9‐2‐14 


(事前確定届出給与の意義)
9‐2‐14 法第34条第1項第2号《事前確定届出給与》に掲げる給与は、所定の時期に確定した額の金銭等(確定した額の金銭又は確定した数の株式若しくは新株予約権若しくは確定した額の金銭債権に係る法第54条第1項《譲渡制限付株式を対価とする費用の帰属事業年度の特例》に規定する特定譲渡制限付株式若しくは法第54条の2第1項《新株予約権を対価とする費用の帰属事業年度の特例等》に規定する特定新株予約権をいう。)を交付する旨の定めに基づいて支給される給与をいうのであるから、例えば、同号の規定に基づき納税地の所轄税務署長へ届け出た支給額と実際の支給額が異なる場合にはこれに該当しないこととなり、原則として、その支給額の全額が損金不算入となることに留意する。


(過去の役務提供に係るもの)
9‐2‐15の2 役員の過去の役務提供の対価として生ずる債権に係る債務を履行するために譲渡制限付株式(法第54条第1項《譲渡制限付株式を対価とする費用の帰属事業年度の特例》に規定する譲渡制限付株式をいう。以下9‐2‐17において同じ。)又は譲渡制限付新株予約権(法第54条の2第1項《新株予約権を対価とする費用の帰属事業年度の特例等》に規定する譲渡制限付新株予約権をいう。)が交付される給与は、令第69条第3項第1号《事前確定届出給与》に掲げる給与に該当しないため、当該譲渡制限付株式又は譲渡制限付新株予約権による給与の額は、法第34条第1項第2号《事前確定届出給与》に掲げる給与として損金の額に算入されないことに留意する。


(確定した額に相当する適格株式等の交付)
9‐2‐15の3 令第69条第8項《事前確定届出給与》の確定した額に相当する適格株式(法第34条第1項第2号ロ《事前確定届出給与》に規定する適格株式をいう。以下この節において同じ。)又は適格新株予約権(同号ハに規定する適格新株予約権をいう。以下この節において同じ。)を交付する旨の定めに基づいて支給する給与は、確定した額を支給する給与をいうのであるから、適格株式又は適格新株予約権の交付する数の算定に際して一に満たない端数が生じた場合において、適格株式又は適格新株予約権と当該一に満たない端数の適格株式又は適格新株予約権の価額に相当する金銭を交付しないこととしたときは、当該確定した額を支給する給与には該当しないことに留意する。


(事前確定届出給与の要件)
9‐2‐15の4 法人がその役員に対して支給する給与が法第34条第1項第2号《事前確定届出給与》に掲げる給与に該当するかどうかの判定に当たっては、同号イに掲げる場合及び同号ロに掲げる場合のいずれにも該当する場合には、該当するそれぞれに定める要件のいずれも満たす必要があることに留意する。同号イに掲げる場合及び同号ハに掲げる場合のいずれにも該当する場合の判定についても、同様とする。


(業績指標その他の条件により全てが支給されない給与)
9‐2‐15の5 法人がその役員に対して支給する給与について、業績指標(法第34条第5項《業績連動給与》に規定する内国法人又は当該内国法人との間に支配関係がある法人の業績を示す指標をいう。以下9‐2‐16の2において同じ。)その他の条件により、その全てを支給するか、又はその全てを支給しないかのいずれかとすることを定めた場合における当該定めに従って支給する給与は、同項に規定する業績連動給与に該当せず、同条第1項第2号《事前確定届出給与》に掲げる給与の対象となることに留意する。


(職務の執行の開始の日)
9‐2‐16 令第69条第3項第1号及び第4項第1号《事前確定届出給与》の「職務の執行の開始の日」とは、その役員がいつから就任するかなど個々の事情によるのであるが、例えば、定時株主総会において役員に選任された者で、その日に就任した者及び役員に再任された者にあっては、当該定時株主総会の開催日となる。


(業績指標に応じて無償で取得する株式の数が変動する給与)
9‐2‐16の2 譲渡制限付株式による給与で、令第111条の2第1項第2号《譲渡制限付株式の範囲等》の無償で取得する株式の数が業績指標に応じて変動するものは、法第34条第1項各号《役員給与の損金不算入》に掲げる給与のいずれにも該当しない。


(業務執行役員の意義)
9‐2‐17 業務執行役員(法第34条第1項第3号《損金の額に算入される業績連動給与》に規定する業務執行役員をいう。以下9‐2‐19において同じ。)とは、法人の業務を執行する役員をいうのであるから、例えば、法人の役員であっても、取締役会設置会社における代表取締役以外の取締役のうち業務を執行する取締役として選定されていない者、社外取締役、監査役及び会計参与は、これに含まれないことに留意する。


(利益の状況を示す指標等の意義)
9‐2‐17の2 令第69条第10項第2号から第5号まで、第11項第2号から第5号まで及び第12項第2号から第4号まで《損金の額に算入される業績連動給与》に掲げる指標は、利益若しくは株式の市場価格に関するもの又はこれらと同時に用いられる売上高に関するものに限られるのであるから、例えば、配当(同条第11項第4号に掲げる指標に用いられるものを除く。)及びキャッシュ・フローは、同条第10項第2号から第5号まで、第11項第2号から第5号まで及び第12項第2号から第4号までに掲げる指標には該当しないことに留意する。


(有価証券報告書に記載されるべき金額等から算定される指標の範囲)
9‐2‐17の3 法第34条第1項第3号イ《損金の額に算入される業績連動給与》の利益の状況を示す指標、株式の市場価格の状況を示す指標又は売上高の状況を示す指標には、有価証券報告書(同号イに規定する「有価証券報告書」をいう。以下9‐2‐17の4までにおいて同じ。)に記載される連結財務諸表(連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則第1条第1項《適用の一般原則》に規定する連結財務諸表をいう。以下9‐2‐17の3において同じ。)に記載されるべき金額等から算定される指標が含まれることに留意する。
(注) 同号に規定する同族会社が支給する業績連動給与に係る指標については、規則第22条の3第6項《損金の額に算入される業績連動給与》に規定する完全支配関係法人の有価証券報告書に記載される連結財務諸表に記載されるべき金額等から算定される指標が含まれる。


(利益の状況を示す指標に含まれるもの)
9‐2‐17の4 次に掲げる指標は、令第69条第10項第5号《損金の額に算入される業績連動給与》に掲げる「前各号に掲げる指標に準ずる指標」に含まれる。
(1) 同項第1号から第3号までの有価証券報告書に記載されるべき事項を財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則の規定により有価証券報告書に記載することができることとされている事項(以下9‐2‐17の4において「任意的記載事項」という。)とした場合における同項第1号から第4号までに掲げる指標
(2) 有価証券報告書に記載されるべき利益(任意的記載事項を含む。)の額に有価証券報告書に記載されるべき費用(任意的記載事項を含む。)の額を加算し、かつ、有価証券報告書に記載されるべき収益(任意的記載事項を含む。)の額を減算して得た額
(注) 同条第11項第3号又は第4号の有価証券報告書に記載されるべき事項を任意的記載事項とした場合におけるこれらの号に掲げる指標は同項第5号に掲げる「前各号に掲げる指標に準ずる指標」に、同条第12項第1号又は第2号の有価証券報告書に記載されるべき事項を任意的記載事項とした場合における同項第1号から第3号までに掲げる指標は同項第4号に掲げる「前三号に掲げる指標に準ずる指標」に、それぞれ含まれる。


(職務を執行する期間の開始の日)
9‐2‐17の5 法第34条第1項第3号イ《損金の額に算入される業績連動給与》に規定する「職務を執行する期間の開始の日」については、9‐2‐16《職務の執行の開始の日》の取扱いを準用する。


(確定した額等を限度としている算定方法の意義)
9‐2‐18 法第34条第1項第3号イ(1)《損金の額に算入される業績連動給与》の「金銭による給与にあっては確定した額を、株式又は新株予約権による給与にあっては確定した数をそれぞれ限度としているもの」とは、その支給する金銭の額又は適格株式若しくは適格新株予約権の数の上限が具体的な金額又は数をもって定められていることをいうのであるから、例えば、「経常利益の○○%に相当する金額を限度として支給する。」という定め方は、これに当たらない。


(算定方法の内容の開示)
9‐2‐19 法第34条第1項第3号イ(3)《損金の額に算入される業績連動給与》の客観的な算定方法の内容の開示とは、業務執行役員の全てについて、当該業務執行役員ごとに次に掲げる事項を開示することをいうのであるから、留意する。
(1) 業績連動給与(法第34条第5項《業績連動給与》に規定する業績連動給与をいう。以下この款において同じ。)の算定の基礎となる業績連動指標(令第69条第19項第1号イ(1)《損金の額に算入される業績連動給与》に規定する業績連動指標をいう。
(2) 支給の限度としている確定した額(適格株式又は適格新株予約権による給与にあっては、確定した数
(3) 客観的な算定方法の内容
(注) 算定方法の内容の開示に当たっては、個々の業務執行役員ごとに算定方法の内容が明らかになるものであれば、同様の算定方法を採る業績連動給与について包括的に開示することとしていても差し支えない。


(一に満たない端数の適格株式等の価額に相当する金銭を交付する場合の算定方法の内容の開示)
9‐2‐19の2 適格株式と一に満たない端数の適格株式の価額に相当する金銭を併せて交付することを定めている業績連動給与については、法第34条第1項第3号イ(3)《損金の額に算入される業績連動給与》の開示は、交付する適格株式の数の算定方法の内容のみの開示で差し支えない。
(注) 適格新株予約権を交付する場合の開示についても、同様とする。


(業績連動指標の数値が確定した日)
9‐2‐20 令第69条第19項《損金の額に算入される業績連動給与》の規定の適用上、同項第1号イ(1)に規定する業績連動指標(法第34条第1項第3号イ《損金の額に算入される業績連動給与》に規定する株式の市場価格の状況を示す指標を除く。以下9‐2‐20において「業績連動指標」という。)の数値が確定した日とは、例えば、株式会社である法人にあっては、当該法人が会社法第438条第2項《計算書類等の定時株主総会への提出等》の規定により定時株主総会において計算書類の承認を受けた日をいう。
(注)
1 当該法人が同法第439条《会計監査人設置会社の特則》の規定の適用を受ける場合には、取締役が計算書類の内容を定時株主総会へ報告した日となる。
2 業績連動指標の数値が連結計算書類のものである場合には、取締役が同法第444条第7項《連結計算書類》の規定により連結計算書類の内容を定時株主総会へ報告した日となる。


(引当金勘定に繰り入れた場合の損金算入額)
9‐2‐20の2 法人が業績連動給与として適格株式を交付する場合において、令第69条第19項第2号括弧書《損金の額に算入される業績連動給与》に規定する方法により経理しているときの損金算入の対象となる給与の額は、給与の見込額として計上した金額にかかわらず、当該適格株式の交付時の市場価格を基礎として算定される金額となることに留意する。


(役員に対して支給した給与の額の範囲)
9‐2‐21 令第70条第1号イ《過大な役員給与の額》に規定する「その役員に対して支給した給与の額」には、いわゆる役員報酬のほか、当該役員が使用人兼務役員である場合に当該役員に対して支給するいわゆる使用人分の給料、手当等を含むことに留意する。


(使用人としての職務に対するものを含めないで役員給与の限度額等を定めている法人)
9‐2‐22 令第70条第1号ロ《限度額等を超える役員給与の額》に規定する「使用人としての職務に対するものを含めないで当該限度額等を定めている法人」とは、定款又は株主総会、社員総会若しくはこれらに準ずるものにおいて役員給与の限度額等に使用人兼務役員の使用人分の給与を含めない旨を定め又は決議している法人をいう。


(使用人分の給与の適正額)
9‐2‐23 使用人兼務役員に対する使用人分の給与を令第70条第1号ロ《限度額等を超える役員給与の額》に定める役員給与の限度額等に含めていない法人が、使用人兼務役員に対して使用人分の給与を支給した場合には、その使用人分の給与の額のうち当該使用人兼務役員が現に従事している使用人の職務とおおむね類似する職務に従事する使用人に対して支給した給与の額(その給与の額が特別の事情により他の使用人に比して著しく多額なものである場合には、その特別の事情がないものと仮定したときにおいて通常支給される額)に相当する金額は、原則として、これを使用人分の給与として相当な金額とする。この場合において、当該使用人兼務役員が現に従事している使用人の職務の内容等からみて比準すべき使用人として適当とする者がいないときは、当該使用人兼務役員が役員となる直前に受けていた給与の額、その後のベースアップ等の状況、使用人のうち最上位にある者に対して支給した給与の額等を参酌して適正に見積もった金額によることができる。


(使用人兼務役員に対する経済的な利益)
9‐2‐24 法人が使用人兼務役員に対して供与した経済的な利益(住宅等の貸与をした場合の経済的な利益を除く。)が他の使用人に対して供与されている程度のものである場合には、その経済的な利益は使用人としての職務に係るものとする。


(海外在勤役員に対する滞在手当等)
9‐2‐25 法人が海外にある支店、出張所等に勤務する役員に対して支給する滞在手当等の金額を令第70条第1号ロ《限度額等を超える役員給与の額》に定める役員給与の限度額等に含めていない場合には、同条の規定の適用については、当該滞在手当等の金額のうち相当と認められる金額は、これを当該役員に対する給与の額に含めないものとする。


(他の使用人に対する賞与の支給時期と異なる時期に支給したものの意義)
9‐2‐26 法人が、使用人兼務役員の使用人としての職務に対する賞与を、他の使用人に対する賞与の支給時期に未払金として経理し、他の役員への給与の支給時期に支払ったような場合には、当該賞与は、令第70条第3号《過大な役員給与の額》に規定する「他の使用人に対する賞与の支給時期と異なる時期に支給したもの」に該当することに留意する。


(使用人が役員となった直後に支給される賞与等)
9‐2‐27 使用人であった者が役員となった場合又は使用人兼務役員であった者が令第71条第1項各号《使用人兼務役員とされない役員》に掲げる役員となった場合において、その直後にその者に対して支給した賞与の額のうちその使用人又は使用人兼務役員であった期間に係る賞与の額として相当であると認められる部分の金額は、使用人又は使用人兼務役員に対して支給した賞与の額として認める。


(業績連動給与に該当しない退職給与)
9‐2‐27の2 いわゆる功績倍率法に基づいて支給する退職給与は、法第34条第5項《業績連動給与》に規定する業績連動給与に該当しないのであるから、同条第1項《役員給与の損金不算入》の規定の適用はないことに留意する。
(注) 本文の功績倍率法とは、役員の退職の直前に支給した給与の額を基礎として、役員の法人の業務に従事した期間及び役員の職責に応じた倍率を乗ずる方法により支給する金額が算定される方法をいう。


(役員に対する退職給与の損金算入の時期)
9‐2‐28 退職した役員に対する退職給与の額の損金算入の時期は、株主総会の決議等によりその額が具体的に確定した日の属する事業年度とする。ただし、法人がその退職給与の額を支払った日の属する事業年度においてその支払った額につき損金経理をした場合には、これを認める。


(退職年金の損金算入の時期)
9‐2‐29 法人が退職した役員又は使用人に対して支給する退職年金は、当該年金を支給すべき時の損金の額に算入すべきものであるから、当該退職した役員又は使用人に係る年金の総額を計算して未払金等に計上した場合においても、当該未払金等に相当する金額を損金の額に算入することはできないことに留意する。


(使用人兼務役員に支給した退職給与)
9‐2‐30 法人が退職した使用人兼務役員に対して支給すべき退職給与を役員分と使用人分とに区分して支給した場合においても、法第34条第2項《役員給与の損金不算入》の規定の適用については、その合計額によりその支給額が不相当に高額であるかどうかを判定する。


(厚生年金基金からの給付等がある場合)
9‐2‐31 退職した役員が、その退職した法人から退職給与の支給を受けるほか、既往における使用人兼務役員としての勤務に応ずる厚生年金基金からの給付、確定給付企業年金法第3条第1項《確定給付企業年金の実施》に規定する確定給付企業年金に係る規約(以下この章において「確定給付企業年金規約」という。)に基づく給付、確定拠出年金法第4条第3項《承認の基準等》に規定する企業型年金規約(以下この章において「確定拠出企業型年金規約」という。)に基づく給付又は適格退職年金契約に基づく給付を受ける場合には、当該給付を受ける金額(厚生年金基金からの給付額については、公的年金制度の健全性及び信頼性の確保のための厚生年金保険法等の一部を改正する法律平成25年法律第63号附則第5条第1項《存続厚生年金基金に係る改正前厚生年金保険法等の効力等》の規定によりなおその効力を有するものとされる同法第1条《厚生年金保険法の一部改正》の規定による改正前の厚生年金保険法以下この章において「旧効力厚生年金保険法」という。第132条第2項《年金給付の基準》に掲げる額を超える部分の金額に限る。)をも勘案してその退職給与の額が不相当に高額であるかどうかの判定を行うものとする。


(役員の分掌変更等の場合の退職給与)
9‐2‐32 法人が役員の分掌変更又は改選による再任等に際しその役員に対し退職給与として支給した給与については、その支給が、例えば次に掲げるような事実があったことによるものであるなど、その分掌変更等によりその役員としての地位又は職務の内容が激変し、実質的に退職したと同様の事情にあると認められることによるものである場合には、これを退職給与として取り扱うことができる。
(1) 常勤役員が非常勤役員(常時勤務していないものであっても代表権を有する者及び代表権は有しないが実質的にその法人の経営上主要な地位を占めていると認められる者を除く。)になったこと。
(2) 取締役が監査役(監査役でありながら実質的にその法人の経営上主要な地位を占めていると認められる者及びその法人の株主等で令第71条第1項第5号《使用人兼務役員とされない役員》に掲げる要件の全てを満たしている者を除く。)になったこと。
(3) 分掌変更等の後におけるその役員(その分掌変更等の後においてもその法人の経営上主要な地位を占めていると認められる者を除く。)の給与が激減(おおむね50%以上の減少)したこと。
(注) 本文の「退職給与として支給した給与」には、原則として、法人が未払金等に計上した場合の当該未払金等の額は含まれない。


(退職給与の打切り支給)
9‐2‐35 法人が、中小企業退職金共済制度又は確定拠出年金制度への移行、定年の延長等に伴い退職給与規程を制定又は改正し、使用人(定年延長の場合にあっては、旧定年に到達した使用人をいう。)に対して退職給与を打切り支給した場合において、その支給をしたことにつき相当の理由があり、かつ、その後は既往の在職年数を加味しないこととしているときは、その支給した退職給与の額は、その支給した日の属する事業年度の損金の額に算入する。
(注) この場合の打切り支給には、法人が退職給与を打切り支給したこととしてこれを未払金等に計上した場合は含まれない。


(使用人が役員となった場合の退職給与)
9‐2‐36 法人の使用人がその法人の役員となった場合において、当該法人がその定める退職給与規程に基づき当該役員に対してその役員となった時に使用人であった期間に係る退職給与として計算される金額を支給したときは、その支給した金額は、退職給与としてその支給をした日の属する事業年度の損金の額に算入する。
(注) 9‐2‐35の(注)は、この取扱いを適用する場合について準用する。


(役員が使用人兼務役員に該当しなくなった場合の退職給与)
9‐2‐37 使用人兼務役員であった役員が、法第34条第1項《役員給与の損金不算入》に規定する使用人としての職務を有する役員に該当しないこととなった場合において、その使用人兼務役員であった期間に係る退職給与として支給した金額があるときは、たとえその額がその使用人としての職務に対する退職給与の額として計算されているときであっても、その支給した金額は、当該役員に対する給与(退職給与を除く。)とする。
 ただし、その退職給与として支給した給与が次の全てに該当するときは、その支給した金額は使用人としての退職給与として取り扱うものとする。
(1) 当該給与の支給の対象となった者が既往に使用人から使用人兼務役員に昇格した者(その使用人であった期間が相当の期間であるものに限る。)であり、かつ、当該者に対しその昇格をした時にその使用人であった期間に係る退職給与の支給をしていないこと。
(2) 当該給与の額が、使用人としての退職給与規程に基づき、その使用人であった期間及び使用人兼務役員であった期間を通算してその使用人としての職務に対する退職給与として計算されており、かつ、当該退職給与として相当であると認められる金額であること。


(使用人から役員となった者に対する退職給与の特例)
9‐2‐38 法人が、新たに退職給与規程を制定し又は従来の退職給与規程を改正して使用人から役員となった者に対して退職給与を支給することとした場合において、その制定等の時にすでに使用人から役員になっている者の全員に対してそれぞれの使用人であった期間に係る退職給与として計算される金額をその制定等の時に支給し、これを損金の額に算入したときは、その支給が次のいずれにも該当するものについては、これを認める。
(1) 既往において、これらの者に対し使用人であった期間に係る退職給与の支給(9‐2‐35に該当するものを除く。)をしたことがないこと。
(2) 支給した退職給与の額が、その役員が役員となった直前に受けていた給与の額を基礎とし、その後のベースアップの状況等を参酌して計算されるその退職給与の額として相当な額であること。


(個人事業当時の在職期間に対応する退職給与の損金算入)
9‐2‐39 個人事業を引き継いで設立された法人が個人事業当時から引き続き在職する使用人の退職により退職給与を支給した場合において、その退職が設立後相当期間経過後に行われたものであるときは、その支給した退職給与の額を損金の額に算入する。


(生計の支援を受けているもの)
9‐2‐40 令第72条第3号《特殊関係使用人の範囲》に規定する「役員から生計の支援を受けているもの」とは、当該役員から給付を受ける金銭その他の財産又は給付を受けた金銭その他の財産の運用によって生ずる収入を生活費に充てている者をいう。


(生計を一にすること)
9‐2‐41 法人が令第72条第4号《特殊関係使用人の範囲》により特殊関係使用人の判定を行う場合については、1‐3‐4《生計を一にすること》を準用する。


(厚生年金基金からの給付等がある場合の不相当に高額な部分の判定)
9‐2‐42 法人が法第36条《過大な使用人給与の損金不算入》の規定により特殊関係使用人に対して支給する退職給与の額のうち不相当に高額な部分の金額を判定する場合において、退職した特殊関係使用人が、その退職した法人から退職給与の支給を受けるほか、厚生年金基金からの給付、確定給付企業年金規約に基づく給付、確定拠出企業型年金規約に基づく給付若しくは適格退職年金契約に基づく給付又は独立行政法人勤労者退職金共済機構若しくは所得税法施行令第74条第5項《特定退職金共済団体》に規定する特定退職金共済団体が行う退職金共済契約に基づく給付等を受ける場合には、当該給付を受ける金額(厚生年金基金からの給付額については、旧効力厚生年金保険法第132条第2項《年金給付の基準》に掲げる額を超える部分の金額に限る。)をも勘案して法第36条に規定する不相当に高額な部分の金額であるかどうかの判定を行うものとする。


(支給額の通知)
9‐2‐43 法人が支給日に在職する使用人のみに賞与を支給することとしている場合のその支給額の通知は、令第72条の3第2号イの支給額の通知には該当しないことに留意する。


(同時期に支給を受ける全ての使用人)
9‐2‐44 法人が、その使用人に対する賞与の支給について、いわゆるパートタイマー又は臨時雇い等の身分で雇用している者(雇用関係が継続的なものであって、他の使用人と同様に賞与の支給の対象としている者を除く。)とその他の使用人を区分している場合には、その区分ごとに、令第72条の3第2号イの支給額の通知を行ったかどうかを判定することができるものとする。


(出向先法人が支出する給与負担金)
9‐2‐45 法人の使用人が他の法人に出向した場合において、その出向した使用人(以下「出向者」という。)に対する給与を出向元法人(出向者を出向させている法人をいう。以下同じ。)が支給することとしているため、出向先法人(出向元法人から出向者の出向を受けている法人をいう。以下同じ。)が自己の負担すべき給与(退職給与を除く。)に相当する金額(以下9‐2‐46までにおいて「給与負担金」という。)を出向元法人に支出したときは、当該給与負担金の額は、出向先法人におけるその出向者に対する給与(退職給与を除く。)として取り扱うものとする。
(注)
1 この取扱いは、出向先法人が実質的に給与負担金の性質を有する金額を経営指導料等の名義で支出する場合にも適用がある。
2 出向者が出向先法人において役員となっている場合の給与負担金の取扱いについては、9‐2‐46による。


(出向先法人が支出する給与負担金に係る役員給与の取扱い)
9‐2‐46 出向者が出向先法人において役員となっている場合において、次のいずれにも該当するときは、出向先法人が支出する当該役員に係る給与負担金の支出を出向先法人における当該役員に対する給与の支給として、法第34条《役員給与の損金不算入》の規定が適用される。
(1) 当該役員に係る給与負担金の額につき当該役員に対する給与として出向先法人の株主総会、社員総会又はこれらに準ずるものの決議がされていること。
(2) 出向契約等において当該出向者に係る出向期間及び給与負担金の額があらかじめ定められていること。
(注)
1 本文の取扱いの適用を受ける給与負担金についての同条第1項第2号《事前確定届出給与》に規定する届出は、出向先法人がその納税地の所轄税務署長にその出向契約等に基づき支出する給与負担金に係る定めの内容について行うこととなる。
2 出向先法人が給与負担金として支出した金額が出向元法人が当該出向者に支給する給与の額を超える場合のその超える部分の金額については、出向先法人にとって給与負担金としての性格はないことに留意する。


(出向者に対する給与の較差補塡)
9‐2‐47 出向元法人が出向先法人との給与条件の較差を補塡するため出向者に対して支給した給与の額(出向先法人を経て支給した金額を含む。)は、当該出向元法人の損金の額に算入する。
(注) 出向元法人が出向者に対して支給する次の金額は、いずれも給与条件の較差を補塡するために支給したものとする。
1 出向先法人が経営不振等で出向者に賞与を支給することができないため出向元法人が当該出向者に対して支給する賞与の額
2 出向先法人が海外にあるため出向元法人が支給するいわゆる留守宅手当の額


(出向先法人が支出する退職給与の負担金)
9‐2‐48 出向先法人が、出向者に対して出向元法人が支給すべき退職給与の額に充てるため、あらかじめ定めた負担区分に基づき、当該出向者の出向期間に対応する退職給与の額として合理的に計算された金額を定期的に出向元法人に支出している場合には、その支出する金額は、たとえ当該出向者が出向先法人において役員となっているときであっても、その支出をする日の属する事業年度の損金の額に算入する。


(出向者が出向元法人を退職した場合の退職給与の負担金)
9‐2‐49 出向者が出向元法人を退職した場合において、出向先法人がその退職した出向者に対して出向元法人が支給する退職給与の額のうちその出向期間に係る部分の金額を出向元法人に支出したときは、その支出した金額は、たとえ当該出向者が出向先法人において引き続き役員又は使用人として勤務するときであっても、その支出をした日の属する事業年度の損金の額に算入する。


(出向先法人が出向者の退職給与を負担しない場合)
9‐2‐50 出向先法人が出向者に対して出向元法人が支給すべき退職給与の額のうちその出向期間に係る部分の金額の全部又は一部を負担しない場合においても、その負担しないことにつき相当な理由があるときは、これを認める。


(出向者に係る適格退職年金契約の掛金等)
9‐2‐51 出向元法人が適格退職年金契約を締結している場合において、出向先法人があらかじめ定めた負担区分に基づきその出向者に係る掛金又は保険料(過去勤務債務等に係る掛金又は保険料を含む。)の額を出向元法人に支出したときは、その支出した金額は、その支出をした日の属する事業年度の損金の額に算入する。


(転籍者に対する退職給与)
9‐2‐52 転籍した使用人(以下「転籍者」という。)に係る退職給与につき転籍前の法人における在職年数を通算して支給することとしている場合において、転籍前の法人及び転籍後の法人がその転籍者に対して支給した退職給与の額(相手方である法人を経て支給した金額を含む。)については、それぞれの法人における退職給与とする。ただし、転籍前の法人及び転籍後の法人が支給した退職給与の額のうちにこれらの法人の他の使用人に対する退職給与の支給状況、それぞれの法人における在職期間等からみて明らかに相手方である法人の支給すべき退職給与の額の全部又は一部を負担したと認められるものがあるときは、その負担したと認められる部分の金額は、相手方である法人に贈与したものとする。