものがある場合の控除期間)

30-14 その年に支払を受ける2以上の退職手当等のうちに、その支払金額がその年の前年以前に支払を受けた退職手当等の支払金額の計算の基礎とされた期間(以下この項において「前の退職手当等の計算期間」という。)を含めた期間により計算されたものがある場合には、令第70条第1項第1号《退職所得控除額の計算の特例》に掲げる金額の計算の基礎となる同号に規定する期間(以下この項において「控除期間」という。)の計算については、次による。(昭63直法6-1、直所3-1、平元直所3-14、直法6-9、直資3-8改正)

(1) 一の退職手当等に係る前の退職手当等の計算期間のうちに、他の退職手当等に係る令第69条第1項第3号ただし書に規定する勤続期間等(当該他の退職手当等の支払金額が前の退職手当等の計算期間を含めた期間により計算されたものである場合には、当該前の退職手当等の計算期間を除く。)と重複する部分がある場合には、当該重複する部分の期間は控除期間に含まれないものとする。

(2) 一の退職手当等に係る前の退職手当等の計算期間((1)により控除期間に含まれないものとされる期間を除く。以下この項において同じ。)のうちに他の退職手当等に係る前の退職手当等の計算期間と重複する部分がある場合には、一の退職手当等に係る前の退職手当等の計算期間に、他の退職手当等に係る前の退職手当等の計算期間のうち当該重複する部分以外の期間を加算した期間により控除期間を計算するものとする。

(注) したがって、図のように、同一年中においてA、B、C3社から支払を受ける退職手当等の支払金額が、それぞれ前の退職手当等の計算期間(図の斜線で表示した期間)を含めた期間により計算したものである場合には、上記(1)によりA′+C′の期間は控除期間に含まれないこととなり、(2)によりA+B+Cの期間が控除期間となる。

その年に支払を受ける2以上の退職手当等のうちに前の退職手当等の計算期間を通算して支払われるものがある場合の控除期間の図

(障害による退職に該当する場合)

30-15 次に掲げる場合は、障害者に該当することとなったことに基づいて退職したものでないことが明らかな場合を除き、法第30条第6項第3号に掲げる場合に該当するものとする。(昭63直法6-1、直所3-1、平24課法9-6、課個2-44、課審5-40、令3課個2-10、課法11-28、課審5-4改正)

(1) 障害者に該当することとなった後一応勤務には復したが、平常の勤務に復することができないままその勤務に復した後おおむね6月以内に退職した場合(常勤の役員又は使用人が非常勤の役員又は使用人となったことにより退職手当等の支払を受け、常勤の役員又は使用人としては退職したと同様の状態となった場合を含む。以下この項において同じ。)

(2) 障害者に該当することとなった後一応平常の勤務には復したが、その勤務に耐えられないで、その勤務に復した後おおむね2月以内に退職した場合

帳簿の記載事項

① 取引の相手方の氏名又は名称

(電話番号などでその事業者を特定することができれば、

屋号や省略した名称など記載ok。)
② 取引年月日
③ 取引内容 (軽減税率対象取引については軽減税率対象である旨)

「野菜」、「食料品」など、商品の一般的な総称でまとめて記載OK。

④ 取引の税込価額
商品コード等の記号、番号等によることもできます。
月 単 位 で請 求 書 等 が交 付さ れる 場 合に は、「 ○月 分」 など 、 一定 期間 分の 取 引
をまとめて記載することができます

インボイスの交付義務が免除される取引

  • ① 税込価額 3 万円未満の公共交通機関(船舶、バス、鉄道)による旅客の運送
  • ② 生鮮食料品等の出荷者が卸売市場において行う生鮮食料品等の販売(出荷者から
    委託を受けた卸売業者が卸売の業務として行うものに限ります。)
  • ③ 農林水産物の生産者が
  • 農魚協等」に委託して行う農林水産物の販売で一定のもの
  • ④ 税込価額 3 万円未満の
  • 自動販売機又は自動サービス機による商品の販売等
  • ⑤ 郵便切手を対価とする郵便サービス
  • (ポストに投函されたものに限ります。)

免税事業者が適格請求書発行事業者の登録を受けるとき簡易課税を選択するケースが多くなる?

令和 5 年10月 1 日から
令和11年 9 月30日までの課税期間において
「免税事業者に係る登録の経過措置」の適用事業者は

簡易課税制度選択届出書に、
その課税期間から簡易課税制度を適用する旨を
記載し、これをその登録日の属する課税期間中に提出することにより、
その課税期間から
簡易課税制度を適用できます

 暦年課税における相続前贈与の加算期間等の見直し

令和5年度税制改正では、

暦年課税においても、

相続財産に加算する期間を相続開始前7年に延長することとしました。

その際、過去に受けた贈与の記録・管理に係る事務負担を軽減する観点から、

延長した期間に贈与を受けた財産の価額のうち100万円は、

相続財産に加算しないこととしています。

相続時精算課税

令和5年度税制改正では

暦年課税と同水準の基礎控除を創設する等の措置を講じることとしました。

生前にまとまった財産を贈与しにくかった方にとっても、相続時精算課税を活用することで、次世代に資産を移転しやすい税制となります。