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(法人でない社団の範囲)

1―1―1 法第2条第8((人格のない社団等の意義))に規定する「法人でない社団」とは、多数の者が一定の目的を達成するために結合した団体のうち法人格を有しないもので、単なる個人の集合体でなく、団体としての組織を有して統一された意志の下にその構成員の個性を超越して活動を行うものをいい、次に掲げるようなものは、これに含まれない。

(56直法2―16改正)

(1) 民法第667((組合契約))の規定による組合

(2) 商法第535((匿名組合契約))の規定による匿名組合

(法人でない財団の範囲)

1―1―2 法第2条第8((人格のない社団等の意義))に規定する「法人でない財団」とは、一定の目的を達成するために出えんされた財産の集合体で特定の個人又は法人の所有に属さないで、一定の組織による統一された意志の下にその出えん者の意図を実現すべく独立して活動を行うもののうち法人格のないものをいう。

(56直法2―16改正)

(人格のない社団等についての代表者又は管理人の定め)

1―1―3 法人でない社団又は財団について代表者又は管理人の定めがあるとは、当該社団又は財団の定款、寄附行為、規約等によって代表者又は管理人が定められている場合のほか、当該社団又は財団の業務に係る契約を締結し、その金銭、物品等を管理する等の業務を主宰する者が事実上あることをいうものとする。したがって、法人でない社団又は財団で収益事業を行うものには、代表者又は管理人の定めのないものは通常あり得ないことに留意する。

(56直法2―16改正)

(人格のない社団等の本店又は主たる事務所の所在地)

1―1―4 人格のない社団等の本店又は主たる事務所の所在地は、次に掲げる場合に応じ、次による。

(56直法2―16改正)

(1) 定款、寄附行為、規則又は規約(以下1―1―4において「定款等」という。)に本店又は主たる事務所の所在地の定めがある場合 その定款等に定められている所在地

(2) (1)以外の場合 その事業の本拠として代表者又は管理人が駐在し、当該人格のない社団等の行う業務が企画され経理が総括されている場所(当該場所が転々と移転する場合には、代表者又は管理人の住所)

(被合併法人の法人税に係る納税地)

1―1―5 法人が合併した場合において、当該合併に係る被合併法人のその合併の日以後における法人税の納税地は、当該合併に係る合併法人の納税地によるのであるから留意する。ただし、合併に係る被合併法人が連結親法人以外の法人(その合併の日が連結親法人事業年度開始の日となる連結子法人を除く。)であり、かつ、合併法人が連結子法人である場合には、当該合併法人が連結申告法人でないものとしたときの当該合併法人の納税地となる。

(55直法2―8追加、昭56直法2―16、平15課法2―7改正)

()

1 その合併の日が連結親法人事業年度開始の日となる連結子法人の場合には、当該連結子法人は連結申告法人に該当し、その納税地は連結親法人の納税地となる。

2 合併に係る被合併法人が連結子法人である場合において、当該合併の日の前日の属する事業年度前に連結事業年度があるときの当該連結事業年度の連結申告に係る法人税の納税地は、本文の取扱いにかかわらず、その連結申告に係る連結親法人の納税地となる。

1―1―6 削除

(22課法2―1)

(清算結了の登記をした法人の納税義務等)

1―1―7 法人が清算結了の登記をした場合においても、その清算の結了は実質的に判定すべきものであるから、当該法人は、各事業年度の所得に対する法人税を納める義務を履行するまではなお存続するものとする。

当該法人が各連結事業年度の連結所得に対する法人税を納める義務(法第81条の281((連結子法人の連帯納付の責任))の連帯納付の責任を含む。)を有する場合も、同様とする。

(55直法2―8、昭56直法2―16、平15課法2―7、平22課法2―1改正)

(非営利型法人における特別の利益の意義)

1―1―8 令第3条第1項第3号及び第2項第6((非営利型法人の範囲))に規定する「特別の利益を与えること」とは、例えば、次に掲げるような経済的利益の供与又は金銭その他の資産の交付で、社会通念上不相当なものをいう。

(20課法2―5追加)

(1) 法人が、特定の個人又は団体に対し、その所有する土地、建物その他の資産を無償又は通常よりも低い賃貸料で貸し付けていること。

(2) 法人が、特定の個人又は団体に対し、無利息又は通常よりも低い利率で金銭を貸し付けていること。

(3) 法人が、特定の個人又は団体に対し、その所有する資産を無償又は通常よりも低い対価で譲渡していること。

(4) 法人が、特定の個人又は団体から通常よりも高い賃借料により土地、建物その他の資産を賃借していること又は通常よりも高い利率により金銭を借り受けていること。

(5) 法人が、特定の個人又は団体の所有する資産を通常よりも高い対価で譲り受けていること又は法人の事業の用に供すると認められない資産を取得していること。

(6) 法人が、特定の個人に対し、過大な給与等を支給していること。

なお、「特別の利益を与えること」には、収益事業に限らず、収益事業以外の事業において行われる経済的利益の供与又は金銭その他の資産の交付が含まれることに留意する。

(特別の利益に係る要件を欠くこととなった場合)

1―1―9 令第3条第1項第3((非営利型法人の範囲))に規定する要件を欠くことにより普通法人に該当することとなった一般社団法人又は一般財団法人は、その該当することとなった日の属する事業年度以後の事業年度において同号の要件を満たすことはないことから、再び同項に規定する非営利型法人に該当することはないことに留意する。

同条第2項第6号に規定する要件を欠くことにより普通法人に該当することとなった一般社団法人又は一般財団法人についても、同様とする。

(20課法2―5追加、平21課法2―5改正)

(主たる事業の判定)

1―1―10 令第3条第2項第3((非営利型法人の範囲))に規定する「主たる事業として収益事業を行っていない」場合に該当するかどうかは、原則として、その法人が主たる事業として収益事業を行うことが常態となっていないかどうかにより判定する。この場合において、主たる事業であるかどうかは、法人の事業の態様に応じて、例えば収入金額や費用の金額等の合理的と認められる指標(以下1―1―10において「合理的指標」という。)を総合的に勘案し、当該合理的指標による収益事業以外の事業の割合がおおむね50%を超えるかどうかにより判定することとなる。

ただし、その法人の行う事業の内容に変更があるなど、収益事業の割合と収益事業以外の事業の割合の比に大きな変動を生ずる場合を除き、当該事業年度の前事業年度における合理的指標による収益事業以外の事業の割合がおおむね50%を超えるときには、その法人は、当該事業年度の開始の日において「主たる事業として収益事業を行っていない」場合に該当しているものと判定して差し支えない。

(20課法2―5追加)

() 本文後段の判定を行った結果、収益事業以外の事業の割合がおおむね50%を超えないとしても、そのことのみをもって「主たる事業として収益事業を行っていない」場合に該当しないことにはならないことに留意する。

(収益事業を行っていないことの判定)

1―1―11 一般社団法人又は一般財団法人(公益社団法人又は公益財団法人を除く。以下1―1―11において「一般社団法人等」という。)が、事務処理の受託の性質を有する業務を行う場合において、当該業務が法令の規定、行政官庁の指導又は当該業務に関する規則、規約若しくは契約に基づき実費弁償(その委託により委託者から受ける金額が当該業務のために必要な費用の額を超えないことをいう。)により行われるものであり、かつ、そのことにつきあらかじめ一定の期間(おおむね5年以内の期間とする。)を限って所轄税務署長(国税局の調査課所管法人にあっては、所轄国税局長)の確認を受けたときは、その確認を受けた期間については、当該業務は、その委託者の計算に係るものとし、当該一般社団法人等の収益事業としないものとして令第3条第2項第3((非営利型法人の範囲))の要件に該当するかどうかの判定を行うこととする。

(21課法2―5追加)

(理事の親族等の割合に係る要件の判定)

1―1―12 令第3条第1項第4号及び第2項第7((非営利型法人の範囲))に規定する要件に該当するかどうかの判定は、原則として、判定される時の現況によることに留意する。

ただし、例えば、非営利型法人が理事の退任に基因して当該要件に該当しなくなった場合において、当該該当しなくなった時から相当の期間内に理事の変更を行う等により、再度当該要件に該当していると認められるときには、継続して当該要件に該当しているものと取り扱って差し支えない。

(20課法2―5追加、平21課法2―5改正)

2節 事業年度

(設立第1回事業年度の開始の日)

1―2―1 法人の設立後最初の事業年度の開始の日は、法人の設立の日による。この場合において、設立の日は、設立の登記により成立する法人にあっては設立の登記をした日、行政官庁の認可又は許可によって成立する法人にあってはその認可又は許可の日とする。

(組織変更等の場合の事業年度)

1―2―2 法人が会社法その他の法令の規定によりその組織又は種類の変更(以下「組織変更等」という。)をして他の組織又は種類の法人となった場合(法第14条第1項第20((みなし事業年度))に掲げる場合に該当することとなったときを除く。)には、組織変更等前の法人の解散の登記、組織変更等後の法人の設立の登記にかかわらず、当該法人の事業年度は、その組織変更等によっては区分されず継続することに留意する。

旧有限会社(会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第2条に規定する旧有限会社をいう。)が、同法第45((株式会社への商号変更))の規定により株式会社へ商号を変更した場合についても、同様とする。

(19課法2―3、令元課法2―10改正)

(非営利型法人が公益社団法人又は公益財団法人に該当することとなった場合等の事業年度)

1―2―3 非営利型法人が公益社団法人又は公益財団法人に該当することとなった場合等の事業年度は、公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律施行規則第38条第2((事業報告等の提出))及び第50条の21((認定取消法人等の計算書類及びその附属明細書に相当する書類の作成))に定める期間をいうのであるから、当該事業年度は次に掲げる場合に応じ、それぞれ次に掲げる期間となることに留意する。

(20課法2―5追加)

(1) 非営利型法人が公益社団法人又は公益財団法人に該当することとなった場合

イ 定款で定めた事業年度開始の日から公益認定を受けた日の前日までの期間

ロ その公益認定を受けた日からその事業年度終了の日までの期間

(2) 公益社団法人又は公益財団法人が非営利型法人に該当することとなった場合

イ 定款で定めた事業年度開始の日から公益認定の取消しの日の前日までの期間

ロ その公益認定の取消しの日からその事業年度終了の日までの期間

(解散、継続又は合併の日)

1―2―4 法第14条第1項第1号及び第12((みなし事業年度))「解散の日」又は第22号の「継続の日」とは、株主総会その他これに準ずる総会等において解散又は継続の日を定めたときはその定めた日、解散又は継続の日を定めなかったときは解散又は継続の決議の日、解散事由の発生により解散した場合には当該事由発生の日をいう。

また、同項第2号、第10号及び第13号の「合併の日」とは、合併の効力を生ずる日(新設合併の場合は、新設合併設立法人の設立登記の日)をいう。

(55直法2―8、平14課法2―1、平15課法2―7、平15課法2―12、平19課法2―3、平20課法2―5、平22課法2―1改正)

1―2―5 削除

(22課法2―1)

(公益法人等が普通法人又は協同組合等に該当することとなった日等)

1―2―6 法第14条第1項第20((みなし事業年度))に規定する「該当することとなった日」は、次に掲げる場合には、それぞれ次に掲げる日をいう。

(20課法2―5追加、平22課法2―1、平23課法2―17、平29課法2―17、令元課法2―10改正)

(1) 公益法人等が普通法人又は協同組合等に該当することとなった場合 次に掲げる場合に応じ、それぞれ次に掲げる日

イ 公益社団法人又は公益財団法人が普通法人に該当することとなった場合 公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(以下1―2―6において「公益認定法」という。)29条第1項又は第2((公益認定の取消し))の規定による公益認定の取消しの日

ロ 非営利型法人が普通法人に該当することとなった場合 令第3条第1項各号又は第2項各号((非営利型法人の範囲))に掲げる要件のいずれかに該当しないこととなった日

ハ 社会医療法人が普通法人に該当することとなった場合 医療法第64条の21((収益業務の停止))の規定による社会医療法人の認定を取り消された日

ニ 法別表第二に掲げる商工組合(以下1―2―6において「非出資商工組合」という。)が法別表第三に掲げる商工組合(以下1―2―6において「出資商工組合」という。)に移行することとなった場合等、公益法人等(農業協同組合連合会を除く。(2)ニにおいて同じ。)が協同組合等(農業協同組合連合会を除く。(2)ニにおいて同じ。)に該当することとなった場合 移行の登記の日

ホ 法別表第二に掲げる農業協同組合連合会が農業協同組合法第87((医療法人への組織変更))の規定により医療法人(普通法人に限る。)に組織変更をした場合 同法第91条第1項に規定する効力発生日

(2) 普通法人又は協同組合等が公益法人等に該当することとなった場合 次に掲げる場合に応じ、それぞれ次に掲げる日

イ 一般社団法人又は一般財団法人のうち普通法人であるものが公益社団法人又は公益財団法人に該当することとなった場合 公益認定法第4((公益認定))に規定する行政庁の認定を受けた日

ロ 一般社団法人又は一般財団法人のうち普通法人であるものが非営利型法人に該当することとなった場合 令第3条第1項各号又は第2項各号に掲げる要件の全てに該当することとなった日

ハ 医療法人のうち普通法人であるものが社会医療法人に該当することとなった場合 医療法第42条の21((社会医療法人))の規定による社会医療法人の認定を受けた日

ニ 出資商工組合が非出資商工組合に移行することとなった場合等、協同組合等(生産森林組合を除く。)が公益法人等に該当することとなった場合 移行の登記の日

ホ 生産森林組合が地方自治法第260条の27((地縁による団体))に規定する認可地縁団体に組織変更することとなった場合 森林組合法第100条の231((組織変更の効力の発生等))に規定する効力発生日

ヘ 非出資組合である農業協同組合、農業協同組合連合会又は農事組合法人が農業協同組合法第77((一般社団法人への組織変更))の規定により一般社団法人に組織変更をした場合(同法第79条第1項に規定する効力発生日において、令第3条第1項各号又は第2項各号に掲げる要件の全てに該当する場合に限る。) 当該効力発生日

ト 法別表第三に掲げる農業協同組合連合会が農業協同組合法第87条の規定により社会医療法人に組織変更をした場合 同法第91条第1項に規定する効力発生日

法第14条第1項第15号及び第16号に規定する「該当することとなった日」についても、同様とする。

(設立無効等の判決を受けた場合の清算)

1―2―7 法人が設立無効又は設立取消しの判決により会社法又は一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(以下1―2―9において「一般法人法」という。)の規定に従って清算をする場合には、当該判決の確定の日において解散したものとする。

(14課法2―1、平19課法2―3、平20課法2―5改正)

(人格のない社団等が財産の全部を分配等した場合の残余財産の確定)

1―2―8 人格のない社団等が事業年度の中途においてその事業を行わないこととしてその有する財産の全部を分配し又は引き渡した場合には、当該人格のない社団等については、その分配又は引渡しをした日に解散し残余財産の確定があったものとする。

(14課法2―1、平20課法2―5改正)

(株式会社等が解散等をした場合における清算中の事業年度)

1―2―9 株式会社又は一般社団法人若しくは一般財団法人(以下1―2―9において「株式会社等」という。)が解散等(会社法第475条各号又は一般法人法第206条各号((清算の開始原因))に掲げる場合をいう。)をした場合における清算中の事業年度は、当該株式会社等が定款で定めた事業年度にかかわらず、会社法第494条第1項又は一般法人法第227条第1((貸借対照表等の作成及び保存))に規定する清算事務年度になるのであるから留意する。

(19課法2―3追加、平20課法2―5改正)

3節 同族会社

(同族会社の判定)

1―3―1 会社(投資信託及び投資法人に関する法律第2条第12((定義))に規定する投資法人を含む。以下この節において同じ。)が法第2条第10((同族会社の意義))に規定する同族会社であるかどうかを判定する場合において、その株式(投資信託及び投資法人に関する法律第2条第14項に規定する投資口を含む。以下同じ。)又は出資の数又は金額による判定により同族会社に該当しないときであっても、例えば、議決権制限株式を発行しているとき又は令第4条第5((同族関係者の範囲))に規定する「当該議決権を行使することができない株主等」がいるときなどは、同項の議決権による判定を行う必要があることに留意する。

(55直法2―8追加、平19課法2―3、平27課法2―8改正)

() 同号に規定する「株式」及び「発行済株式」には、議決権制限株式が含まれる。

(名義株についての株主等の判定)

1―3―2 法第2条第10((同族会社の意義))に規定する「株主等」は、株主名簿、社員名簿又は定款に記載又は記録されている株主等によるのであるが、その株主等が単なる名義人であって、当該株主等以外の者が実際の権利者である場合には、その実際の権利者を株主等とする。

(55直法2―8、平15課法2―22、平19課法2―3改正)

(生計を維持しているもの)

1―3―3 令第4条第1項第4((同族関係者の範囲))に規定する「株主等から受ける金銭その他の資産によって生計を維持しているもの」とは、当該株主等から給付を受ける金銭その他の財産又は給付を受けた金銭その他の財産の運用によって生ずる収入を日常生活の資の主要部分としている者をいう。

(生計を一にすること)

1―3―4 令第4条第1項第5((同族関係者の範囲))に規定する「生計を一にする」こととは、有無相助けて日常生活の資を共通にしていることをいうのであるから、必ずしも同居していることを必要としない。

(同族会社の判定の基礎となる株主等)

1―3―5 同族会社であるかどうかを判定する場合には、必ずしもその株式若しくは出資の所有割合又は議決権の所有割合の大きいものから順にその判定の基礎となる株主等を選定する必要はないのであるから、例えばその順に株主等を選定した場合には同族会社とならない場合であっても、その選定の仕方を変えて判定すれば同族会社となるときは、その会社は法第2条第10((同族会社の意義))に規定する同族会社に該当することに留意する。

(55直法2―8追加、平19課法2―3改正)

(議決権を行使することができない株主等が有する議決権の意義)

1―3―6 令第4条第3項第2((同族関係者の範囲))に規定する「議決権を行使することができない株主等が有する当該議決権」には、例えば、子会社の有する親会社株式など、その株式の設定としては議決権があるものの、その株主等が有することを理由に会社法第308条第1((議決権の数))の規定その他の法令等の制限により議決権がない場合におけるその議決権がこれに該当する。

令第4条第5項に規定する「議決権を行使することができない株主等が有する当該議決権」についても、同様とする。

(19課法2―3追加)

(同一の内容の議決権を行使することに同意している者の意義)

1―3―7 令第4条第6((同族関係者の範囲))に規定する「同一の内容の議決権を行使することに同意している者」に当たるかどうかは、契約、合意等により、個人又は法人との間で当該個人又は法人の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している事実があるかどうかにより判定することに留意する。

(19課法2―3追加)

() 単に過去の株主総会等において同一内容の議決権行使を行ってきた事実があることや、当該個人又は法人と出資、人事・雇用関係、資金、技術、取引等において緊密な関係があることのみをもっては、当該個人又は法人の意思と同一の内容の議決権を行使することに同意している者とはならない。

(同一の内容の議決権を行使することに同意している者がある場合の同族会社の判定)

1―3―8 令第4条第6((同族関係者の範囲))の規定により当該議決権に係る会社の株主等であるものとみなされる個人又は法人は、法第2条第10((同族会社の意義))の株式又は出資の数又は金額による同族会社の判定の場合にあっては、株主等とみなされないことに留意する。

令第4条第3項第1((他の会社を支配している場合))の他の会社の判定に当たっても、同様とする。

(19課法2―3追加)

3節の2 支配関係及び完全支配関係

(22課法2―1追加)

(名義株がある場合の支配関係及び完全支配関係の判定)

1―32―1 法第2条第12号の75((支配関係))の規定の適用上、一の者と法人との間に当該一の者による支配関係があるかどうかは、当該法人の株主名簿、社員名簿又は定款に記載又は記録されている株主等により判定するのであるが、その株主等が単なる名義人であって、当該株主等以外の者が実際の権利者である場合には、その実際の権利者が保有するものとして判定する。

同条第12号の76((完全支配関係))の規定の適用上、一の者と法人との間に当該一の者による完全支配関係があるかどうかについても、同様とする。

(22課法2―1追加)

(支配関係及び完全支配関係を有することとなった日の意義)

1―32―2 支配関係又は完全支配関係があるかどうかの判定における当該支配関係又は当該完全支配関係を有することとなった日とは、例えば、その有することとなった原因が次に掲げる場合には、それぞれ次に掲げる日となることに留意する。

(22課法2―1追加)

(1) 株式の購入 当該株式の引渡しのあった日

(2) 新たな法人の設立 当該法人の設立後最初の事業年度開始の日

(3) 合併(新設合併を除く。) 合併の効力を生ずる日

(4) 分割(新設分割を除く。) 分割の効力を生ずる日

(5) 株式交換 株式交換の効力を生ずる日

() 上記(1)の株式を譲渡した法人における法第61条の21((有価証券の譲渡損益の益金算入等))に規定する譲渡利益額又は譲渡損失額の計上は、原則として、当該株式の譲渡に係る契約の成立した日に行うことに留意する。

(完全支配関係の判定における従業員持株会の範囲)

1―32―3 令第4条の22項第1((支配関係及び完全支配関係))に規定する組合は、民法第667条第1((組合契約))に規定する組合契約による組合に限られるのであるから、いわゆる証券会社方式による従業員持株会は原則としてこれに該当するが、人格のない社団等に該当するいわゆる信託銀行方式による従業員持株会はこれに該当しない。

(22課法2―1追加)

(従業員持株会の構成員たる使用人の範囲)

1―32―4 令第4条の22項第1((支配関係及び完全支配関係))「当該法人の使用人」には、法第34条第6((使用人兼務役員の範囲))に規定する使用人としての職務を有する役員は含まれないことに留意する。

(22課法2―1追加、平29課法2―17改正)

4節 組織再編成

(14課法2―1追加)

(組織再編成の日)

1―4―1 法人が合併、分割、現物出資、現物分配又は株式交換等(法第2条第12号の16((株式交換等))に規定する株式交換等をいう。以下この節において同じ。)若しくは株式移転(以下1―4―1において「組織再編成」という。)を行った場合における当該組織再編成の日は、当該組織再編成により当該法人が合併法人、分割承継法人若しくは被現物出資法人にその有する資産若しくは負債の移転をした日、被現物分配法人その他の株主等にその有する資産の移転をした日又は株式交換等若しくは株式移転を行った日をいうのであるから、留意する。

(14課法2―1追加、平19課法2―3、平22課法2―1、平29課法2―17改正)

()

1 合併又は分割の場合における当該移転をした日は、合併の効力を生ずる日(新設合併の場合は、新設合併設立法人の設立登記の日)又は分割の効力を生ずる日(新設分割の場合は、新設分割設立法人の設立登記の日)をいう。

2 株式交換等又は株式移転を行った日とは、次に掲げる組織再編成の区分に応じ、それぞれ次に掲げる日をいう。

(1) 株式交換 株式交換の効力を生ずる日

(2) 株式交換以外の株式交換等で、株式会社を対象法人(法第2条第12号の16に規定する対象法人をいう。)とするもの 次に掲げる場合に応じ、それぞれ次に掲げる日

イ 当該株式交換等が同号イに掲げる「全部取得条項付種類株式に係る取得決議」によるものである場合 同号イの全部取得条項付種類株式を発行した法人が、会社法第234条第2((一に満たない端数の処理))の規定により同号イの最大株主等である法人(当該法人と完全支配関係を有する法人を含む。)1株未満の株式の全てを売却した日又は同条第4項の規定により1株未満の株式の全てを買い取った日

ロ 当該株式交換等が同号ロに掲げる「株式の併合」によるものである場合 同号ロの株式の併合を行った法人が、同法第235条第2項において準用する同法第234条第2項の規定により同号ロの最大株主等である法人(当該法人と完全支配関係を有する法人を含む。)1株未満の株式の全てを売却した日又は同法第235条第2項において準用する同法第234条第4項の規定により1株未満の株式の全てを買い取った日

ハ 当該株式交換等が同号ハに掲げる「株式売渡請求に係る承認」によるものである場合 同号ハの一の株主等である法人が、当該株式売渡請求をするに際して、同法第179条の21((株式等売渡請求の方法))の規定により当該承認をする法人の同号ハの発行済株式等の全部を取得する日として定めた日

(3) 株式移転 株式移転完全親法人の設立登記の日

(合併等に際し1株未満の株式の譲渡代金を被合併法人等の株主等に交付した場合の適格合併等の判定)

1―4―2 法人が行った合併が法第2条第12号の8((適格合併))に規定する適格合併に該当するかどうかを判定する場合において、被合併法人の株主等に交付された金銭が、その合併に際して交付すべき合併法人の株式(出資を含む。以下1―4―2において同じ。)1株未満の端数が生じたためにその1株未満の株式の合計数に相当する数の株式を他に譲渡し、又は買い取った代金として交付されたものであるときは、当該株主等に対してその1株未満の株式に相当する株式を交付したこととなることに留意する。ただし、その交付された金銭が、その交付の状況その他の事由を総合的に勘案して実質的に当該株主等に対して支払う合併の対価であると認められるときは、当該合併の対価として金銭が交付されたものとして取り扱う。

法人が行った株式交換等又は株式移転が同条第12号の17((適格株式交換等))又は第12号の18((適格株式移転))に規定する適格株式交換等又は適格株式移転に該当するかどうかを判定する場合についても、同様とする。

(14課法2―1追加、平19課法2―3、平19課法2―17、平22課法2―1、平28課法2―11、平29課法2―17改正)

() 当該1株未満の株式は、令第4条の34項第5((適格合併の要件))、第20項第5((適格株式交換等の要件))及び第24項第5((適格株式移転の要件))に規定する議決権のないものに該当する。

1―4―3 削除

(22課法2―1)

(従業者の範囲)

1―4―4 法第2条第12号の8(1)若しくは令第4条の34項第3((適格合併の要件))、法第2条第12号の11(2)若しくは令第4条の38項第4号若しくは第9項第4((適格分割の要件))、法第2条第12号の14(2)若しくは令第4条の315項第4((適格現物出資の要件))、同条第16項第3((適格株式分配の要件))、法第2条第12号の17(1)若しくは令第4条の320項第3((適格株式交換等の要件))又は法第2条第12号の18(1)若しくは令第4条の324項第3((適格株式移転の要件))に規定する「従業者」とは、役員、使用人その他の者で、合併、分割、現物出資、株式分配、株式交換等又は株式移転の直前において被合併法人の合併前に行う事業、分割事業(同条第8項第1号に規定する分割事業をいう。以下この節において同じ。)、現物出資事業(同条第15項第1号に規定する現物出資事業をいう。以下この節において同じ。)、完全子法人(法第2条第12号の152((株式分配))に規定する完全子法人をいう。以下1―4―4において同じ。)の事業、株式交換等完全子法人の事業又はそれぞれの株式移転完全子法人の事業に現に従事する者をいうものとする。ただし、これらの事業に従事する者であっても、例えば、日々雇い入れられる者で従事した日ごとに給与等の支払を受ける者について、法人が従業者の数に含めないこととしている場合は、これを認める。

令第4条の34項第2号、第8項第2号、第15項第2号、第20項第2号又は第24項第2((共同事業要件))の従業者の範囲についても、同様とする。

(14課法2―1追加、平19課法2―3、平19課法2―17、平22課法2―1、平28課法2―11、平29課法2―17、平30課法2―12改正)

()

1 出向により受け入れている者等であっても、被合併法人の合併前に行う事業、分割事業、現物出資事業、完全子法人の事業、株式交換等完全子法人の事業又はそれぞれの株式移転完全子法人の事業に現に従事する者であれば従業者に含まれることに留意する。

2 下請先の従業員は、例えば自己の工場内でその業務の特定部分を継続的に請け負っている企業の従業員であっても、従業者には該当しない。

3 分割事業又は現物出資事業とその他の事業とのいずれにも従事している者については、主として当該分割事業又は現物出資事業に従事しているかどうかにより判定する。

(主要な事業の判定)

1―4―5 被合併法人の合併前に行う事業が2以上ある場合において、そのいずれが法第2条第12号の8(1)及び(2)((適格合併))に規定する「主要な事業」であるかは、それぞれの事業に属する収入金額又は損益の状況、従業者の数、固定資産の状況等を総合的に勘案して判定する。

令第4条の316項第4((適格株式分配))又は法第2条第12号の17(1)及び(2)((適格株式交換等))若しくは第12号の18(1)及び(2)((適格株式移転))における判定についても、同様とする。

(14課法2―1追加、平19課法2―3、平29課法2―17改正)

(事業規模を比較する場合の売上金額等に準ずるもの)

1―4―6 令第4条の34項第2((適格合併に係る共同事業要件))、第8項第2((適格分割に係る共同事業要件))、第15項第2((適格現物出資に係る共同事業要件))、第20項第2((適格株式交換等に係る共同事業要件))又は第24項第2((適格株式移転に係る共同事業要件))に規定する「これらに準ずるものの規模」とは、例えば、金融機関における預金量等、客観的・外形的にその事業の規模を表すものと認められる指標をいう。

(14課法2―1追加、平19課法2―3、平19課法2―17、平22課法2―1、平28課法2―11、平29課法2―17改正)

() 事業の規模の割合がおおむね5倍を超えないかどうかは、これらの号に規定するいずれか一の指標が要件を満たすかどうかにより判定する。

(特定役員の範囲)

1―4―7 令第4条の34項第2((適格合併に係る共同事業要件))に規定する「これらに準ずる者」とは、役員又は役員以外の者で、社長、副社長、代表取締役、代表執行役、専務取締役又は常務取締役と同等に法人の経営の中枢に参画している者をいう。

(14課法2―1追加、平19課法2―3、平19課法2―17、平22課法2―1改正)

(主要な資産及び負債の判定)

1―4―8 法第2条第12号の11(1)若しくは令第4条の38項第3号若しくは第9項第3((適格分割の要件))又は法第2条第12号の14(1)若しくは令第4条の315項第3((適格現物出資の要件))の規定の適用上、分割事業又は現物出資事業に係る資産及び負債が主要なものであるかどうかは、分割法人又は現物出資法人が当該事業を行う上での当該資産及び負債の重要性のほか、当該資産及び負債の種類、規模、事業再編計画の内容等を総合的に勘案して判定するものとする。

(14課法2―1追加、平19課法2―17、平22課法2―1、平28課法2―11、平29課法2―17改正)

(従業者が従事することが見込まれる業務)

1―4―9 法第2条第12号の8(1)((適格合併))に規定する「合併法人の業務」、同条第12号の11(2)((適格分割))に規定する「分割承継法人の業務」又は同条第12号の14(2)((適格現物出資))に規定する「被現物出資法人の業務」は、合併により移転した事業、分割事業又は現物出資事業に限らないことに留意する。

令第4条の34項第3((適格合併の要件))、第8項第4号若しくは第9項第4((適格分割の要件))又は第15項第4((適格現物出資の要件))の判定についても、同様とする。

(14課法2―1追加、平19課法2―17、平22課法2―1、平28課法2―11、平29課法2―17改正)

(出向により分割承継法人等の業務に従事する場合)

1―4―10 法第2条第12号の11(2)又は令第4条の38項第4号若しくは第9項第4((適格分割の要件))に規定する「分割承継法人の業務に従事することが見込まれていること」には、分割法人の分割の直前の従業者が出向により分割承継法人の業務に従事する場合が含まれることに留意する。

法第2条第12号の14(2)又は令第4条の315項第4((適格現物出資の要件))の判定についても、同様とする。

(14課法2―1追加、平19課法2―17、平22課法2―1、平28課法2―11、平29課法2―17改正)

(移転資産の範囲借地権の設定)

1―4―11 分割、現物出資又は現物分配による資産の移転には、分割承継法人、被現物出資法人又は被現物分配法人を借地権者とする借地権の設定(令第138条第1((借地権の設定等により地価が著しく低下する場合の土地等の帳簿価額の一部の損金算入))の規定の適用がある設定に限る。)が含まれる。

(14課法2―1追加、平19課法2―3、平22課法2―1改正)

() この場合における当該借地権に係る法第62条第2((合併及び分割による資産等の時価による譲渡))若しくは法第62条の52((現物分配による資産の譲渡))に規定する「原価の額」又は法第62条の22((適格分割型分割による資産等の帳簿価額による引継ぎ))、法第62条の31((適格分社型分割による資産等の帳簿価額による譲渡))、法第62条の41((適格現物出資による資産等の帳簿価額による譲渡))若しくは法第62条の53((適格現物分配による資産の帳簿価額による譲渡))に規定する「帳簿価額」は、当該借地権に係る土地につき令第138条第1項の規定により損金の額に算入される金額に相当する金額をいう。

(国内にある事業所に属する資産又は負債の判定)

1―4―12 令第4条の310((適格現物出資の要件))に規定する「国内にある事業所に属する資産又は負債」に該当するかどうかは、原則として、当該資産又は負債が国内にある事業所又は国外にある事業所のいずれの事業所の帳簿に記帳されているかにより判定するものとする。

ただし、国外にある事業所の帳簿に記帳されている資産又は負債であっても、実質的に国内にある事業所において経常的な管理が行われていたと認められる資産又は負債については、国内にある事業所に属する資産又は負債に該当することになるのであるから留意する。

(14課法2―1追加、平19課法2―17、平22課法2―1、平29課法2―17改正)

(内部取引に準ずるものの例示)

1―4―13 令第4条の312((適格現物出資の要件))に規定する「その他これに準ずるもの」には、例えば、内国法人の国外にある事業所のうち法第69条第4項第1((外国税額の控除))に規定する国外事業所等に該当しない事業所と同号に規定する本店等との間で行われた同号に規定する内部取引に相当する事実が含まれる。

(28課法2―11追加、平29課法2―17改正)

5節 資本金等の額及び資本等取引

(55直法2―8、平14課法2―1、平19課法2―3、平19課法2―17改正)

(資本金の増加の日)

1―5―1 法人の資本金又は出資金の増加があった場合におけるその資本金又は出資金の増加の日は、次に掲げる場合に応じ、それぞれ次に定める日による。ただし、外国法人について、その本店又は主たる事務所の所在する国の法令にこれと異なる定めがある場合には、当該法令に定めるところによる。

(50直法2―21、昭55直法2―8、昭57直法2―11、平3課法2―4、平14課法2―1、平15課法2―7、平15課法2―22、平16課法2―14、平19課法2―3、平27課法2―8改正)

(1) 金銭の払込み又は金銭以外の財産の給付による増資の場合((3)に該当する場合を除く。) 次に掲げるいずれかの日

イ 払込み又は給付の期日を定めたとき 当該期日

ロ 払込み又は給付の期間を定めたとき 当該払込み又は給付をした日

(2) 準備金の額若しくは剰余金の額の減少による増資の場合又は再評価積立金の資本組入れによる増資の場合 その効力を生ずる日。ただし、当該効力を生ずる日を定めていない場合には、当該減少又は組入れに関する社員総会又はこれに準ずるものの決議の日

(3) 新株予約権(投資信託及び投資法人に関する法律第2条第17((定義))に規定する新投資口予約権を含む。以下1―5―1において同じ。)及び新株予約権付社債に係る新株予約権の行使による増資の場合 新株予約権を行使した日

(加入金)

1―5―2 令第8条第1項第4((資本金等の額))に規定する「加入金」とは、法令若しくは定款の定め又は総会の決議に基づき新たに組合員又は会員となる者から出資持分を調整するために徴収するもので、これをきよ出しないときは、組合員又は会員たる資格を取得しない場合のその加入金をいう。

(57直法2―11、平14課法2―1、平15課法2―7、平19課法2―3改正)

1―5―3 削除

(19課法2―3)

(資本等取引に該当する利益等の分配)

1―5―4 法第22条第5((資本等取引の意義))の規定により資本等取引に該当する利益又は剰余金の分配には、法人が剰余金又は利益の処分により配当又は分配をしたものだけでなく、株主等に対しその出資者たる地位に基づいて供与した一切の経済的利益を含むものとする。

(14課法2―1、平19課法2―3改正)

1―5―5 削除

(19課法2―3)

(募集株式の買取引受けに係る株式払込剰余金)

1―5―6 法人が募集株式を証券会社に買取引受けさせた場合におけるその払い込まれた金銭の額及び給付を受けた金銭以外の資産の価額からその募集株式の発行により増加した資本金の額を減算した金額は令第8条第1項第1((資本金等の額))に掲げる金額に該当するのであるが、この場合に証券会社に支払う引受手数料の額は、たとえその買取引受けに係る募集株式の全部又は一部を最終的に当該証券会社が取得したときであっても、令第14条第1項第4((株式交付費))に規定する株式交付費に該当する。

(55直法2―8追加、平3課法2―4、平14課法2―1、平19課法2―3、平19課法2―17改正)

(外国法人の資本金以外の資本金等の額)

1―5―7 外国法人が積み立てた積立金の額で令第8条第1((資本金等の額))の規定による資本金以外の資本金等の額に類するものは、法の適用上同項の規定による資本金以外の資本金等の額に該当するものとする。この場合において、その積立金の額が同項の規定による資本金以外の資本金等の額に類するものであるかどうかは、その積立てが行われた時における当該外国法人の本店又は主たる事務所の所在する国の法令に定めるところを勘案して判定する。

(55直法2―8追加、平14課法2―1、平19課法2―3改正)

(資本金の額が零の場合)

1―5―8 会社法の規定の適用を受ける法人で資本金の額が零のものについては、資本を有しない法人には該当しないことに留意する。

(19課法2―3追加)

6節 利益積立金額

(14課法2―1改正)

(納付すべき道府県民税等の計算)

1―6―1 利益積立金額を計算する場合において、留保している金額に含まれない道府県民税及び市町村民税(以下1―6―1において「道府県民税等」という。)の金額は、利益積立金額の計算を行う時までに確定している法人税額を基礎として計算した金額(実際の税率により計算することが困難である場合には、標準税率により計算した金額)による。この場合において、その後道府県民税等の申告、更正又は決定により過不足額が生じたときは、その過不足額は、当該申告、更正又は決定のあった日の属する事業年度開始の日において調整する。

(14課法2―1、平15課法2―7、平22課法2―1、平29課法2―17改正)

() 被合併法人の最後事業年度又は法第24条第1項第2号から第7号まで((配当等の額とみなす金額))の規定によりみなし配当の計算が必要となる事業年度については、標準税率によらず適正額により計算の基礎となる事業年度の利益積立金額を計算することに留意する。

(連結子法人株式の帳簿価額の修正額)

1―6―2 令第9条第3((連結法人株式の帳簿価額修正額))に規定する「帳簿価額修正額」がマイナスとなる場合には、当該マイナスの金額が令第9条第1項第6((利益積立金額の加算額))の金額となるのであるから、この場合の令第119条の35項又は第119条の41((譲渡等修正事由が生じた場合の移動平均法又は総平均法による帳簿価額の算出))の規定により計算した有価証券の一単位当たりの帳簿価額は、マイナスの金額となる場合があることに留意する。

(15課法2―7追加、平17課法2―14、平19課法2―3、平20課法2―5改正)

(連結子法人株式の帳簿価額の譲渡等修正事由に係る譲渡)

1―6―3 法第61条の131((完全支配関係がある法人の間の取引の損益))の規定の適用がある株式の譲渡であっても、当該譲渡が令第9条第2項第1((連結子法人株式に係る譲渡等修正事由))に掲げる事由に該当するときには、当該株式について同条第1項第6号に規定する譲渡等修正事由が生ずることに留意する。

(15課法2―7追加、平19課法2―3、平20課法2―5、平22課法2―1改正)

(連結子法人株式の帳簿価額修正の順序)

1―6―4 令第9条第2項各号((連結子法人株式に係る譲渡等修正事由))に掲げる事由が生じたことに伴い2以上の連結法人がその有する連結法人株式につき、同条第3項に規定する帳簿価額修正額の計算を行うこととなる場合には、これらの連結法人のうち、連結親法人から連鎖する資本関係が最も下位であるものについてこれを行い、順次、その上位のものについてこれを行うことに留意する。

(15課法2―12追加、平19課法2―3改正)

(適格合併等直前既修正額の計算)

1―6―5 令第9条第4項第1((連結子法人株式に係る既修正等額))に掲げる場合に該当する場合において、同号の適格合併に係る同号イに規定する適格合併等直前既修正額に相当する部分の金額は、同号イの被合併法人が同号の適格合併の前に同条第3項の規定の適用を受けた金額(以下1―6―5において「被合併法人既修正額」という。)によるのであるから、例えば、当該被合併法人既修正額が、他の連結法人(同号に規定する他の連結法人をいう。)の当該適格合併に係る同号イの引受利益積立金額を超える場合であっても、当該適格合併等直前既修正額に相当する部分の金額は当該被合併法人既修正額となることに留意する。

同号の適格分割型分割に係る同号イに規定する適格合併等直前既修正額に相当する金額についても、同様とする。

(17課法2―14追加、平19課法2―3改正)

(最終利益積立金額の計算)

1―6―6 令第9条第4項第1((連結子法人株式に係る既修正等額))に掲げる場合に該当する場合において、同号の適格合併に係る同号ロに規定する最終利益積立金額に相当する部分の金額は、同号ロの被合併法人の最終利益積立金額(以下1―6―6において「被合併法人最終利益積立金額」という。)によるのであるから、例えば、当該被合併法人最終利益積立金額が、他の連結法人(同号に規定する他の連結法人をいう。)の当該適格合併に係る同号ロの引受利益積立金額を超える場合であっても、当該最終利益積立金額に相当する部分の金額は当該被合併法人最終利益積立金額となることに留意する。

同号の適格分割型分割に係る同号ロに規定する最終利益積立金額に相当する金額についても、同様とする。

(17課法2―14追加、平19課法2―3改正)

7節 仮決算における経理

(仮決算における損金経理の意義)

1―7―1 法第72条第1((仮決算をした場合の中間申告書の記載事項等))に規定する期間(以下「中間事業年度」という。)に係る決算(以下「仮決算」という。)における損金経理とは、株主等に報告する当該期間に係る決算書(これに類する計算書類を含む。)及びその作成の基礎となった帳簿に費用又は損失として記載することをいう。

(50直法2―21追加、平14課法2―1、平20課法2―5改正)

8節 その他

(20課法2―5追加)

(該当することとなる日等)

1―8―1 1―2―6((公益法人等が普通法人又は協同組合等に該当することとなった日等))(1)イからホまで及び(2)イからトまでに掲げる場合において、法第14((みなし事業年度))の規定以外の規定を適用する場合における「該当することとなる日」又は「該当することとなった日」については、1―2―6の取扱いを準用する。

(20課法2―5追加、平29課法2―17改正、令2課法2―17改正)

2章 収益並びに費用及び損失の計算

(55直法2―8改正)

1節 収益等の計上に関する通則

(55直法2―8、平12課法2―7改正)

1款 資産の販売等に係る収益計上に関する通則

(55直法2―8追加、平30課法2―8改正)

(収益の計上の単位の通則)

2―1―1 資産の販売若しくは譲渡又は役務の提供(2―1―110及び2―1―402を除き、平成30330日付企業会計基準第29「収益認識に関する会計基準」(以下2―1―1において「収益認識基準」という。)の適用対象となる取引に限る。以下この節において「資産の販売等」という。)に係る収益の額は、原則として個々の契約ごとに計上する。ただし、次に掲げる場合に該当する場合には、それぞれ次に定めるところにより区分した単位ごとにその収益の額を計上することができる。

(30課法2―8改正)

(1) 同一の相手方及びこれとの間に支配関係その他これに準ずる関係のある者と同時期に締結した複数の契約について、当該複数の契約において約束した資産の販売等を組み合わせて初めて単一の履行義務(収益認識基準第7項に定める履行義務をいう。以下2―1―217までにおいて同じ。)となる場合 当該複数の契約による資産の販売等の組合せ

(2) 一の契約の中に複数の履行義務が含まれている場合 それぞれの履行義務に係る資産の販売等

()

1 同一の相手方及びこれとの間に支配関係その他これに準ずる関係のある者と同時期に締結した複数の契約について、次のいずれかに該当する場合には、当該複数の契約を結合したものを一の契約とみなしてただし書の(2)を適用する。

(1) 当該複数の契約が同一の商業目的を有するものとして交渉されたこと。

(2) 一の契約において支払を受ける対価の額が、他の契約の価格又は履行により影響を受けること。

2 工事(製造及びソフトウエアの開発を含む。以下2―1―1において同じ。)の請負に係る契約について、次の(1)に区分した単位における収益の計上時期及び金額が、次の(2)に区分した単位における収益の計上時期及び金額に比してその差異に重要性が乏しいと認められる場合には、次の(1)に区分した単位ごとにその収益の額を計上することができる。

(1) 当事者間で合意された実質的な取引の単位を反映するように複数の契約(異なる相手方と締結した複数の契約又は異なる時点に締結した複数の契約を含む。)を結合した場合のその複数の契約において約束した工事の組合せ

(2) 同一の相手方及びこれとの間に支配関係その他これに準ずる関係のある者と同時期に締結した複数の契約について、ただし書の(1)又は(2)に掲げる場合に該当する場合(ただし書の(2)にあっては、上記()1においてみなして適用される場合に限る。)におけるそれぞれただし書の(1)又は(2)に定めるところにより区分した単位

3 一の資産の販売等に係る契約につきただし書の適用を受けた場合には、同様の資産の販売等に係る契約については、継続してその適用を受けたただし書の(1)又は(2)に定めるところにより区分した単位ごとに収益の額を計上することに留意する。

(機械設備等の販売に伴い据付工事を行った場合の収益の計上の単位)

2―1―12 法人が機械設備等の販売をしたことに伴いその据付工事を行った場合(法第64条第1((長期大規模工事の請負に係る収益及び費用の帰属事業年度))の規定の適用がある場合及び同条第2((長期大規模工事以外の工事の請負に係る収益及び費用の帰属事業年度))の規定の適用を受ける場合を除く。)において、その据付工事が相当の規模のものであり、かつ、契約その他に基づいて機械設備等の販売に係る対価の額とその据付工事に係る対価の額とを合理的に区分することができるときは、2―1―1ただし書(2)に掲げる場合に該当するかどうかにかかわらず、その区分した単位ごとにその収益の額を計上することができる。

(30課法2―8追加)

(資産の販売等に伴い保証を行った場合の収益の計上の単位)

2―1―13 法人が資産の販売等に伴いその販売若しくは譲渡する資産又は提供する役務に対する保証を行った場合において、当該保証がその資産又は役務が合意された仕様に従っているという保証のみであるときは、当該保証は当該資産の販売等とは別の取引の単位として収益の額を計上することにはならないことに留意する。

(30課法2―8追加)

(部分完成の事実がある場合の収益の計上の単位)

2―1―14 法人が請け負った建設工事等(建設、造船その他これらに類する工事をいう。以下2―1―218までにおいて同じ。)について次に掲げるような事実がある場合(法第64条第1((長期大規模工事の請負に係る収益及び費用の帰属事業年度))の規定の適用がある場合及び同条第2((長期大規模工事以外の工事の請負に係る収益及び費用の帰属事業年度))の規定の適用を受ける場合を除く。)には、その建設工事等の全部が完成しないときにおいても、2―1―1にかかわらず、その事業年度において引き渡した建設工事等の量又は完成した部分に区分した単位ごとにその収益の額を計上する。

(30課法2―8追加)

(1) 一の契約により同種の建設工事等を多量に請け負ったような場合で、その引渡量に従い工事代金を収入する旨の特約又は慣習がある場合

(2) 1個の建設工事等であっても、その建設工事等の一部が完成し、その完成した部分を引き渡した都度その割合に応じて工事代金を収入する旨の特約又は慣習がある場合

(技術役務の提供に係る収益の計上の単位)

2―1―15 設計、作業の指揮監督、技術指導その他の技術役務の提供について次に掲げるような事実がある場合には、2―1―1にかかわらず、次の期間又は作業に係る部分に区分した単位ごとにその収益の額を計上する。

(30課法2―8追加)

(1) 報酬の額が現地に派遣する技術者等の数及び滞在期間の日数等により算定され、かつ、一定の期間ごとにその金額を確定させて支払を受けることとなっている場合

(2) 例えば基本設計に係る報酬の額と部分設計に係る報酬の額が区分されている場合のように、報酬の額が作業の段階ごとに区分され、かつ、それぞれの段階の作業が完了する都度その金額を確定させて支払を受けることとなっている場合

(ノウハウの頭金等の収益の計上の単位)

2―1―16 ノウハウの開示が2回以上にわたって分割して行われ、かつ、その設定契約に際して支払を受ける一時金又は頭金の支払がほぼこれに見合って分割して行われることとなっている場合には、2―1―1にかかわらず、その開示をした部分に区分した単位ごとにその収益の額を計上する。

(30課法2―8追加)

()

1 ノウハウの設定契約に際して支払を受ける一時金又は頭金の額がノウハウの開示のために現地に派遣する技術者等の数及び滞在期間の日数等により算定され、かつ、一定の期間ごとにその金額を確定させて支払を受けることとなっている場合には、その期間に係る部分に区分した単位ごとにその収益の額を計上する。

2 ノウハウの設定契約の締結に先立って、相手方に契約締結の選択権を付与する場合には、その選択権の提供を当該ノウハウの設定とは別の取引の単位としてその収益の額を計上する。

(ポイント等を付与した場合の収益の計上の単位)

2―1―17 法人が資産の販売等に伴いいわゆるポイント又はクーポンその他これらに類するもの(以下2―1―17において「ポイント等」という。)で、将来の資産の販売等に際して、相手方からの呈示があった場合には、その呈示のあった単位数等と交換に、その将来の資産の販売等に係る資産又は役務について、値引きして、又は無償により、販売若しくは譲渡又は提供をすることとなるもの(当該法人以外の者が運営するものを除く。以下2―1―17及び2―1―393において「自己発行ポイント等」という。)を相手方に付与する場合(不特定多数の者に付与する場合に限る。)において、次に掲げる要件の全てに該当するときは、継続適用を条件として、当該自己発行ポイント等について当初の資産の販売等(以下2―1―17において「当初資産の販売等」という。)とは別の取引に係る収入の一部又は全部の前受けとすることができる。

(30課法2―8追加)

(1) その付与した自己発行ポイント等が当初資産の販売等の契約を締結しなければ相手方が受け取れない重要な権利を与えるものであること。

(2) その付与した自己発行ポイント等が発行年度ごとに区分して管理されていること。

(3) 法人がその付与した自己発行ポイント等に関する権利につきその有効期限を経過したこと、規約その他の契約で定める違反事項に相手方が抵触したことその他の当該法人の責に帰さないやむを得ない事情があること以外の理由により一方的に失わせることができないことが規約その他の契約において明らかにされていること。

(4) 次のいずれかの要件を満たすこと。

イ その付与した自己発行ポイント等の呈示があった場合に値引き等をする金額(以下2―1―17において「ポイント等相当額」という。)が明らかにされており、かつ、将来の資産の販売等に際して、たとえ1ポイント又は1枚のクーポンの呈示があっても値引き等をすることとされていること。

() 一定単位数等に達しないと値引き等の対象にならないもの、割引券(将来の資産の販売等の対価の額の一定割合を割り引くことを約する証票をいう。)及びいわゆるスタンプカードのようなものは上記イの要件を満たす自己発行ポイント等には該当しない。

ロ その付与した自己発行ポイント等が当該法人以外の者が運営するポイント等又は自ら運営する他の自己発行ポイント等で、イに該当するものと所定の交換比率により交換できることとされていること。

() 当該自己発行ポイント等の付与について別の取引に係る収入の一部又は全部の前受けとする場合には、当初資産の販売等に際して支払を受ける対価の額を、当初資産の販売等に係る引渡し時の価額等(その販売若しくは譲渡をした資産の引渡しの時における価額又はその提供をした役務につき通常得べき対価の額に相当する金額をいう。)と、当該自己発行ポイント等に係るポイント等相当額とに合理的に割り振る。

(資産の販売等に係る収益の額に含めないことができる利息相当部分)

2―1―18 法人が資産の販売等を行った場合において、次の(1)に掲げる額及び次の(2)に掲げる事実並びにその他のこれらに関連する全ての事実及び状況を総合的に勘案して、当該資産の販売等に係る契約に金銭の貸付けに準じた取引が含まれていると認められるときは、継続適用を条件として、当該取引に係る利息相当額を当該資産の販売等に係る収益の額に含めないことができる。

(30課法2―8追加)

(1) 資産の販売等に係る契約の対価の額と現金販売価格(資産の販売等と同時にその対価の全額の支払を受ける場合の価格をいう。)との差額

(2) 資産の販売等に係る目的物の引渡し又は役務の提供をしてから相手方が当該資産の販売等に係る対価の支払を行うまでの予想される期間及び市場金利の影響

(割賦販売等に係る収益の額に含めないことができる利息相当部分)

2―1―19 法人が割賦販売等(月賦、年賦その他の賦払の方法により対価の支払を受けることを定型的に定めた約款に基づき行われる資産の販売等及び延払条件が付された資産の販売等をいう。以下2―1―19において同じ。)又は法第63条第1((リース譲渡に係る収益及び費用の帰属事業年度))に規定するリース譲渡(同条の規定の適用を受けるものを除く。以下2―1―19において「リース譲渡」という。)を行った場合において、当該割賦販売等又はリース譲渡に係る販売代価と賦払期間又はリース期間(法第64条の23((リース取引に係る所得の金額の計算))に規定するリース取引に係る契約において定められた同条第1項に規定するリース資産の賃貸借期間をいう。)中の利息に相当する金額とが区分されているときは、当該利息に相当する金額を当該割賦販売等又はリース譲渡に係る収益の額に含めないことができる。

(30課法2―8追加)

(資産の引渡しの時の価額等の通則)

2―1―110 法第22条の24((収益の額))「その販売若しくは譲渡をした資産の引渡しの時における価額又はその提供をした役務につき通常得べき対価の額に相当する金額」(以下2―1―111までにおいて「引渡し時の価額等」という。)とは、原則として資産の販売等につき第三者間で取引されたとした場合に通常付される価額をいう。なお、資産の販売等に係る目的物の引渡し又は役務の提供の日の属する事業年度終了の日までにその対価の額が合意されていない場合は、同日の現況により引渡し時の価額等を適正に見積もるものとする。

(30課法2―8追加)

()

1 なお書の場合において、その後確定した対価の額が見積額と異なるときは、令第18条の21((収益の額))の規定の適用を受ける場合を除き、その差額に相当する金額につきその確定した日の属する事業年度の収益の額を減額し、又は増額する。

2 引渡し時の価額等が、当該取引に関して支払を受ける対価の額を超える場合において、その超える部分が、寄附金又は交際費等その他のその法人の所得の金額の計算上損金の額に算入されないもの、剰余金の配当等及びその法人の資産の増加又は負債の減少を伴い生ずるもの(以下2―1―116までにおいて「損金不算入費用等」という。)に該当しない場合には、その超える部分の金額を益金の額及び損金の額に算入する必要はないことに留意する。

(変動対価)

2―1―111 資産の販売等に係る契約の対価について、値引き、値増し、割戻しその他の事実(法第22条の25項各号((収益の額))に掲げる事実を除く。以下2―1―111において「値引き等の事実」という。)により変動する可能性がある部分の金額(以下2―1―111において「変動対価」という。)がある場合(当該値引き等の事実が損金不算入費用等に該当しないものである場合に限る。)において、次に掲げる要件の全てを満たすときは、(2)により算定される変動対価につき同条第1項又は第2項に規定する事業年度(以下2―1―111において「引渡し等事業年度」という。)の確定した決算において収益の額を減額し、又は増額して経理した金額(引渡し等事業年度の確定申告書に当該収益の額に係る益金算入額を減額し、又は増額させる金額の申告の記載がある場合の当該金額を含み、変動対価に関する不確実性が解消されないものに限る。)は、引渡し等事業年度の引渡し時の価額等の算定に反映するものとする。

(30課法2―8追加)

(1) 値引き等の事実の内容及び当該値引き等の事実が生ずることにより契約の対価の額から減額若しくは増額をする可能性のある金額又はその金額の算定基準(客観的なものに限る。)が、当該契約若しくは法人の取引慣行若しくは公表した方針等により相手方に明らかにされていること又は当該事業年度終了の日において内部的に決定されていること。

(2) 過去における実績を基礎とする等合理的な方法のうち法人が継続して適用している方法により(1)の減額若しくは増額をする可能性又は算定基準の基礎数値が見積もられ、その見積りに基づき収益の額を減額し、又は増額することとなる変動対価が算定されていること。

(3) (1)を明らかにする書類及び(2)の算定の根拠となる書類が保存されていること。

()

1 引渡し等事業年度終了の日後に生じた事情により令第18条の23((収益の額))に規定する収益基礎額が変動した場合において、資産の販売等に係る収益の額につき同条第1項に規定する当初益金算入額に同項に規定する修正の経理(同条第2項においてみなされる場合を含む。以下2―1―111において「修正の経理」という。)により増加した収益の額を加算し、又は当該当初益金算入額からその修正の経理により減少した収益の額を控除した金額が当該資産の販売等に係る法第22条の24項に規定する価額又は対価の額に相当しないときは、令第18条の23項の規定の適用によりその変動することが確定した事業年度の収益の額を減額し、又は増額することとなることに留意する。

2 引渡し等事業年度における資産の販売等に係る収益の額につき、その引渡し等事業年度の収益の額として経理していない場合において、その後の事業年度の確定した決算において行う受入れの経理(その後の事業年度の確定申告書における益金算入に関する申告の記載を含む。)は、一般に公正妥当な会計処理の基準に従って行う修正の経理には該当しないことに留意する。

(売上割戻しの計上時期)

2―1―112 販売した棚卸資産に係る売上割戻しについて2―1―111の取扱いを適用しない場合には、当該売上割戻しの金額をその通知又は支払をした日の属する事業年度の収益の額から減額する。

(30課法2―8追加)

(一定期間支払わない売上割戻しの計上時期)

2―1―113 法人が売上割戻しについて2―1―111の取扱いを適用しない場合において、当該売上割戻しの金額につき相手方との契約等により特約店契約の解約、災害の発生等特別な事実が生ずる時まで又は5年を超える一定の期間が経過するまで相手方名義の保証金等として預かることとしているため、相手方がその利益の全部又は一部を実質的に享受することができないと認められる場合には、その売上割戻しの金額については、2―1―112にかかわらず、これを現実に支払った日(その日前に実質的に相手方にその利益を享受させることとした場合には、その享受させることとした日)の属する事業年度の売上割戻しとして取り扱う。

(30課法2―8追加)

(実質的に利益を享受することの意義)

2―1―114 2―1―113「相手方がその利益の全部又は一部を実質的に享受すること」とは、次に掲げるような事実があることをいう。

(30課法2―8追加)

(1) 相手方との契約等に基づいてその売上割戻しの金額に通常の金利を付すとともに、その金利相当額については現実に支払っているか、又は相手方からの請求があれば支払うこととしていること。

(2) 相手方との契約等に基づいて保証金等に代えて有価証券その他の財産を提供することができることとしていること。

(3) 保証金等として預かっている金額が売上割戻しの金額のおおむね50%以下であること。

(4) 相手方との契約等に基づいて売上割戻しの金額を相手方名義の預金又は有価証券として保管していること。

(値増金の益金算入の時期)

2―1―115 法人が請け負った建設工事等に係る工事代金につき資材の値上がり等に応じて一定の値増金を収入することが契約において定められている場合において、2―1―111の取扱いを適用しないときは、その収入すべき値増金の額については、次の場合の区分に応じ、それぞれ次によることとする。ただし、その建設工事等の引渡しの日後において相手方との協議によりその収入すべき金額が確定する値増金については、その収入すべき金額が確定した日の属する事業年度の収益の額を増額する。

(30課法2―8追加)

(1) 当該建設工事等が2―1―212に規定する履行義務が一定の期間にわたり充足されるものに該当する場合(2―1―217本文の取扱いを適用する場合を除く。) 値増金を収入することが確定した日の属する事業年度以後の2―1―215による収益の額の算定に反映する。

(2) (1)の場合以外の場合 その建設工事等の引渡しの日の属する事業年度の益金の額に算入する。

(相手方に支払われる対価)

2―1―116 資産の販売等に係る契約において、いわゆるキャッシュバックのように相手方に対価が支払われることが条件となっている場合(損金不算入費用等に該当しない場合に限る。)には、次に掲げる日のうちいずれか遅い日の属する事業年度においてその対価の額に相当する金額を当該事業年度の収益の額から減額する。

(30課法2―8追加)

(1) その支払う対価に関連する資産の販売等に係る法第22条の21((収益の額))に規定する日又は同条第2項に規定する近接する日

(2) その対価を支払う日又はその支払を約する日

1款の2 棚卸資産の販売に係る収益

(30課法2―8追加)

(棚卸資産の引渡しの日の判定)

2―1―2 棚卸資産の販売に係る収益の額は、その引渡しがあった日の属する事業年度の益金の額に算入するのであるが、その引渡しの日がいつであるかについては、例えば出荷した日、船積みをした日、相手方に着荷した日、相手方が検収した日、相手方において使用収益ができることとなった日等当該棚卸資産の種類及び性質、その販売に係る契約の内容等に応じその引渡しの日として合理的であると認められる日のうち法人が継続してその収益計上を行うこととしている日によるものとする。この場合において、当該棚卸資産が土地又は土地の上に存する権利であり、その引渡しの日がいつであるかが明らかでないときは、次に掲げる日のうちいずれか早い日にその引渡しがあったものとすることができる。

(55直法2―8追加、平30課法2―8改正)

(1) 代金の相当部分(おおむね50%以上)を収受するに至った日

(2) 所有権移転登記の申請(その登記の申請に必要な書類の相手方への交付を含む。)をした日

(委託販売に係る収益の帰属の時期)

2―1―3 棚卸資産の委託販売に係る収益の額は、その委託品について受託者が販売をした日の属する事業年度の益金の額に算入する。ただし、当該委託品についての売上計算書が売上の都度作成され送付されている場合において、法人が継続して当該売上計算書の到達した日において収益計上を行っているときは、当該到達した日は、その引渡しの日に近接する日に該当するものとして、法第22条の22((収益の額))の規定を適用する。

(55直法2―8、平30課法2―8改正)

() 受託者が週、旬、月を単位として一括して売上計算書を作成している場合においても、それが継続して行われているときは、「売上の都度作成され送付されている場合」に該当する。

(検針日による収益の帰属の時期)

2―1―4 ガス、水道、電気等の販売をする場合において、週、旬、月を単位とする規則的な検針に基づき料金の算定が行われ、法人が継続してその検針が行われた日において収益計上を行っているときは、当該検針が行われた日は、その引渡しの日に近接する日に該当するものとして、法第22条の22((収益の額))の規定を適用する。

(55直法2―8追加、平15課法2―7、平30課法2―8改正)

2款 固定資産の譲渡等に係る収益

(55直法2―8追加、平30課法2―8改正)

2―1―5から2―1―13まで 削除

(30課法2―8)

(固定資産の譲渡に係る収益の帰属の時期)

2―1―14 固定資産の譲渡に係る収益の額は、別に定めるものを除き、その引渡しがあった日の属する事業年度の益金の額に算入する。ただし、その固定資産が土地、建物その他これらに類する資産である場合において、法人が当該固定資産の譲渡に関する契約の効力発生の日において収益計上を行っているときは、当該効力発生の日は、その引渡しの日に近接する日に該当するものとして、法第22条の22((収益の額))の規定を適用する。

(55直法2―8、平30課法2―8改正)

() 本文の取扱いによる場合において、固定資産の引渡しの日がいつであるかについては、2―1―2の例による。

(農地の譲渡に係る収益の帰属の時期の特例)

2―1―15 農地の譲渡があった場合において、当該農地の譲渡に関する契約が農地法上の許可を受けなければその効力を生じないものであるため、法人がその許可のあった日において収益計上を行っているときは、当該許可のあった日は、その引渡しの日に近接する日に該当するものとして、法第22条の22((収益の額))の規定を適用する。

(55直法2―8追加、平30課法2―8改正)

() 法人が農地の取得に関する契約を締結した場合において、農地法上の許可を受ける前に当該契約に基づく契約上の権利を他に譲渡したときにおけるその譲渡に係る収益の額を益金の額に算入する時期については、2―1―14による。この場合において、当該権利の譲渡に関する契約において農地法上の許可を受けることを当該契約の効力発生の条件とする旨の定めがあったとしても、当該定めは、当該許可を受けることができないことを契約解除の条件とする旨の定めであるものとして2―1―14のただし書を適用する。

(工業所有権等の譲渡に係る収益の帰属の時期の特例)

2―1―16 工業所有権等(特許権、実用新案権、意匠権及び商標権並びにこれらの権利に係る出願権及び実施権をいう。以下この節において同じ。)の譲渡につき法人が次に掲げる日において収益計上を行っている場合には、次に掲げる日は、その引渡しの日に近接する日に該当するものとして、法第22条の22((収益の額))の規定を適用する。

(55直法2―8追加、平30課法2―8改正)

(1) その譲渡に関する契約の効力発生の日

(2) その譲渡の効力が登録により生ずることとなっている場合におけるその登録の日

2―1―17 削除

(30課法2―8)

(固定資産を譲渡担保に供した場合)

2―1―18 法人が債務の弁済の担保としてその有する固定資産を譲渡した場合において、その契約書に次の全ての事項を明らかにし、自己の固定資産として経理しているときは、その譲渡はなかったものとして取り扱う。この場合において、その後その要件のいずれかを欠くに至ったとき又は債務不履行のためその弁済に充てられたときは、これらの事実の生じたときにおいて譲渡があったものとして取り扱う。

(55直法2―8、平23課法2―17改正)

(1) 当該担保に係る固定資産を当該法人が従来どおり使用収益すること。

(2) 通常支払うと認められる当該債務に係る利子又はこれに相当する使用料の支払に関する定めがあること。

() 形式上買戻条件付譲渡又は再売買の予約とされているものであっても、上記のような条件を具備しているものは、譲渡担保に該当する。

(共有地の分割)

2―1―19 法人が他の者と土地を共有している場合において、その共有に係る土地をその持分に応じて分割したときは、その分割による土地の譲渡はなかったものとして取り扱う。

(55直法2―8追加)

() その分割に要した費用の額は、その支出をした日の属する事業年度の損金の額に算入することができる。

(法律の規定に基づかない区画形質の変更に伴う土地の交換分合)

2―1―20 一団の土地の区域内に土地(土地の上に存する権利を含む。以下2―1―20において同じ。)を有する2以上の者が、その一団の土地の利用の増進を図るために行う土地の区画形質の変更に際し、相互にその区域内に有する土地の交換分合(土地区画整理法、都市再開発法等の法律の規定に基づいて行うものを除く。以下2―1―20において同じ。)を行った場合には、その交換分合が当該区画形質の変更に必要最小限の範囲内で行われるものである限り、その交換分合による土地の譲渡はなかったものとして取り扱う。この場合において、当該区域内にある土地の一部がその区画形質の変更に要する費用に充てるために譲渡されたときは、当該2以上の者が当該区域内に有していた土地の面積の比その他合理的な基準によりそれぞれその有していた土地の一部を譲渡したものとする。

(55直法2―8追加、昭58直法2―11改正)

()

1 その区画形質の変更に要した費用の額は、土地の取得価額に算入することに留意する。

2 この取扱いは、当該交換分合が、一団の土地の区画形質の変更に伴い行われる道路その他の公共施設の整備、不整形地の整理等に基因して行われるもので、四囲の状況からみて必要最小限の範囲内であると認められるものについて適用できることに留意する。

(道路の付替え)

2―1―21 法人が、自己の有する土地の利用上障害となっている既存の公道(他の者の有する私道を含む。以下2―1―21において同じ。)を移転する目的で当該土地の一部に当該公道に代るべき道路を建設し、当該道路及びその敷地に係る土地と当該公道の敷地に係る土地とを交換した場合には、その交換による土地の譲渡はなかったものとして取り扱う。

(55直法2―8追加)

() その道路の建設及び交換に要した費用の額は、土地の取得価額に算入することに留意する。

3款 役務の提供に係る収益

(30課法2―8追加)

(履行義務が一定の期間にわたり充足されるものに係る収益の帰属の時期)

2―1―212 役務の提供(法第64条第1((長期大規模工事の請負に係る収益及び費用の帰属事業年度))の規定の適用があるもの及び同条第2((長期大規模工事以外の工事の請負に係る収益及び費用の帰属事業年度))の規定の適用を受けるものを除き、平成30330日付企業会計基準第29「収益認識に関する会計基準」の適用対象となる取引に限る。以下2―1―213までにおいて同じ。)のうちその履行義務が一定の期間にわたり充足されるもの(以下2―1―30までにおいて「履行義務が一定の期間にわたり充足されるもの」という。)については、その履行に着手した日から引渡し等の日(物の引渡しを要する取引にあってはその目的物の全部を完成して相手方に引き渡した日をいい、物の引渡しを要しない取引にあってはその約した役務の全部を完了した日をいう。以下2―1―217までにおいて同じ。)までの期間において履行義務が充足されていくそれぞれの日が法第22条の21((収益の額))に規定する役務の提供の日に該当し、その収益の額は、その履行義務が充足されていくそれぞれの日の属する事業年度の益金の額に算入されることに留意する。

(30課法2―8追加)

(履行義務が一時点で充足されるものに係る収益の帰属の時期)

2―1―213 役務の提供のうち履行義務が一定の期間にわたり充足されるもの以外のもの(以下2―1―30までにおいて「履行義務が一時点で充足されるもの」という。)については、その引渡し等の日が法第22条の21((収益の額))に規定する役務の提供の日に該当し、その収益の額は、引渡し等の日の属する事業年度の益金の額に算入されることに留意する。

(30課法2―8追加)

(履行義務が一定の期間にわたり充足されるもの)

2―1―214 次のいずれかを満たすものは履行義務が一定の期間にわたり充足されるものに該当する。

(30課法2―8追加)

(1) 取引における義務を履行するにつれて、相手方が便益を享受すること。

() 例えば、清掃サービスなどの日常的又は反復的なサービスはこれに該当する。

(2) 取引における義務を履行することにより、資産が生じ、又は資産の価値が増加し、その資産が生じ、又は資産の価値が増加するにつれて、相手方がその資産を支配すること。

() 上記の資産を支配することとは、当該資産の使用を指図し、当該資産からの残りの便益のほとんど全てを享受する能力(他の者が当該資産の使用を指図して当該資産から便益を享受することを妨げる能力を含む。)を有することをいう。

(3) 次の要件のいずれも満たすこと。

イ 取引における義務を履行することにより、別の用途に転用することができない資産が生じること。

ロ 取引における義務の履行を完了した部分について、対価の額を収受する強制力のある権利を有していること。

(履行義務が一定の期間にわたり充足されるものに係る収益の額の算定の通則)

2―1―215 履行義務が一定の期間にわたり充足されるものに係るその履行に着手した日の属する事業年度から引渡し等の日の属する事業年度の前事業年度までの各事業年度の所得の金額の計算上益金の額に算入する収益の額は、別に定めるものを除き、提供する役務につき通常得べき対価の額に相当する金額に当該各事業年度終了の時における履行義務の充足に係る進捗度を乗じて計算した金額から、当該各事業年度前の各事業年度の収益の額とされた金額を控除した金額とする。

(30課法2―8追加)

()

1 本文の取扱いは、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積もることができる場合に限り適用する。

2 履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積もることができない場合においても、当該履行義務を充足する際に発生する原価の額を回収することが見込まれる場合には、当該履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積もることができることとなる時まで、履行義務を充足する際に発生する原価のうち回収することが見込まれる原価の額をもって当該事業年度の収益の額とする。

3 ()2にかかわらず、履行に着手した後の初期段階において、履行義務の充足に係る進捗度を合理的に見積もることができない場合には、その収益の額を益金の額に算入しないことができる。

(履行義務の充足に係る進捗度)

2―1―216 2―1―215「履行義務の充足に係る進捗度」とは、役務の提供に係る原価の額の合計額のうちにその役務の提供のために既に要した原材料費、労務費その他の経費の額の合計額の占める割合その他の履行義務の進捗の度合を示すものとして合理的と認められるものに基づいて計算した割合をいう。

(30課法2―8追加)

()

1 2―1―214(1)()の日常的又は反復的なサービスの場合には、例えば、契約期間の全体のうち、当該事業年度終了の日までに既に経過した期間の占める割合は、履行義務の進捗の度合を示すものとして合理的と認められるものに該当する。

2 本文の既に要した原材料費、労務費その他の経費の額のうちに、履行義務の充足に係る進捗度に寄与しないもの又は比例しないものがある場合には、その金額を進捗度の見積りには反映させないことができる。

(請負に係る収益の帰属の時期)

2―1―217 請負(法第64条第1((長期大規模工事の請負に係る収益及び費用の帰属事業年度))の規定の適用があるもの及び同条第2((長期大規模工事以外の工事の請負に係る収益及び費用の帰属事業年度))の規定の適用を受けるものを除く。以下2―1―217において同じ。)については、別に定めるものを除き、2―1―212及び2―1―213にかかわらず、その引渡し等の日が法第22条の21((収益の額))に規定する役務の提供の日に該当し、その収益の額は、原則として引渡し等の日の属する事業年度の益金の額に算入されることに留意する。ただし、当該請負が2―1―214(1)から(3)までのいずれかを満たす場合において、その請負に係る履行義務が充足されていくそれぞれの日の属する事業年度において2―1―215に準じて算定される額を益金の額に算入しているときは、これを認める。

(30課法2―8追加)

()

1 例えば、委任事務又は準委任事務の履行により得られる成果に対して報酬を支払うことを約している場合についても同様とする。

2 2―1―14の取扱いを適用する場合には、その事業年度において引き渡した建設工事等の量又は完成した部分に対応する工事代金の額をその事業年度の益金の額に算入する。

(建設工事等の引渡しの日の判定)

2―1―218 2―1―217本文の場合において、請負契約の内容が建設工事等を行うことを目的とするものであるときは、その建設工事等の引渡しの日がいつであるかについては、例えば作業を結了した日、相手方の受入場所へ搬入した日、相手方が検収を完了した日、相手方において使用収益ができることとなった日等当該建設工事等の種類及び性質、契約の内容等に応じその引渡しの日として合理的であると認められる日のうち法人が継続してその収益計上を行うこととしている日によるものとする。

(30課法2―8追加)

(不動産の仲介あっせん報酬の帰属の時期)

2―1―219 土地、建物等の売買、交換又は賃貸借(以下2―1―219において「売買等」という。)の仲介又はあっせんをしたことによる報酬の額は、その履行義務が一定の期間にわたり充足されるものに該当する場合(2―1―217本文の取扱いを適用する場合を除く。)を除き、原則としてその売買等に係る契約の効力が発生した日の属する事業年度の益金の額に算入する。ただし、法人が、売買又は交換の仲介又はあっせんをしたことにより受ける報酬の額について、継続して当該契約に係る取引の完了した日(同日前に実際に収受した金額があるときは、当該金額についてはその収受した日。以下2―1―219において同じ。)において収益計上を行っている場合には、当該完了した日は、その役務の提供の日に近接する日に該当するものとして、法第22条の22((収益の額))の規定を適用する。

(30課法2―8追加)

(技術役務の提供に係る報酬の帰属の時期)

2―1―2110 設計、作業の指揮監督、技術指導その他の技術役務の提供を行ったことにより受ける報酬の額は、その履行義務が一定の期間にわたり充足されるものに該当する場合(2―1―217本文の取扱いを適用する場合を除く。)を除き、原則としてその約した役務の全部の提供を完了した日の属する事業年度の益金の額に算入するのであるが、2―1―15の取扱いを適用する場合には、その支払を受けるべき報酬の額が確定する都度その確定した金額をその確定した日の属する事業年度の益金の額に算入する。ただし、その支払を受けることが確定した金額のうち役務の全部の提供が完了する日まで又は1年を超える相当の期間が経過する日まで支払を受けることができないこととされている部分の金額については、その完了する日とその支払を受ける日とのいずれか早い日までその報酬の額を益金の額に算入することを見合わせることができる。

(30課法2―8追加)

(運送収入の帰属の時期)

2―1―2111 運送業における運送収入の額は、その履行義務が一定の期間にわたり充足されるものに該当する場合(2―1―217本文の取扱いを適用する場合を除く。)を除き、原則としてその運送に係る役務の提供を完了した日の属する事業年度の益金の額に算入する。ただし、法人が、運送契約の種類、性質、内容等に応じ、例えば次に掲げるような方法のうちその運送収入に係る収益の計上基準として合理的であると認められるものにより継続してその収益計上を行っている場合には、当該計上基準により合理的と認められる日は、その運送収入に係る役務の提供の日に近接する日に該当するものとして、法第22条の22((収益の額))の規定を適用する。

(30課法2―8追加)

(1) 乗車券、乗船券、搭乗券等を発売した日(自動販売機によるものについては、その集金をした時)にその発売に係る運送収入の額につき収益計上を行う方法

(2) 船舶、航空機等が積地を出発した日に当該船舶、航空機等に積載した貨物又は乗客に係る運送収入の額につき収益計上を行う方法

(3) 一の航海(船舶が発港地を出発してから帰港地に到着するまでの航海をいう。以下2―1―2111において同じ。)に通常要する期間がおおむね4月以内である場合において、当該一の航海に係る運送収入の額につき当該一の航海を完了した日に収益計上を行う方法

(4) 運送業を営む2以上の法人が運賃の交互計算又は共同計算を行っている場合における当該交互計算又は共同計算によりその配分が確定した日に収益計上を行う方法

(5) 海上運送業を営む法人が船舶による運送に関連して受払いする滞船料について、その額が確定した日に収益計上を行う方法

() 早出料については、その額が確定した日の属する事業年度の損金の額に算入することができる。

4款 短期売買商品等の譲渡に係る損益

(19課法2―17追加、平30課法2―8、令元課法2―10改正)

(短期売買商品等の譲渡に係る損益の計上時期の特例)

2―1―2112 短期売買商品等(法第61条第1((短期売買商品等の譲渡損益及び時価評価損益))に規定する短期売買商品等をいう。以下2―1―2113までにおいて同じ。)の譲渡損益の額(同項に規定する譲渡利益額又は譲渡損失額をいう。以下2―1―2112において同じ。)は、原則として譲渡に係る契約の成立した日の属する事業年度の益金の額又は損金の額に算入するのであるが、法人が当該譲渡損益の額(事業年度終了の日において未引渡しとなっている短期売買商品等に係る譲渡損益の額を除く。)をその短期売買商品等の引渡しのあった日の属する事業年度の益金の額又は損金の額に算入している場合には、これを認める。

(19課法2―17追加、平30課法2―8、令元課法2―10改正)

()

1 短期売買商品等の取得についても、原則として取得に係る契約の成立した日に取得したものとしなければならないのであるが、その引渡しのあった日に取得したものとして経理処理をしている場合には、事業年度終了の日において未引渡しとなっている短期売買商品等を除き、本文の譲渡の場合と同様に取り扱う。この場合、令第118条の61((短期売買商品等の一単位当たりの帳簿価額の算出の方法及びその選定の手続等))の規定の適用についても同様とする。

2 本文及び()1の取扱いは、譲渡及び取得のいずれについてもこれらの取扱いを適用している場合に限り、継続適用を条件として認めるものとする。

(短期売買業務の廃止に伴う短期売買商品等から短期売買商品等以外の資産への変更)

2―1―2113 法第61条第5((短期売買商品等のみなし譲渡))「短期売買商品等の売買を行う業務の全部を廃止したとき」とは、反復継続して行う短期売買商品等(同条第1項に規定する暗号資産(以下2―3―65までにおいて「暗号資産」という。)を除く。以下2―1―2113において同じ。)の売買を主たる業務として又は従たる業務として営んでいる法人が、その業務を行っている事業所、部署等の撤収、廃止等をし、当該法人が当該業務そのものを行わないこととした場合をいうのであるから、単に、保有する短期売買商品等の売却を行わないこととした場合は、これに該当しないことに留意する。

(19課法2―17追加、平22課法2―1、平30課法2―8、令元課法2―10、令2課法2―17改正)

(暗号資産信用取引に係る現渡しの方法による決済を行った場合の損益の計上時期)

2―1―2114 法第61条第7((短期売買商品等の譲渡損益及び時価評価損益))に規定する暗号資産信用取引の方法により暗号資産の売付けを行った場合において、いわゆる現渡しの方法による決済を行ったときは、当該取引に係る譲渡損益の額は、当該決済に係る約定が成立した日に計上する。

(令元課法2―10追加、令2課法2―17改正)

5款 有価証券の譲渡による損益

(55直法2―8追加、平12課法2―7、平19課法2―17改正)

(有価証券の譲渡による損益の計上時期)

2―1―22 有価証券の譲渡による法第61条の21((有価証券の譲渡損益の益金算入等))に規定する譲渡利益額又は譲渡損失額(以下2―1―233までにおいて「譲渡損益の額」という。)の計上は、同項の規定に基づき原則として譲渡に係る契約の成立した日に行うこととなるのであるから、次に掲げる場合には、それぞれ次に掲げる日に譲渡損益の額を計上する。

(55直法2―8追加、平12課法2―7、平14課法2―1、平19課法2―3、平19課法2―17、平22課法2―1、平27課法2―8改正)

(1) 証券業者等に売却の媒介、取次ぎ若しくは代理の委託又は売出しの取扱いの委託をしている場合 当該委託をした有価証券の売却に関する取引が成立した日

(2) 相対取引により有価証券を売却している場合 金融商品取引法第37条の4((契約締結時等の書面の交付))に規定する書面に記載される約定日、売買契約書の締結日などの当該相対取引の約定が成立した日

(3) その譲渡損益の額が次によるものである場合 次に掲げる区分に応じ、それぞれ次に定める日

イ その法人の有していた株式(出資、新株予約権及び投資信託及び投資法人に関する法律第2条第17((定義))に規定する新投資口予約権を含む。以下2―1―22において同じ。)を発行した法人の合併によるものについては、合併の効力を生ずる日(新設合併の場合は、新設合併設立法人の設立登記の日)

ロ その法人の有していた株式を発行した法人の分割型分割によるものについては、分割の効力を生ずる日(新設分割の場合は、新設分割設立法人の設立登記の日)

ハ 株式交換又は株式移転によるものについては、株式交換の効力を生ずる日又は株式移転完全親法人の設立登記の日

(有価証券の譲渡による損益の計上時期の特例)

2―1―23 有価証券の譲渡損益の額は、原則として譲渡に係る契約の成立した日に計上しなければならないのであるが、令第119条の22項本文又は第3((有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出の方法))に規定する区分に応じ、法人が当該譲渡損益の額(事業年度終了の日において未引渡しとなっている有価証券に係る譲渡損益の額を除く。)をその有価証券の引渡しのあった日に計上している場合には、これを認める。

(12課法2―7追加)

()

1 有価証券の取得についても、原則として取得に係る契約の成立した日に取得したものとしなければならないのであるが、その引渡しのあった日に取得したものとして経理処理をしている場合には、事業年度終了の日において未引渡しとなっている有価証券を除き、本文の譲渡の場合と同様に取り扱う。この場合、同条第1項の規定の適用についても同様とする。

2 本文及び()1の取扱いは、譲渡及び取得のいずれについてもこれらの取扱いを適用している場合に限り、継続適用を条件として認めるものとする。

(短期売買業務の廃止に伴う売買目的有価証券から満期保有目的等有価証券又はその他有価証券への区分変更)

2―1―232 令第119条の111項第1号ロ((有価証券の区分変更等によるみなし譲渡))に規定する短期売買業務の全部を廃止したことという事実は、反復継続して行う有価証券の売買を主たる業務として又は従たる業務として営んでいる法人が、その業務を行っている事業所、部署等の撤収、廃止等をし、当該法人が当該業務そのものを行わないこととしたことをいうのであるから、単に、保有する同号に掲げる売買目的有価証券の売却を行わないこととしたことは上記の事実に該当しないことに留意する。

(12課法2―7追加、平19課法2―17改正)

() 本文の適用は、事業所ごと、かつ、令第119条の121((売買目的有価証券の範囲))に規定する「専担者売買有価証券」2―3―27((短期売買目的で取得したものである旨を表示したものの意義))に定める「短期売買有価証券」又は令第119条の122号に規定する「信託財産に属する有価証券」の区分ごとに判定する。

(現渡しの方法による決済を行った場合の損益の計上時期)

2―1―233 法第61条の221((信用取引等の譲渡利益額又は譲渡損失額))に規定する信用取引の方法により株式の売付けを行った場合において、いわゆる現渡しの方法による決済を行ったときは、当該取引に係る譲渡損益の額は、当該決済に係る約定が成立した日に計上する。

(12課法2―7追加、平14課法2―1、平19課法2―3、平19課法2―17、平29課法2―17改正)

(売却及び購入の同時の契約等のある有価証券の取引)

2―1―234 同一の有価証券(法第61条の31項第1((売買目的有価証券の期末評価額))に規定する売買目的有価証券を除く。)が売却の直後に購入された場合において、その売却先から売却をした有価証券の買戻し又は再購入(証券業者等に売却の媒介、取次ぎ若しくは代理の委託をしている場合の当該証券業者等からの購入又は当該証券業者等に購入の媒介、取次ぎ若しくは代理の委託をしている場合の当該購入を含む。)をする同時の契約があるときは、当該売却をした有価証券のうち当該買戻し又は再購入をした部分は、その売却がなかったものとして取り扱う。

(12課法2―7追加)

()

1 同時の契約がない場合であっても、これらの契約があらかじめ予定されたものであり、かつ、売却価額と購入価額が同一となるよう売買価額が設定されているとき又はこれらの価額が売却の決済日と購入の決済日との間に係る金利調整のみを行った価額となるよう設定されているときは、同時の契約があるものとして取り扱う。

2 本文の適用を受ける取引に伴い支出する委託手数料その他の費用は、当該有価証券の取得価額に含めない。

3 購入の直後に売却が行われた場合の当該購入についても同様に取り扱う。

6款 利子、配当、使用料等に係る収益

(55直法2―8追加、平19課法2―17改正)

(貸付金利子等の帰属の時期)

2―1―24 貸付金、預金、貯金又は有価証券(以下2―1―24において「貸付金等」という。)から生ずる利子の額は、その利子の計算期間の経過に応じ当該事業年度に係る金額を当該事業年度の益金の額に算入する。ただし、主として金融及び保険業を営む法人以外の法人が、その有する貸付金等(当該法人が金融及び保険業を兼業する場合には、当該金融及び保険業に係るものを除く。)から生ずる利子でその支払期日が1年以内の一定の期間ごとに到来するものの額につき、継続してその支払期日の属する事業年度の益金の額に算入している場合には、これを認める。

(55直法2―8追加、昭61直法2―12、平12課法2―7、平19課法2―5、平30課法2―8改正)

()

1 例えば借入金とその運用資産としての貸付金、預金、貯金又は有価証券(法第12条第1((信託財産に属する資産及び負債並びに信託財産に帰せられる収益及び費用の帰属))に規定する受益者(同条第2項の規定により同条第1項に規定する受益者とみなされる者を含む。)がその信託財産に属する資産及び負債を有するものとみなされる信託(以下「受益者等課税信託」という。)の信託財産に属するこれらの資産を含む。)がひも付きの見合関係にある場合のように、その借入金に係る支払利子の額と運用資産から生ずる利子の額を対応させて計上すべき場合には、その運用資産から生ずる利子の額については、ただし書の適用はないものとする。

2 資産の販売等に伴い発生する売上債権(受取手形を含む。)又はその他の金銭債権について、その現在価値と当該債権に含まれる金利要素とを区分経理している場合の当該金利要素に相当する部分の金額は、2―1―18又は2―1―19の取扱いを適用する場合を除き、当該債権の発生の基となる資産の販売等に係る売上の額等に含まれることに留意する。

(相当期間未収が継続した場合等の貸付金利子等の帰属時期の特例)

2―1―25 法人の有する貸付金又は当該貸付金に係る債務者について次のいずれかの事実が生じた場合には、当該貸付金から生ずる利子の額(実際に支払を受けた金額を除く。)のうち当該事業年度に係るものは、2―1―24にかかわらず、当該事業年度の益金の額に算入しないことができるものとする。

(55直法2―8追加、平12課法2―7、平15課法2―7、平17課法2―14、平19課法2―3、平22課法2―1改正)

(1) 債務者が債務超過に陥っていることその他相当の理由により、その支払を督促したにもかかわらず、当該貸付金から生ずる利子の額のうち当該事業年度終了の日以前6(当該事業年度終了の日以前6月以内に支払期日がないものは1年。以下2―1―25において「直近6月等」という。)以内にその支払期日が到来したもの(当該貸付金に係る金銭債権を売買等により取得した場合のその取得前の期間のものを含む。以下2―1―25において「最近発生利子」という。)の全額が当該事業年度終了の時において未収となっており、かつ、直近6月等以内に最近発生利子以外の利子について支払を受けた金額が全くないか又は極めて少額であること。

(2) 債務者につき更生手続が開始されたこと。

(3) 債務者につき債務超過の状態が相当期間継続し、事業好転の見通しがないこと、当該債務者が天災事故、経済事情の急変等により多大の損失を蒙ったことその他これらに類する事由が生じたため、当該貸付金の額の全部又は相当部分についてその回収が危ぶまれるに至ったこと。

(4) 更生計画認可の決定、債権者集会の協議決定等により当該貸付金の額の全部又は相当部分について相当期間(おおむね2年以上)棚上げされることとなったこと。

()

1 この取扱いにより益金の額に算入しなかった利子の額については、その後これにつき実際に支払を受けた日の属する事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当する場合には、当該連結事業年度)の益金の額に算入する。

2 法人の有する債券又は債券の発行者に上記(1)から(4)までと同様の事実が生じた場合にも、当該債券に係る利子につき同様に取り扱う。

(利息制限法の制限超過利子)

2―1―26 法人が利息制限法に定める制限利率(以下2―1―26において「制限利率」という。)を超える利率により金銭の貸付けを行っている場合におけるその貸付けに係る貸付金から生ずる利子の額の収益計上については、2―1―24及び2―1―25によるほか、次に定めるところによるものとする。

(55直法2―8追加、昭59直法2―3、平10課法2―17、平20課法2―5、平22課法2―1改正)

(1) 当該貸付金から生ずる利子の額のうち当該事業年度に係る金額は、原則としてその貸付けに係る約定利率により計算するものとするが、実際に支払を受けた利子の額を除き、法人が継続して制限利率によりその計算を行っている場合には、これを認める。

(2) 当該貸付金から生ずる利子の額のうち実際に支払を受けたものについては、その支払を受けた金額を利子として益金の額に算入する。

(3) (1)により当該事業年度に係る利子の額を計算する場合におけるその計算の基礎となる貸付金の額は、原則としてその貸付けに係る約定元本の額によるものとするが、法人が継続して既に支払を受けた利子の額のうち制限利率により計算した利子の額を超える部分の金額を元本の額に充当したものとして当該貸付金の額を計算している場合には、これを認める。

() この場合には、貸倒引当金の計算の基礎となる事業年度終了の時における金銭債権の帳簿価額についても斉一の方法によるものとする。

(剰余金の配当等の帰属の時期)

2―1―27 法人が他の法人(法第4条の7((受託法人等に関するこの法律の適用))の各号列記以外の部分に規定する受託法人を含む。)から受ける剰余金の配当、利益の配当、剰余金の分配、投資信託及び投資法人に関する法律第137((金銭の分配))の金銭の分配、資産の流動化に関する法律第115条第1((中間配当))に規定する金銭の分配(以下「特定目的会社に係る中間配当」という。)又は法第2条第29号ロ((集団投資信託))に掲げる投資信託(以下2―1―27において「投資信託」という。)の収益の分配(以下2―1―31までにおいてこれらを「剰余金の配当等」という。)の額は、次に掲げる区分に応じ、それぞれ次に掲げる日の属する事業年度の収益とする。ただし、その剰余金の配当等の額が外国法人から受けるものである場合において、当該外国法人の本店又は主たる事務所の所在する国又は地域の剰余金の配当等に関する法令にその確定の時期につきこれと異なる定めがあるときは、当該法令に定めるところにより当該剰余金の配当等の額が確定したとされる日の属する事業年度の収益とする。

(50直法2―21、昭55直法2―8、平3課法2―4、平5課法2―1、平11課法2―9、平12課法2―7、平12課法2―19、平14課法2―1、平19課法2―3、平19課法2―5、平27課法2―8、平29課法2―17改正)

(1) 法第23条第1項第1号に規定する剰余金の配当若しくは利益の配当又は剰余金の分配については、次による。

イ 剰余金の配当 当該配当の効力を生ずる日

ロ 利益の配当又は剰余金の分配 当該配当又は分配をする法人の社員総会又はこれに準ずるものにおいて、当該利益の配当又は剰余金の分配に関する決議のあった日。ただし、持分会社にあっては定款で定めた日がある場合にはその日

() 法人が、配当落ち日に未収配当金の見積計上をしている場合であっても、当該未収配当金の額は、未確定の収益として当該配当落ち日の属する事業年度の益金の額に算入しない。次の(2)及び(3)において同じ。

(2) 同項第2号に規定する金銭の分配については、当該金銭の分配がその効力を生ずる日

(3) 特定目的会社に係る中間配当については、当該中間配当に係る取締役の決定のあった日。ただし、その決定により中間配当の請求権に関しその効力発生日として定められた日があるときは、その日

(4) 投資信託の収益の分配のうち信託の開始の時からその終了の時までの間におけるものについては、当該収益の計算期間の末日とし、投資信託の終了又は投資信託の一部の解約による収益の分配については、当該終了又は解約のあった日

(5) 法第24((配当等の額とみなす金額))の規定によるみなし配当については、次に掲げる区分に応じ、それぞれに定める日

イ 同条第1項第1号に掲げる合併によるものについては、合併の効力を生ずる日。ただし、新設合併の場合は、新設合併設立法人の設立登記の日

ロ 同項第2号に掲げる分割型分割によるものについては、分割の効力を生ずる日。ただし、新設分割の場合は、新設分割設立法人の設立登記の日

ハ 同項第3号に掲げる株式分配のうち剰余金の配当によるものについては、当該配当の効力を生ずる日とし、同号に掲げる株式分配のうち利益の配当によるものについては、当該配当をする法人の社員総会又はこれに準ずるものにおいて、当該利益の配当に関する決議のあった日。ただし、持分会社にあっては定款で定めた日がある場合にはその日

ニ 同項第4号に掲げる資本の払戻しによるものについては、資本の払戻しに係る剰余金の配当又は法第23条第1項第2号に規定する出資等減少分配がその効力を生ずる日

ホ 法第24条第1項第4号に掲げる解散による残余財産の分配によるものについては、その分配の開始の日(その分配が数回に分割してされた場合には、それぞれの分配の開始の日)

ヘ 同項第5号に掲げる自己の株式又は出資の取得によるものについては、その取得の日

ト 同項第6号に掲げる出資の消却、出資の払戻し、社員その他法人の出資者の退社若しくは脱退による持分の払戻し又は株式若しくは出資をその発行した法人が取得することなく消滅させることによるものについては、これらの事実があった日

チ 同項第7号に掲げる組織変更によるものについては、組織変更の効力を生ずる日

(剰余金の配当等の帰属時期の特例)

2―1―28 法人が他の法人から受ける剰余金の配当等の額でその支払のために通常要する期間内に支払を受けるものにつき継続してその支払を受けた日の属する事業年度の収益としている場合には、2―1―27にかかわらず、これを認める。

(55直法2―8追加、平19課法2―3改正)

(賃貸借契約に基づく使用料等の帰属の時期)

2―1―29 資産の賃貸借(金融商品(平成20310日付企業会計基準第10「金融商品に関する会計基準」の適用対象となる資産、負債及びデリバティブ取引をいう。)に係る取引、法第64条の23((リース取引に係る所得の金額の計算))に規定するリース取引及び2―3―62((暗号資産信用取引に係る売付け及び買付けに係る対価の額))の対象となる取引に該当するものを除く。以下この章において同じ。)は、履行義務が一定の期間にわたり充足されるものに該当し、その収益の額は2―1―212の事業年度の益金の額に算入する。ただし、資産の賃貸借契約に基づいて支払を受ける使用料等の額(前受けに係る額を除く。)について、当該契約又は慣習によりその支払を受けるべき日において収益計上を行っている場合には、その支払を受けるべき日は、その資産の賃貸借に係る役務の提供の日に近接する日に該当するものとして、法第22条の22((収益の額))の規定を適用する。

(55直法2―8追加、平30課法2―8、令元課法2―10、令2課法2―17改正)

()

1 当該賃貸借契約について係争(使用料等の額の増減に関するものを除く。)があるためその支払を受けるべき使用料等の額が確定せず、当該事業年度においてその支払を受けていないときは、相手方が供託をしたかどうかにかかわらず、その係争が解決して当該使用料等の額が確定し、その支払を受けることとなるまで当該使用料等の額を益金の額に算入することを見合わせることができるものとする。

2 使用料等の額の増減に関して係争がある場合には()1の取扱いによらないのであるが、この場合には、契約の内容、相手方が供託をした金額等を勘案してその使用料等の額を合理的に見積もるものとする。

3 収入する金額が期間のみに応じて定まっている資産の賃貸借に係る収益の額の算定に要する2―1―216の進捗度の見積りに使用されるのに適切な指標は、通常は経過期間となるため、その収益は毎事業年度定額で益金の額に算入されることになる。

(知的財産のライセンスの供与に係る収益の帰属の時期)

2―1―30 知的財産のライセンスの供与に係る収益の額については、次に掲げる知的財産のライセンスの性質に応じ、それぞれ次に定める取引に該当するものとして、2―1―212及び2―1―213の取扱いを適用する。

(30課法2―8追加)

(1) ライセンス期間にわたり存在する法人の知的財産にアクセスする権利 履行義務が一定の期間にわたり充足されるもの

(2) ライセンスが供与される時点で存在する法人の知的財産を使用する権利 履行義務が一時点で充足されるもの

(工業所有権等の実施権の設定に係る収益の帰属の時期)

2―1―302 工業所有権等の実施権の設定により受ける対価(使用料を除く。)の額につき法人が次に掲げる日において収益計上を行っている場合には、2―1―212及び2―1―213にかかわらず、次に掲げる日はその実施権の設定に係る役務の提供の日に近接する日に該当するものとして、法第22条の22((収益の額))の規定を適用する。

(30課法2―8追加)

(1) その設定に関する契約の効力発生の日

(2) その設定の効力が登録により生ずることとなっている場合におけるその登録の日

(ノウハウの頭金等の帰属の時期)

2―1―303 ノウハウの設定契約に際して支払(返金が不要な支払を除く。以下2―1―303において同じ。)を受ける一時金又は頭金に係る収益の額は、2―1―212及び2―1―213にかかわらず、当該ノウハウの開示を完了した日の属する事業年度の益金の額に算入する。ただし、2―1―16本文の取扱いを適用する場合には、その開示をした都度これに見合って支払を受けるべき金額をその開示をした日の属する事業年度の益金の額に算入する。

(30課法2―8追加)

()

1 2―1―16()1の取扱いを適用する場合には、その一時金又は頭金の支払を受けるべき金額が確定する都度その確定した金額をその確定した日の属する事業年度の益金の額に算入する。

2 2―1―16()2の取扱いを適用する場合には、ノウハウの設定契約の締結に先立って、相手方に契約締結の選択権を付与するために支払を受けるいわゆるオプション料の額については、その支払を受けた日の属する事業年度の益金の額に算入する。

(知的財産のライセンスの供与に係る売上高等に基づく使用料に係る収益の帰属の時期)

2―1―304 知的財産のライセンスの供与に対して受け取る売上高又は使用量に基づく使用料が知的財産のライセンスのみに関連している場合又は当該使用料において知的財産のライセンスが主な項目である場合には、2―1―111の取扱いは適用せず、2―1―212及び2―1―213にかかわらず、次に掲げる日のうちいずれか遅い日の属する事業年度において当該使用料についての収益の額を益金の額に算入する。

(30課法2―8追加)

(1) 知的財産のライセンスに関連して相手方が売上高を計上する日又は相手方が知的財産のライセンスを使用する日

(2) 当該使用料に係る役務の全部又は一部が完了する日

(工業所有権等の使用料の帰属の時期)

2―1―305 2―1―212及び2―1―213並びに2―1―304にかかわらず、工業所有権等又はノウハウを他の者に使用させたことにより支払を受ける使用料の額について、法人が継続して契約によりその使用料の額の支払を受けることとなっている日において収益計上を行っている場合には、当該支払を受けることとなっている日は、その役務の提供の日に近接する日に該当するものとして、法第22条の22((収益の額))の規定を適用する。

(55直法2―8追加、平30課法2―8改正)

(送金が許可されない利子、配当等の帰属の時期の特例)

2―1―31 国外の者から支払を受ける貸付金の利子、剰余金の配当等又は工業所有権等若しくはノウハウの使用料(措置法第66条の61項各号((内国法人の外国関係会社に係る所得の課税の特例))に掲げる内国法人又は措置法第66条の921((特殊関係株主等である内国法人に係る外国関係法人に係る所得の課税の特例))に規定する特殊関係株主等である内国法人が措置法第66条の61項、第6項若しくは第8項の規定又は措置法第66条の921項、第6項若しくは第8項の規定の適用を受ける場合には、これらの内国法人に係る外国関係会社(措置法第66条の62項第1号に規定する外国関係会社をいう。)又は外国関係法人(措置法第66条の921項に規定する外国関係法人をいう。)から受けるこれらのものを除く。以下2―1―31において「国外からの利子、配当等」という。)について、現地の外貨事情その他やむを得ない事由によりその送金が許可されないため、長期(おおむね2年以上)にわたりその支払を受けることができないと認められる事情がある場合には、その送金が許可されることとなる日までその国外からの利子、配当等の額を益金の額に算入することを見合せることができるものとする。この場合において、その国外からの利子、配当等の額(その額が2以上あるときは、それぞれの額とする。以下2―1―31において同じ。)の一部につきその送金が許可されることとなり、かつ、その許可された金額の合計額が当該国外からの利子、配当等の額のおおむね50%以上の金額に達したときは、その残額をその達した日の属する事業年度の益金の額に算入する。

(55直法2―8追加、平10課法2―7、平19課法2―3、平19課法2―17、平21課法2―5、平22課法2―1、平30課法2―8改正)

() 国外からの利子、配当等の額の全部又は一部を現地における費用の支出(金銭債権以外の資産の取得を含む。)に充てた場合には、その充てた日にその充てた金額に相当する金額の送金が許可されたものとしてこの取扱いを適用する。

7款 その他の収益等

(55直法2―8追加、平12課法2―7、平19課法2―17改正)

(償還有価証券に係る調整差損益の計上)

2―1―32 令第139条の21((償還有価証券の調整差益又は調整差損の益金又は損金算入))に規定する償還有価証券(以下2―1―33までにおいて「償還有価証券」という。)をその償還金額に満たない価額で取得した場合又は償還金額を超える価額で取得した場合における同条の規定の適用に当たっては、次のことに留意する。

(12課法2―7追加、平12課法2―19、平14課法2―1、平17課法2―14、平21課法2―5改正)

(1) 同項に規定する調整差益又は調整差損(以下2―1―32において「調整差損益」という。)は、償還有価証券の銘柄の異なるごとに同条第2項から第5項までに規定する方法(定額法)により計算し、益金の額又は損金の額に算入する。

(2) 同条第5項の規定は継続適用を前提としてこれを適用する。

(3) 外貨建ての償還有価証券については、外国通貨表示の金額により算出した調整差損益を継続適用を条件として次のいずれかの外国為替の売買相場(以下この(3)において「為替相場」という。)により円換算を行う。ただし、法第61条の82((先物外国為替契約等により円換算額を確定させた外貨建取引の換算))の規定の適用がある場合には、当該償還有価証券の円換算に使用した為替相場により円換算を行う。

イ 当該事業年度における期中平均相場(当該事業年度の当該償還有価証券の保有期間又は当該事業年度における132―1―2((外貨建取引及び発生時換算法の円換算))に定める電信売買相場の仲値の平均値又は132―1―2に定める電信買相場の平均値をいう。)

ロ 132―2―5((期末時換算法-事業年度終了の時における為替相場))に定める為替相場

() 令第119条の14((償還有価証券の帳簿価額の調整))に規定する帳簿価額は、外国通貨表示の金額により算出した調整差損益を法第61条の91項第2号ロ((償還有価証券の期末換算方法))に規定する「発生時換算法又は期末時換算法」により円換算した金額を加減算して算出する。

(4) 法第25条第2((資産の評価換えによる評価益の益金算入))に規定する法律の規定に従って行う評価換え、同項に規定する政令で定める評価換え又は法第33条第2項及び第3((資産の評価換えによる評価損の損金算入))に規定する評価換えは、令第119条の14の規定を適用した後の金額に基づき行う。

(5) 調整差損益を帳簿価額に加算又は減算した場合には、その有価証券の一単位当たりの帳簿価額についても、加算又は減算を行う。

(6) 法第61条の82項の規定の適用がある場合において、当該償還有価証券(令第119条の22項第1((満期保有目的有価証券の意義))に規定する有価証券に限る。)に係る調整差損益を法第61条の101((為替予約差額の配分))に規定する為替予約差額の直先差額に含めて各事業年度の益金の額又は損金の額に配分しているときは、継続適用を条件としてこれを認める。

(償還有価証券の範囲)

2―1―33 償還有価証券とは、その有価証券を保有する法人にとって当該有価証券の償還期限が確定しており、かつ、その償還期限における償還金額が確定しているものをいうのであるから、当該有価証券が償還有価証券に該当するか否かの判定に当たり、次に掲げるものは、それぞれ次による。

(12課法2―7追加、平15課法2―7、平19課法2―3改正)

(1) 抽選償還条項が付されている債券等のように期限前償還の可能性のあるものであっても、そのような期限前償還は考慮しないところにより、償還有価証券か否かを判定する。

(2) コマーシャル・ぺーパー、譲渡性預金証書並びに取得期限及び取得金額の定めのある取得条項付株式又は全部取得条項付種類株式は、償還有価証券に該当する。

(3) 2―3―42((有価証券等に組み込まれたデリバティブ取引の取扱い))に定める複合有価証券等(有価証券に限る)であっても、同通達の組込デリバティブ取引と区分された部分(償還期限及び償還金額があるものに限り、当該組込デリバティブ取引について同通達()3の適用を受ける場合を除く。)は、償還有価証券に該当する。

(4) 確定した償還期限の定めのないいわゆる永久債(償還権を発行者が有し契約条項等からみて償還の実行の可能性が極めて高いもので、かつ、償還時期及び償還金額が合理的に予測可能なものを除く。)は、償還有価証券に該当しない。

(5) 償還金額が変動する株価リンク債、他社株償還条項付社債等は、償還有価証券に該当しない。

(6) 次に掲げるものは、償還有価証券に該当しないものとして取り扱うことができる。

イ 2―1―25((相当期間未収が継続した場合等の貸付金利子等の帰属時期の特例))に掲げる事実が生じている場合の有価証券又は発行者の経営状態・資産状態の悪化等に伴い償還金額の一部の償還が明らかに見込まれないものとなっている場合の有価証券

ロ その償還の全部又は一部が6月以上延滞している場合の定時償還条項付債券(債券発行後一定期間据え置いた後、一定期間ごとに一定額以上の償還を規則的に行い、償還期限に未償還残高を償還することが定められている債券をいう。)

()

1 転換社債型新株予約権付社債(募集事項において、社債と新株予約権がそれぞれ単独で存在し得ないこと及び新株予約権が付された社債を当該新株予約権の行使時における出資の目的とすることをあらかじめ明確にしている新株予約権付社債をいう。)は原則として償還有価証券に該当しない。

ただし、いわゆる転換価額がその新株予約権の行使の対象となる株式の相場を大きく上回り、将来的にも全くその行使の可能性がないと認められる場合には、令第119条の14((償還有価証券の帳簿価額の調整))に規定する「償還期限に償還されないと見込まれる新株予約権付社債」に当たらないため、償還有価証券に該当する。

2 上記(6)は、これらに掲げる事実がその有価証券の取得後に生じた場合における当該事実が生じた事業年度以後の当該有価証券の判定について、同様とする。

(債権の取得差額に係る調整差損益の計上)

2―1―34 金銭債権をその債権金額に満たない価額で取得した場合又は債権金額を超える価額で取得した場合において、その債権金額とその取得に要した価額との差額に相当する金額(実質的な贈与と認められる部分の金額を除く。以下2―1―34において「取得差額」という。)の全部又は一部が金利の調整により生じたものと認められるときは、当該金銭債権に係る支払期日までの期間の経過に応じ、利息法又は定額法に基づき当該取得差額の範囲内において金利の調整により生じた部分の金額(以下2―1―34において「調整差額」という。)を益金の額又は損金の額に算入する。

ただし、調整差額を算定することが困難である場合又は当該金銭債権につき2―1―33(6)イ及び()((償還有価証券の範囲))に掲げる事実がある場合には、この限りでない。

(55直法2―8追加、平12課法2―7、平19課法2―3、平23課法2―17改正)

()

1 本文の取扱いは、本文の金銭債権に該当するものの全てにつき同様の調整方法による計算を行わなければならないことに留意する。

2 2―1―32(3)((償還有価証券に係る調整差損益の計上))は、調整差額の計算を行う場合の取扱いにおいて準用する。

3 金融及び保険業を営む法人以外の法人が取得した金銭債権については、当該金銭債権に係る支払期日(1年以内の一定の期間ごとに到来するものに限る。)が到来する都度その支払期日が到来した債権金額に応じて調整差額を益金の額又は損金の額に算入することができる。

4 利息法とは、調整差額を元本額の残高に対する利回りが一定となるように支払期日までの各期間に配分する方法をいい、定額法とは、調整差額を支払期日までの各期間の日数等に応じて当該各期間に均等に配分する方法をいう。

(デリバティブ取引に係る契約に基づく資産の取得による損益の計上)

2―1―35 法第61条の51((デリバティブ取引に係る利益相当額の益金算入等))に規定するデリバティブ取引(以下2―1―36までにおいて「デリバティブ取引」という。)に係る契約に基づき金銭以外の資産を取得した場合の当該デリバティブ取引の決済によって生じた利益の額又は損失の額(以下2―1―36において「決済損益の額」という。)の計上は、同条第3項の規定に基づき当該資産の取得の日に行うこととなるのであるが、この場合の「取得の日」とは、デリバティブ取引に係る契約の決済が現物の受渡しにより行われることが確定した日(当該日に具体的な引渡物件及び受渡代金が確定していない場合には、これらが具体的に確定した日をいう。以下2―1―36までにおいて「受渡決済確定日」という。)をいうことに留意する。ただし、その取得される資産が金融商品以外の資産(以下2―1―36までにおいて「非金融資産」という。)であり、かつ、当該非金融資産の受渡期日が受渡決済確定日から通常の受渡しに要する期間内に到来する場合において、法人がその受渡しの日を当該非金融資産の取得の日としているときは、継続適用を条件としてこれを認める。

(12課法2―7追加、平19課法2―3、平21課法2―5、平22課法2―1、平30課法2―8改正)

()

1 取引所に上場しているデリバティブ取引に係る同項に規定する「取得の時における当該資産の価額」は、当該取引に係る最終の清算値段等を取引所の定める規則に従って交換比率、品質格差等によって調整した価額に基づき算出することができる。

2 ただし書の取扱いにより、そのデリバティブ取引が事業年度終了の時において同条第1項に規定する「未決済デリバティブ取引」となる場合には、同項の規定の適用があることに留意する。

(デリバティブ取引に係る契約に基づく資産の譲渡による損益の計上)

2―1―36 デリバティブ取引に係る契約に基づき金銭以外の資産を譲渡した場合の決済損益の額の計上は、原則として受渡決済確定日に行うこととなるのであるが、その譲渡する資産が非金融資産であり、かつ、当該非金融資産の受渡期日が受渡決済確定日から通常の受渡しに要する期間内に到来する場合において、法人が継続して当該非金融資産の譲渡による決済損益の額をその受渡しの日に計上しているときは、これを認める。

(12課法2―7追加)

() 当該デリバティブ取引に係る当該資産の譲渡の時における価額及び本文の適用を受ける場合の法第61条の51((デリバティブ取引に係る利益相当額の益金算入等))の規定の適用については、2―1―35((デリバティブ取引に係る契約に基づく資産の取得による損益の計上))()1及び2の取扱いを準用する。

(有利な状況にある相対買建オプション取引について権利行使を行わなかった場合の取扱い)

2―1―37 法人が権利行使期日又は権利行使期間の末日(以下2―1―37において「権利行使期日等」という。)において有利な状況にある買建ての規則第27条の71項第1((デリバティブ取引の範囲等))に掲げる取引のうち金融商品取引法第2条第22項第3号及び第4((店頭デリバティブ取引))に掲げる取引並びに規則第27条の71項第4号及び第5号に掲げる取引並びにこれらの取引に類似する同項第7号に掲げる取引(相対取引により行われるものに限る。以下2―1―38までにおいて「相対オプション取引」という。)について、合理的な理由もなく権利行使を行わなかった場合には、当該権利行使期日等において、権利行使により生ずることとなる当該買建ての相対オプション取引に係る利益の額に相当する金額をその取引の相手方に対して贈与したものとして取り扱うことに留意する。

(12課法2―7追加、平19課法2―17改正)

()

1 「有利な状況にある」とは、例えば有価証券をオプション対象物としたコール・オプションを買い建てている場合において、オプション対象物である有価証券の権利行使期日等における価格が当該コール・オプションの行使価格を上回っているときをいう。

2 「利益の額に相当する金額」とは、オプション対象物の権利行使期日等における価格と当該相対オプション取引に係る権利行使価格との差額に相当する金額をいう。

(不利な状況にある相対買建オプション取引について権利行使を行った場合の取扱い)

2―1―38 法人が不利な状況にある買建ての相対オプション取引について、合理的な理由もなく権利行使を行った場合には、当該権利行使を行った日において、当該相対オプション取引に係る損失の額に相当する金額をその取引の相手方に対して贈与したものとして取り扱うことに留意する。

(12課法2―7追加)

()

1 「不利な状況にある」とは、例えば有価証券をオプション対象物としたプット・オプションを買い建てている場合において、オプション対象物である有価証券の権利行使を行った日における価格が当該プット・オプションの行使価格を上回っているときをいう。

2 「損失の額に相当する金額」とは、当該相対オプション取引に係る権利行使価格とオプション対象物の権利行使を行った日における価格との差額に相当する金額をいう。

(商品引換券等の発行に係る収益の帰属の時期)

2―1―39 法人が商品の引渡し又は役務の提供(以下2―1―39において「商品の引渡し等」という。)を約した証券等(以下2―1―392までにおいて「商品引換券等」という。)を発行するとともにその対価の支払を受ける場合における当該対価の額は、その商品の引渡し等(商品引換券等に係る商品の引渡し等を他の者が行うこととなっている場合における当該商品引換券等と引換えにする金銭の支払を含む。以下2―1―39において同じ。)に応じてその商品の引渡し等のあった日の属する事業年度の益金の額に算入するのであるが、その商品引換券等の発行の日(適格合併、適格分割又は適格現物出資(以下この章において「適格組織再編成」という。)により当該商品引換券等に係る契約の移転を受けたものである場合にあっては、当該移転をした法人が当該商品引換券等を発行した日)から10年が経過した日(同日前に次に掲げる事実が生じた場合には、当該事実が生じた日。2―1―392において10年経過日等」という。)の属する事業年度終了の時において商品の引渡し等を完了していない商品引換券等がある場合には、当該商品引換券等に係る対価の額(2―1―392の適用を受けて益金の額に算入された部分の金額を除く。)を当該事業年度の益金の額に算入する。

(55直法2―8追加、平12課法2―7、平14課法2―1、平22課法2―1、平30課法2―8改正)

(1) 法人が発行した商品引換券等をその発行に係る事業年度ごとに区分して管理しないこと又は管理しなくなったこと。

(2) その商品引換券等の有効期限が到来すること。

(3) 法人が継続して収益計上を行うこととしている基準に達したこと。

() 例えば、発行日から一定年数が経過したこと、商品引換券等の発行総数に占める2―2―11に規定する未引換券の数の割合が一定割合になったことその他の合理的に定められた基準のうち法人が予め定めたもの(会計処理方針その他のものによって明らかとなっているものに限る。)がこれに該当する。

(非行使部分に係る収益の帰属の時期)

2―1―392 法人が商品引換券等を発行するとともにその対価の支払を受ける場合において、その商品引換券等に係る権利のうち相手方が行使しないと見込まれる部分の金額(以下2―1―392において「非行使部分」という。)があるときは、その商品引換券等の発行の日から10年経過日等の属する事業年度までの各事業年度においては、当該非行使部分に係る対価の額に権利行使割合(相手方が行使すると見込まれる部分の金額のうちに実際に行使された金額の占める割合をいう。)を乗じて得た金額から既にこの取扱いに基づき益金の額に算入された金額を控除する方法その他のこれに準じた合理的な方法に基づき計算された金額を益金の額に算入することができる。

(30課法2―8追加)

()

1 本文の非行使部分の見積りを行う場合には、過去における権利の不行使の実績を基礎とする等合理的な方法により見積もられたものであること及びその算定の根拠となる書類を保存していることを要する。

2 10年経過日等の属する事業年度において、非行使部分に係る対価の額のうち本文により益金の額に算入されていない残額を益金の額に算入することとなることに留意する。

(自己発行ポイント等の付与に係る収益の帰属の時期)

2―1―393 法人が2―1―17の取扱いを適用する場合には、前受けとした額は、将来の資産の販売等に際して値引き等(自己発行ポイント等に係る将来の資産の販売等を他の者が行うこととなっている場合における当該自己発行ポイント等と引換えにする金銭の支払を含む。以下2―1―393において同じ。)をするに応じて、その失効をすると見積もられる自己発行ポイント等も勘案して、その値引き等をする日の属する事業年度の益金の額に算入するのであるが、その自己発行ポイント等の付与の日(適格組織再編成により当該自己発行ポイント等に係る契約の移転を受けたものである場合にあっては、当該移転をした法人が当該自己発行ポイント等を付与した日)から10年が経過した日(同日前に次に掲げる事実が生じた場合には、当該事実が生じた日)の属する事業年度終了の時において行使されずに未計上となっている自己発行ポイント等がある場合には、当該自己発行ポイント等に係る前受けの額を当該事業年度の益金の額に算入する。

(30課法2―8追加)

(1) 法人が付与した自己発行ポイント等をその付与に係る事業年度ごとに区分して管理しないこと又は管理しなくなったこと。

(2) その自己発行ポイント等の有効期限が到来すること。

(3) 法人が継続して収益計上を行うこととしている基準に達したこと。

()

1 本文の失効をすると見積もられる自己発行ポイント等の勘案を行う場合には、過去における失効の実績を基礎とする等合理的な方法により見積もられたものであること及びその算定の根拠となる書類が保存されていることを要する。

2 例えば、付与日から一定年数が経過したこと、自己発行ポイント等の付与総数に占める未行使の数の割合が一定割合になったことその他の合理的に定められた基準のうち法人が予め定めたもの(会計処理方針その他のものによって明らかとなっているものに限る。)が上記(3)の基準に該当する。

(将来の逸失利益等の補填に充てるための補償金等の帰属の時期)

2―1―40 法人が他の者から営業補償金、経費補償金等の名目で支払を受けた金額については、当該金額の支払がたとえ将来の逸失利益又は経費の発生等当該事業年度後の各事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当する場合には、当該連結事業年度)において生ずることが見込まれる費用又は損失の補填に充てることを目的とするものであるとしても、その支払を受けた日の属する事業年度の益金の額に算入するのであるから留意する。

(55直法2―8追加、平12課法2―7、平15課法2―7、平23課法2―17改正)

(返金不要の支払の帰属の時期)

2―1―402 法人が、資産の販売等に係る取引を開始するに際して、相手方から中途解約のいかんにかかわらず取引の開始当初から返金が不要な支払を受ける場合には、原則としてその取引の開始の日の属する事業年度の益金の額に算入する。ただし、当該返金が不要な支払が、契約の特定期間における役務の提供ごとに、それと具体的な対応関係をもって発生する対価の前受けと認められる場合において、その支払を当該役務の提供の対価として、継続して当該特定期間の経過に応じてその収益の額を益金の額に算入しているときは、これを認める。

(30課法2―8追加)

() 本文の「返金が不要な支払」には、例えば、次のようなものが該当する。

(1) 工業所有権等の実施権の設定の対価として支払を受ける一時金

(2) ノウハウの設定契約に際して支払を受ける一時金又は頭金

(3) 技術役務の提供に係る契約に関連してその着手費用に充当する目的で相手方から収受する仕度金、着手金等のうち、後日精算して剰余金があれば返還することとなっているもの以外のもの

(4) スポーツクラブの会員契約に際して支払を受ける入会金

(保証金等のうち返還しないものの額の帰属の時期)

2―1―41 資産の賃貸借契約等に基づいて保証金、敷金等として受け入れた金額(賃貸借の開始当初から返還が不要なものを除く。)であっても、期間の経過その他当該賃貸借契約等の終了前における一定の事由の発生により返還しないこととなる部分の金額は、その返還しないこととなった日の属する事業年度の益金の額に算入するのであるから留意する。

(55直法2―8追加、平12課法2―7、平30課法2―8改正)

(法令に基づき交付を受ける給付金等の帰属の時期)

2―1―42 法人の支出する休業手当、賃金、職業訓練費等の経費を補填するために雇用保険法、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律、障害者の雇用の促進等に関する法律等の法令の規定等に基づき交付を受ける給付金等については、その給付の原因となった休業、就業、職業訓練等の事実があった日の属する事業年度終了の日においてその交付を受けるべき金額が具体的に確定していない場合であっても、その金額を見積り、当該事業年度の益金の額に算入するものとする。

(59直法2―3、昭63直法2―14、平12課法2―7、平23課法2―17、平30課法2―28改正)

() 法人が定年の延長、高齢者及び身体障害者の雇用等の雇用の改善を図ったこと等によりこれらの法令の規定等に基づき交付を受ける奨励金等の額については、その支給決定があった日の属する事業年度の益金の額に算入する。

(損害賠償金等の帰属の時期)

2―1―43 他の者から支払を受ける損害賠償金(債務の履行遅滞による損害金を含む。以下2―1―43において同じ。)の額は、その支払を受けるべきことが確定した日の属する事業年度の益金の額に算入するのであるが、法人がその損害賠償金の額について実際に支払を受けた日の属する事業年度の益金の額に算入している場合には、これを認める。

(55直法2―8追加、平12課法2―7、平23課法2―17改正)

() 当該損害賠償金の請求の基因となった損害に係る損失の額は、保険金又は共済金により補填される部分の金額を除き、その損害の発生した日の属する事業年度の損金の額に算入することができる。

(金融資産の消滅を認識する権利支配移転の範囲)

2―1―44 法人が金融資産(金融商品である資産をいう。以下この章において同じ。)の売却等の契約をした場合において、当該契約により当該金融資産に係る権利の支配が他の者に移転したときは、当該金融資産の売却等による消滅を認識するのであるから、原則として、次に掲げる要件の全てを満たしているときは、当該売却等に伴い収受する金銭等の額又は当該売却等の直前の当該金融資産の帳簿価額は、当該事業年度の益金の額又は損金の額に算入する。

(12課法2―7追加、平23課法2―17改正)

(1) 売却等を受けた者は 次のような要件が満たされていること等により、当該金融資産に係る権利を実質的な制約なしに行使できること。

イ 売却等をした者(以下2―1―44において「譲渡人」という。)は、契約又は自己の自由な意思により当該売却等を取り消すことができないこと。

ロ 譲渡人に倒産等の事態が生じた場合であっても譲渡人やその債権者(管財人を含む。)が売却等をした当該金融資産を取り戻す権利を有していない等、売却等がされた金融資産が譲渡人の倒産等のリスクから確実に引き離されていること。

(2) 譲渡人は、売却等をした金融資産を当該金融資産の満期日前に買い戻す権利及び義務を実質的に有していないこと。

() 新たに二次的な権利又は義務が発生する場合には、2―1―46((金融資産等の消滅時に発生する資産及び負債の取扱い))の適用があることに留意する。

(金融負債の消滅を認識する債務引受契約等)

2―1―45 法人がその有する金融負債(金融商品である負債をいう。以下この章において同じ。)について債務引受契約の締結等をした場合において、当該債務引受契約の締結等により当該金融負債の債務者の地位(保証債務等の新たに発生する二次的な責任に係る地位を除く。)から免責されたときは、当該金融負債の消滅を認識し、当該債務引受け等に伴い支払う金銭等の額又は当該債務引受け直前の当該金融負債の帳簿価額は、当該事業年度の損金の額又は益金の額に算入する。

(12課法2―7追加)

() 新たに二次的な権利又は義務が発生する場合には、2―1―46((金融資産等の消滅時に発生する資産及び負債の取扱い))の適用があることに留意する。

(金融資産等の消滅時に発生する資産及び負債の取扱い)

2―1―46 金融資産等(金融商品である資産又は負債をいう。以下2―1―47において同じ。)の消滅を目的とした売却等の取引で、その取引により譲渡人、原債務者等に保証債務等の二次的な権利又は義務を発生させることとなるものを行った場合において、当該譲渡人、原債務者等である法人が、これらの潜在する二次的な権利又は義務に見合う金額として新たな資産又は負債を計上し、当該計上した金額を当該売却等の対価である受払金額に加算し、又は受払金額から控除して当該売却等に係る損益の額を計算しているときは、原則として、当該新たな資産又は負債として区分経理したものがないものとしたところにより、売却等に係る損益の額を計算する。

(12課法2―7追加)

(金融資産等の利回りが一定でない場合等における損益の計上)

2―1―47 法人が金融資産等について利子の受領又は支払をする場合において、利子の計算期間ごとに異なる利率を適用していること又は据置期間があること等により当該利子の計算期間ごとに計算した利回りが一定でないとき(当該適用している利率が国内又は海外において代表的な利率又は指数として公表されているものにより決定されている場合を除く。)は、当該利子の総額につき利息法、定額法等の合理的な方法のうち法人が継続して適用している方法により計算した金額を、その利子の計算期間の経過に応じ当該事業年度の益金の額又は損金の額に算入する。

(12課法2―7追加)

(有価証券の空売りに係る利益相当額等の外貨換算)

2―1―48 法第61条の41((有価証券の空売り等に係る利益相当額又は損失相当額の益金又は損金算入等))及び法第61条の51((デリバティブ取引に係る利益相当額の益金算入等))に規定する利益の額又は損失の額に相当する金額の円換算は、当該事業年度終了の日の132―1―2((外貨建取引及び発生時換算法の円換算))に定める電信売買相場の仲値による。ただし、継続適用を条件として、当該利益の額に相当する金額については132―1―2に定める電信買相場、当該損失の額に相当する金額については132―1―2に定める電信売相場によることができるものとする。

(12課法2―7追加、平12課法2―19改正)

(暗号資産信用取引に係る利益相当額等の外貨換算)

2―1―49 法第61条第7((短期売買商品等の譲渡損益及び時価評価損益))に規定する利益の額又は損失の額に相当する金額の円換算は、当該事業年度終了の日の132―1―2((外貨建取引及び発生時換算法の円換算))に定める電信売買相場の仲値による。ただし、継続適用を条件として、当該利益の額に相当する金額については132―1―2に定める電信買相場、当該損失の額に相当する金額については132―1―2に定める電信売相場によることができるものとする。

(令元課法2―10追加、令2課法2―17改正)

2節 費用及び損失の計算に関する通則

(55直法2―8改正)

1款 売上原価等

(55直法2―8改正)

(売上原価等が確定していない場合の見積り)

2―2―1 法第22条第3項第1((損金の額に算入される売上原価等))に規定する「当該事業年度の収益に係る売上原価、完成工事原価その他これらに準ずる原価」(以下2―2―1において「売上原価等」という。)となるべき費用の額の全部又は一部が当該事業年度終了の日までに確定していない場合には、同日の現況によりその金額を適正に見積るものとする。この場合において、その確定していない費用が売上原価等となるべき費用かどうかは、当該売上原価等に係る資産の販売若しくは譲渡又は役務の提供に関する契約の内容、当該費用の性質等を勘案して合理的に判断するのであるが、たとえその販売、譲渡又は提供に関連して発生する費用であっても、単なる事後的費用の性格を有するものはこれに含まれないことに留意する。

(55直法2―8改正)

(造成団地の分譲の場合の売上原価の額)

2―2―2 法人が一団地の宅地を造成して2以上の事業年度(それらの事業年度のうち連結事業年度に該当するものがある場合には、当該連結事業年度)にわたって分譲する場合のその分譲に係る売上原価の額の計算については、次による。ただし、法人がこれと異なる方法で売上原価の額を計算している場合であっても、その方法が例えば分譲価額に応ずる方法である等合理的なものであると認められるときは、継続適用を条件としてこれを認める。

(55直法2―8、平14課法2―1、平15課法2―7、平22課法2―1改正)

(1) 分譲が完了する事業年度の直前の事業年度までの各事業年度 次の算式により計算した金額を当該事業年度の売上原価の額とする。

(算式)

〔工事原価の見積額-当該事業年度前の各事業年度において損金の額に算入した工事原価の額の合計額〕×(当該事業年度において分譲した面積/(分譲総予定面積-当該事業年度前の各事業年度において分譲した面積の合計))

()

1 (1)「分譲が完了する事業年度」「直前の事業年度」及び算式の「当該事業年度前の各事業年度」は、その事業年度が連結事業年度に該当する場合には、当該連結事業年度とする。

2 算式の「工事原価の見積額」は、当該事業年度終了の時の現況によりその工事全体につき見積られる工事原価の額とする。

3 算式の「分譲総予定面積」には、当該法人の使用する土地の面積を含む。

(2) 分譲が完了した事業年度 全体の工事原価の額(当該法人の使用する土地に係る工事原価の額を除く。)から当該事業年度前の各事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当する場合には、当該連結事業年度)において売上原価として損金の額に算入した金額の合計額を控除した金額を当該事業年度の売上原価の額とする。

() 適格組織再編成が行われた場合の合併法人、分割承継法人又は被現物出資法人(以下この章において「合併法人等」という。)における本通達の適用については、被合併法人、分割法人又は現物出資法人(以下この章において「被合併法人等」という。)の本通達による計算を引き継ぐものとする。

(造成団地の工事原価に含まれる道路、公園等の建設費)

2―2―3 法人が一団地の宅地を造成して分譲する場合において、団地経営に必要とされる道路、公園、緑地、水道、排水路、街灯、汚水処理施設等の施設(その敷地に係る土地を含む。)については、たとえ当該法人が将来にわたってこれらの施設を名目的に所有し、又はこれらの施設を公共団体等に帰属させることとしているときであっても、これらの施設の取得に要した費用の額(当該法人の所有名義とする施設については、これを処分した場合に得られるであろう価額に相当する金額を控除した金額とする。)は、その工事原価の額に算入する。

(55直法2―8改正)

(砂利採取地に係る埋戻し費用)

2―2―4 法人が他の者の有する土地から砂利その他の土石(以下2―2―4において「砂利等」という。)を採取して販売(原材料としての消費を含む。)する場合において、当該他の者との契約によりその採取後の跡地を埋め戻して土地を原状に復することを約しているため、その採取を開始した日の属する事業年度以後その埋戻しを行う日の属する事業年度の直前の事業年度までの各事業年度において、継続して次の算式により計算した金額を未払金に計上するとともに当該事業年度において当該土地から採取した砂利等の取得価額に算入しているときは、その計算を認めるものとする。

(55直法2―8追加、平14課法2―1、平15課法2―7改正)

(算式)

〔埋戻しに要する費用の額の見積額-当該事業年度前の各事業年度において未払金に計上した金額の合計額〕×(当該事業年度において当該土地から採取した砂利等の数量/(当該土地から採取する砂利等の予定数量-当該事業年度前の各事業年度において採取した砂利等の数量の合計))

()

1 本文の「採取を開始した日の属する事業年度」「埋戻しを行う日の属する事業年度」「直前の事業年度までの各事業年度」及び算式の「当該事業年度前の各事業年度」は、その事業年度が連結事業年度に該当する場合には、当該連結事業年度とする。

2 算式の「埋戻しに要する費用の額の見積額」及び「当該土地から採取する砂利等の予定数量」は、当該事業年度終了の時の現況により適正に見積るものとする。

3 適格組織再編成が行われた場合の合併法人等における本通達の適用については、被合併法人等の本通達による計算を引き継ぐものとする。

(請負収益に対応する原価の額)

2―2―5 請負による収益に対応する原価の額には、その請負の目的となった物の完成又は役務の履行のために要した材料費、労務費、外注費及び経費の額の合計額のほか、その受注又は引渡しをするために直接要した全ての費用の額が含まれることに留意する。

(55直法2―8追加、平23課法2―17改正)

() 建設業を営む法人が建設工事等の受注に当たり前渡金保証会社に対して支払う保証料の額は、前渡金を受領するために要する費用であるから、当該建設工事等に係る工事原価の額に算入しないことができる。

(未成工事支出金勘定から控除する仮設材料の価額)

2―2―6 建設工事用の足場、型わく、山留用材、ロープ、シート、危険防止用金網のような仮設材料の取得価額を未成工事支出金勘定の金額に含めて経理している建設業者等が、建設工事等の完了の場合又は他の建設工事等の用に供するためこれらの資材を転送した場合において、当該未成工事支出金勘定の金額から控除すべき仮設材料の価額につき次に掲げる金額のいずれかによっているときは、その計算が継続している限り、これを認める。

(49直法2―71、昭55直法2―8、平23課法2―17改正)

(1) 当該仮設材料の取得価額から損耗等による減価の見積額を控除した金額

(2) 当該仮設材料の損耗等による減価の見積りが困難な場合には、工事の完了又は他の工事現場等への転送の時における当該仮設材料の価額に相当する金額

(3) 当該仮設材料の再取得価額に適正に見積った残存率を乗じて計算した金額

() この取扱いは、その転送した仮設材料の全てについて適用することを条件とするのであるから留意する。

(木造の現場事務所等の取得に要した金額が未成工事支出金勘定の金額に含まれている場合の処理)

2―2―7 建設業者等が建設工事等の用に供した現場事務所、労務者用宿舎、倉庫等の仮設建物で木造のものの取得価額をその建設工事等に係る未成工事支出金勘定の金額に含めている場合には、次に掲げる場合に応じ、それぞれ次の金額を当該未成工事支出金勘定の金額から控除する。この場合において、その控除すべき金額を未成工事支出金勘定の金額から控除することに代え雑収入等として経理したときは、これを認める。

(55直法2―8改正)

(1) 当該建設工事等の完成による引渡しの日以前に当該仮設建物を他に譲渡し、又は他の用途に転用した場合 その譲渡価額に相当する金額又はその転用の時における価額に相当する金額

(2) 当該建設工事等が完成して引き渡された際に当該仮設建物が存する場合 その引渡しの時における価額に相当する金額(当該仮設建物が取り壊されるものである場合には、その取壊しによる発生資材の価額として見積られる金額)

(金属造りの移動性仮設建物の取得価額の特例)

2―2―8 建設業者等が建設工事等の用に供する金属造りの移動性仮設建物については、その償却費を工事原価に算入するのであるが、この場合における当該建物の償却計算の基礎となる取得価額は、当該建物の構成部分のうちその移設に伴い反復して組み立てて使用されるものの取得のために要した費用の額によることができる。

(55直法2―8改正)

() 当該建物の組立て、撤去に要する費用及び電気配線等の附属設備で他に転用することができないと認められるものの費用は、当該建物を利用して行う工事の工事原価に算入する。

(技術役務の提供に係る報酬に対応する原価の額)

2―2―9 設計、作業の指揮監督、技術指導その他の技術役務の提供に係る報酬に対応する原価の額は、当該報酬の額を益金の額に算入する事業年度の損金の額に算入するのであるが、法人が継続してこれらの技術役務の提供のために要する費用のうち次に掲げるものの額をその支出の日の属する事業年度の損金の額に算入している場合には、これを認める。

(55直法2―8追加、平30課法2―8改正)

(1) 固定費(作業量の増減にかかわらず変化しない費用をいう。)の性質を有する費用

(2) 変動費(作業量に応じて増減する費用をいう。)の性質を有する費用のうち一般管理費に類するものでその額が多額でないもの及び相手方から収受する仕度金、着手金等(2―1―402本文の適用があるものに限る。)に係るもの

(運送収入に対応する原価の額)

2―2―10 運送業の運送収入に対応する原価の額は、当該運送収入の額を益金の額に算入する事業年度の損金の額に算入するのであるが、法人が継続してその行う運送のために要する費用(海上運送のために要する費用のうち貨物費、燃料費、港費その他その運送のために直接要するものを除く。)の額をその支出の日の属する事業年度の損金の額に算入している場合には、これを認める。

(55直法2―8追加)

(商品引換券等を発行した場合の引換費用)

2―2―11 法人が商品引換券等(2―1―39に定める商品引換券等をいう。以下2―2―11において同じ。)を発行するとともにその対価を受領した場合において、その発行に係る事業年度以後の各事業年度(2―1―39(1)若しくは(3)又は連結納税基本通達2―1―42((商品引換券等の発行に係る収益の帰属の時期))(1)若しくは(3)に掲げる事実が生じた日の属する事業年度以後の各事業年度(その商品引換券等の発行の日(適格組織再編成により当該商品引換券等に係る契約の移転を受けたものである場合にあっては、当該移転をした法人が発行した日)から10年が経過した日の属する事業年度以後の各事業年度を除く。)に限る。)終了の時において商品の引渡し又は役務の提供(商品引換券等に係る商品の引渡し又は役務の提供を他の者が行うこととなっている場合における当該商品引換券等と引換えにする金銭の支払を含む。以下2―2―11において「商品の引渡し等」という。)を了していない商品引換券等(有効期限を経過したものを除く。以下2―2―11において「未引換券」という。)があるときは、その未引換券に係る商品の引渡し等に要する費用の額の見積額として、次の区分に応じそれぞれ次に掲げる金額に相当する金額を当該各事業年度の損金の額に算入することができるものとする。この場合において、その損金の額に算入した金額に相当する金額は、翌事業年度の益金の額に算入する。

(55直法2―8追加、平12課法2―7、平14課法2―1、平15課法2―7、平30課法2―8改正)

(1) 未引換券をその発行に係る事業年度ごとに区分して管理する場合 次の算式により計算した金額

(算式)

当該事業年度終了の時における未引換券のうち当該事業年度及び当該事業年度開始の日前9年以内に開始した各事業年度において発行したものに係る対価の額の合計額×原価率

(2) (1)以外の場合 次の算式により計算した金額

(算式)

〔当該事業年度及び当該事業年度開始の日前3年以内に開始した各事業年度において発行した商品引換券等に係る対価の額の合計額-左の各事業年度において商品の引渡し等を行った商品引換券等に係る対価の額の合計額〕×原価率

()

1 本文の「発行に係る事業年度」及び「翌事業年度」並びに(1)の算式の「当該事業年度開始の日前9年以内に開始した各事業年度」及び(2)の算式の「当該事業年度開始の日前3年以内に開始した各事業年度」は、その事業年度が連結事業年度に該当する場合には、当該連結事業年度とする。

2 (1)及び(2)の算式の「原価率」は、次の区分に応じそれぞれ次により計算した割合とする。

イ 商品の引渡し又は役務の提供を他の者が行うこととなっている場合

分母の商品引換券等と引換えに他の者に支払った金額の合計額/当該事業年度において回収された商品引換券等に係るその発行の対価の額の合計額

ロ イ以外の場合

分母の金額に係る当該事業年度の売上原価又は役務提供の原価の額/その引渡し又は提供を約した商品又は役務と種類等を同じくする商品又は役務の販売又は提供に係る当該事業年度の収益の額の合計額

3 種類等を同じくする商品又は役務に係る商品引換券等のうちにその発行の時期によってその1単位当たりの発行の対価の額の異なるものがあるときは、当該商品引換券等をその1単位当たりの発行の対価の額の異なるものごとに区分して(1)及び(2)の算式並びに原価率の計算を行うことができる。

4 適格組織再編成が行われた場合の合併法人等における本通達の適用については、被合併法人等の本通達による計算を引き継ぐものとする。

2款 販売費及び一般管理費等

(55直法2―8改正)

(債務の確定の判定)

2―2―12 法第22条第3項第2((損金の額に算入される販売費等))の償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務が確定しているものとは、別に定めるものを除き、次に掲げる要件の全てに該当するものとする。

(55直法2―8、平23課法2―17改正)

(1) 当該事業年度終了の日までに当該費用に係る債務が成立していること。

(2) 当該事業年度終了の日までに当該債務に基づいて具体的な給付をすべき原因となる事実が発生していること。

(3) 当該事業年度終了の日までにその金額を合理的に算定することができるものであること。

(損害賠償金)

2―2―13 法人が、その業務の遂行に関連して他の者に与えた損害につき賠償をする場合において、当該事業年度終了の日までにその賠償すべき額が確定していないときであっても、同日までにその額として相手方に申し出た金額(相手方に対する申出に代えて第三者に寄託した額を含む。)に相当する金額(保険金等により補填されることが明らかな部分の金額を除く。)を当該事業年度の未払金に計上したときは、これを認める。

(55直法2―8追加、平15課法2―7、平23課法2―17改正)

() 損害賠償金を年金として支払う場合には、その年金の額は、これを支払うべき日の属する事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当する場合には、当該連結事業年度)の損金の額に算入する。

(短期の前払費用)

2―2―14 前払費用(一定の契約に基づき継続的に役務の提供を受けるために支出した費用のうち当該事業年度終了の時においてまだ提供を受けていない役務に対応するものをいう。以下2―2―14において同じ。)の額は、当該事業年度の損金の額に算入されないのであるが、法人が、前払費用の額でその支払った日から1年以内に提供を受ける役務に係るものを支払った場合において、その支払った額に相当する金額を継続してその支払った日の属する事業年度の損金の額に算入しているときは、これを認める。

(55直法2―8追加、昭61直法2―12改正)

() 例えば借入金を預金、有価証券等に運用する場合のその借入金に係る支払利子のように、収益の計上と対応させる必要があるものについては、後段の取扱いの適用はないものとする。

(消耗品費等)

2―2―15 消耗品その他これに準ずる棚卸資産の取得に要した費用の額は、当該棚卸資産を消費した日の属する事業年度の損金の額に算入するのであるが、法人が事務用消耗品、作業用消耗品、包装材料、広告宣伝用印刷物、見本品その他これらに準ずる棚卸資産(各事業年度ごとにおおむね一定数量を取得し、かつ、経常的に消費するものに限る。)の取得に要した費用の額を継続してその取得をした日の属する事業年度の損金の額に算入している場合には、これを認める。

(55直法2―8追加)

() この取扱いにより損金の額に算入する金額が製品の製造等のために要する費用としての性質を有する場合には、当該金額は製造原価に算入するのであるから留意する。

3款 損失

(55直法2―8改正)

(前期損益修正)

2―2―16 当該事業年度前の各事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当する場合には、当該連結事業年度)においてその収益の額を益金の額に算入した資産の販売又は譲渡、役務の提供その他の取引について当該事業年度において契約の解除又は取消し、返品等の事実が生じた場合でも、これらの事実に基づいて生じた損失の額は、当該事業年度の損金の額に算入するのであるから留意する。

(55直法2―8追加、平15課法2―7、平30課法2―8改正)

3節 有価証券等の譲渡損益、時価評価損益等

(12課法2―7追加、平19課法2―17改正)

1款 有価証券の譲渡損益等

(12課法2―7追加)

(取得条項付株式の取得等に際し1株未満の株式の代金を株主等に交付した場合の取扱い)

2―3―1 法第61条の214項第2((有価証券の譲渡益又は譲渡損の益金又は損金算入))に規定する取得条項付株式に係る取得事由の発生によりその取得条項付株式を有する株主等に金銭が交付される場合において、その金銭が、その取得の対価として交付すべき当該取得をする法人の株式(出資を含む。以下2―3―1において同じ。)1株未満の端数が生じたためにその1株未満の株式の合計数に相当する数の株式を譲渡し、又は買い取った代金として交付されたものであるときは、当該株主等に対してその1株未満の株式に相当する株式を交付したこととなることに留意する。ただし、その交付された金銭が、その取得の状況その他の事由を総合的に勘案して実質的に当該株主等に対して支払う当該取得条項付株式の取得の対価であると認められるときは、当該取得の対価として金銭が交付されたものとして取り扱う。

同項第3号又は第5号に規定する全部取得条項付種類株式又は取得条項付新株予約権に係る株式に1株未満の端数が生じた場合についても、同様とする。

(19課法2―3追加、平19課法2―17、平22課法2―1、平29課法2―17改正)

(信用取引等に係る売付け及び買付けに係る対価の額)

2―3―2 法第61条の221((信用取引等の譲渡利益額又は譲渡損失額))に規定する譲渡利益額又は譲渡損失額の計算に当たり、同項に規定する信用取引又は発行日取引(以下2―3―3までにおいて「信用取引等」という。)の方法により株式の売付け又は買付けを行った者が、当該信用取引等に関し、証券業者等に支払う又は証券業者等から支払を受ける次に掲げるものは、それぞれ次による。ただし、売買委託手数料の額及び権利処理価額に相当する金額を除き、これらのものを売付けに係る対価の額(同項第1号に規定する売付けに係る対価の額をいう。以下2―3―2において同じ。)又は買付けに係る対価の額(同項第2号に規定する買付けに係る対価の額をいう。以下2―3―2において同じ。)に含めず、その発生に応じ収益又は費用として益金の額又は損金の額に算入している場合には、継続適用を条件としてこれを認める。

(12課法2―7追加、平14課法2―1、平15課法2―7、平19課法2―3、平19課法2―17、平27課法2―8、平29課法2―17改正)

(1) 売付けを行った者が証券業者等から支払を受ける金利に相当する額は、売付けに係る対価の額に含める。

(2) 売付けを行った者が証券業者等に支払う買委託手数料及び品貸料の額は、買付けに係る対価の額に含める。

(3) 買付けを行った者が証券業者等に支払う買委託手数料、名義書換料及び金利に相当する額は、買付けに係る対価の額に含める。

(4) 買付けを行った者が証券業者等から支払を受ける品貸料の額は、売付けに係る対価の額に含める。

(5) 買付けを行った者が証券業者等から支払を受ける配当落調整額及び権利処理価額に相当する額は、買付けに係る対価の額から控除し、売付けを行った者が証券業者等に支払う配当落調整額及び権利処理価額に相当する額は、売付けに係る対価の額から控除する。

() 配当落調整額とは、信用取引等に係る株式につき配当が付与された場合において、証券業者等が売付けを行った者から徴収し又は買付けを行った者に支払う当該配当に相当する金銭の額をいい、権利処理価額とは、信用取引等に係る株式につき、株式分割、株式無償割当て及び会社分割による株式を受ける権利、新株予約権(投資信託及び投資法人に関する法律第2条第17((定義))に規定する新投資口予約権を含む。以下2―3―2において同じ。)又は新株予約権の割当てを受ける権利(以下2―3―2において「株式を受ける権利等」という。)が付与された場合において、証券業者等が売付けを行った者から徴収し又は買付けを行った者に支払う当該株式を受ける権利等に相当する金銭の額をいう。

(信用取引等の決済約定日後に授受される配当落調整額)

2―3―3 信用取引等の決済に係る約定が成立した日後に配当落調整額の授受が行われると見込まれる場合における2―3―2本文((信用取引等に係る売付け及び買付けに係る対価の額))の適用は、次による。

(12課法2―7追加、平15課法2―7改正)

(1) 当該配当落調整額は、当該決済に係る約定が成立した日の現況により適正に見積った金額とする。

(2) (1)により見積った配当落調整額と実際に授受された配当落調整額とが異なることとなった場合には、当該実際に授受された配当落調整額との差額は、当該差額を授受する日の属する事業年度(その事業年度が連結事業年度に該当する場合には、当該連結事業年度)の益金の額又は損金の額に算入する。

(低廉譲渡等の場合の譲渡の時における有償によるその有価証券の譲渡により通常得べき対価の額)

2―3―4 法人が無償又は低い価額で有価証券を譲渡した場合における法第61条の21項第1((有価証券の譲渡損益の益金算入等))に規定する譲渡の時における有償によるその有価証券の譲渡により通常得べき対価の額の算定に当たっては、4―1―4((市場有価証券等の価額))並びに4―1―5及び4―1―6((市場有価証券等以外の株式の価額))の取扱いを準用する。

(12課法2―7追加、平15課法2―7、平17課法2―14、平19課法2―3、平30課法2―8、令2課法2―17改正)

(対象配当等の額が資本の払戻しによるものである場合の譲渡原価の計算)

2―3―42 法人が、法第24条第1(4号に係る部分に限る。)((配当等の額とみなす金額))の規定により法第23条第1項第1((受取配当等の益金不算入))に掲げる金額とみなされる金額を受ける場合において、そのみなされる金額が令第119条の37((移動平均法を適用する有価証券について評価換え等があった場合の一単位当たりの帳簿価額の算出の特例))に規定する対象配当等の額(以下この節において「対象配当等の額」という。)に該当することにより同項(令第119条の41項後段((評価換え等があった場合の総平均法の適用の特例))においてその例による場合を含む。)の規定(以下この節において「子会社株式簿価減額特例」という。)の適用を受けるときは、そのみなされる金額の基因となった法第61条の218((有価証券の譲渡益又は譲渡損の益金又は損金算入))に規定する払戻し等に係る令第119条の91((資本の払戻しの場合の株式の譲渡原価の額))に規定する払戻し等の直前の当該所有株式の帳簿価額は、令第119条の37項の規定によりそのみなされる金額に係る基準時(同条第9項第3号に規定する基準時をいう。以下この節において同じ。)の直前における帳簿価額から同条第7項に規定する益金の額に算入されない金額(以下この節において「益金不算入相当額」という。)を減算した金額となる。

(2課法2―17追加)

() 本文の取扱いは、法第61条の219((有価証券の譲渡益又は譲渡損の益金又は損金算入))、令第119条の81((分割型分割の場合の譲渡対価の額及び譲渡原価の額等))及び令第119条の821((株式分配の場合の譲渡対価の額及び譲渡原価の額等))の譲渡原価の計算の基礎となる帳簿価額についても、同様とする。

(対象配当等の額が自己株式の取得によるものである場合の譲渡原価の計算)

2―3―43 法人が、法第24条第1(5号に係る部分に限る。)((配当等の額とみなす金額))の規定により法第23条第1項第1((受取配当等の益金不算入))に掲げる金額とみなされる金額を受ける場合において、そのみなされる金額が対象配当等の額に該当することにより子会社株式簿価減額特例の適用を受けるときは、当該対象配当等の額の基因となった株式又は出資の譲渡に係る法第61条の21項第2((有価証券の譲渡益又は譲渡損の益金又は損金算入))「その有価証券の譲渡に係る原価の額(……)は、令第119条の37((移動平均法を適用する有価証券について評価換え等があった場合の一単位当たりの帳簿価額の算出の特例))の規定によりそのみなされる金額に係る基準時の直前における帳簿価額から益金不算入相当額を減算した金額をその有する株式等の数で除して計算した金額にその譲渡をした有価証券の数を乗じて計算した金額による。

(2課法2―17追加)

2款 有価証券の取得価額

(12課法2―7追加)

(有価証券の購入のための付随費用)

2―3―5 令第119条第1項第1((購入した有価証券の取得価額))に規定する「その他その有価証券の購入のために要した費用」には、有価証券を取得するために要した通信費、名義書換料の額を含めないことができる。

外国有価証券の取得に際して徴収される有価証券取得税その他これに類する税についても、同様とする。

(12課法2―7追加、平15課法2―7改正)

2―3―6 削除

(19課法2―3)

(通常要する価額に比して有利な金額)

2―3―7 令第119条第1項第4((有利発行により取得した有価証券の取得価額))に規定する「払い込むべき金銭の額又は給付すべき金銭以外の資産の価額を定める時におけるその有価証券の取得のために通常要する価額に比して有利な金額」とは、当該株式の払込み又は給付の金額(以下2―3―7において「払込金額等」という。)を決定する日の現況における当該発行法人の株式の価額に比して社会通念上相当と認められる価額を下回る価額をいうものとする。

(12課法2―7追加、平19課法2―3、平19課法2―17改正)

()

1 社会通念上相当と認められる価額を下回るかどうかは、当該株式の価額と払込金額等の差額が当該株式の価額のおおむね10%相当額以上であるかどうかにより判定する。

2 払込金額等を決定する日の現況における当該株式の価額とは、決定日の価額のみをいうのではなく、決定日前1月間の平均株価等、払込金額等を決定するための基礎として相当と認められる価額をいう。

(他の株主等に損害を及ぼすおそれがないと認められる場合)

2―3―8 令第119条第1項第4((有利発行により取得した有価証券の取得価額))に規定する「他の株主等に損害を及ぼすおそれがないと認められる場合」とは、株主等である法人が有する株式の内容及び数に応じて株式又は新株予約権が平等に与えられ、かつ、その株主等とその内容の異なる株式を有する株主等との間においても経済的な衡平が維持される場合をいうことに留意する。

(12課法2―7追加、平14課法2―1、平19課法2―3改正)

() 他の株主等に損害を及ぼすおそれがないと認められる場合に該当するか否かについては、例えば、新株予約権無償割当てにつき会社法第322((ある種類の種類株主に損害を及ぼすおそれがある場合の種類株主総会))の種類株主総会の決議があったか否かのみをもって判定するのではなく、その発行法人の各種類の株式の内容、当該新株予約権無償割当ての状況などを総合的に勘案して判定する必要がある。

(通常要する価額に比して有利な金額で新株等が発行された場合における有価証券の価額)

2―3―9 令第119条第1項第4((有利発行により取得した有価証券の取得価額))に規定する有価証券の取得の時におけるその有価証券の取得のために通常要する価額は、次に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ次による。

(12課法2―7追加、平17課法2―14、平19課法2―3、令2課法2―17改正)

(1) 新株が令第119条の131項第1号から第3号まで((市場有価証券の時価評価金額))に掲げる有価証券(以下2―3―9において「市場有価証券」という。)である場合 その新株の払込み又は給付に係る期日(払込み又は給付の期間を定めたものにあっては、その払込み又は給付をした日。以下2―3―9において「払込期日」という。)における当該新株の4―1―4((市場有価証券等の価額))に定める価額

(2) 旧株は市場有価証券であるが、新株は市場有価証券でない場合 新株の払込期日における旧株の4―1―4に定める価額を基準として当該新株につき合理的に計算される価額

(3) (1)及び(2)以外の場合 その新株又は出資の払込期日において当該新株につき4―1―5及び4―1―6((市場有価証券等以外の株式の価額))に準じて合理的に計算される当該払込期日の価額

(公社債の経過利子)

2―3―10 法人が国債又は地方債若しくは社債(いわゆる金融債等会社以外の法人が特別の法律により発行する債券で利付きのものを含む。)をその利子の計算期間の中途において購入し、直前の利払期からその購入の時までの期間に応じてその債券の発行条件たる利率により計算される経過利子に相当する金額を支払った場合において、当該金額をこれらの債券の取得価額に含めないで当該債券の購入後最初に到来する利払期まで前払金として経理したときは、これを認める。

(12課法2―7追加)

(政府保証債の応募予約料に相当する金額)

2―3―11 法人が新たに発行される政府保証債を引き受ける場合(証券業者等の募集に応じて引き受ける場合を含む。)において、その収入する応募予約料に相当する金額を発行価額から差し引いて払い込み、その払い込んだ金額を当該政府保証債の取得価額として経理しているときは、これを認める。

() 金融機関等が政府保証債を引き受けたことにより収入する引受責任料及び募集取扱料に相当する金額又は国債を引き受けたことにより収入する手数料の額は、その収入すべき日(引受契約の締結日を含む。)の属する事業年度の益金の額に算入する。

(12課法2―7追加)

(新株予約権付社債に付された新株予約権を行使した場合の経過利子の取得価額算入)

2―3―12 法人が、新株予約権付社債をその利子の計算期間の中途において購入したため、2―3―10の取扱いを適用して経過利子に相当する金額を前払金として経理している場合において、その購入後最初に到来する利払期前に、当該新株予約権付社債についての社債を出資の目的とする方法により当該新株予約権付社債に係る新株予約権を行使して株式を取得したときは、当該前払金を株式の取得価額に算入する。ただし、当該経過利子に対応する期間について益金の額に算入されるべき利子の支払を受ける場合における当該前払金については、この限りでない。

(12課法2―7追加、平15課法2―7、平19課法2―3改正)

() 同一銘柄の新株予約権付社債をその利子の計算期間の中途において2回以上にわたって購入し、それぞれの経過利子に相当する金額を前払金として経理している場合において、その購入後最初に到来する利払期前にその新株予約権付社債に係る新株予約権の一部を行使することにより株式を取得し、又は他に譲渡したときは、次の算式により当該前払金の合計額のうち株式の取得価額に算入し、又は譲渡に伴って損金の額に算入する金額を計算することができる。

(算式)

当該前払金の合計額×(その新株予約権を行使し、又は譲渡した新株予約権付社債の額面金額の合計額/その購入した新株予約権付社債の額面金額の合計額)

(信用取引等及びデリバティブ取引に係る契約に基づいて取得される有価証券の取得価額)

2―3―13 法第61条の43((信用取引等に係る利益相当額の益金算入等))又は法第61条の53((デリバティブ取引に係る契約に基づき金銭以外の資産を取得した場合における益金算入等))の規定の適用がある場合において、その取得した有価証券の取得価額は、令第119条第1項第27((有価証券の取得価額))の規定に基づき、当該取得の時におけるその有価証券の取得のために通常要する価額(当該有価証券の取得の時における価額に受渡決済に伴って新たに支出する委託手数料その他の費用の額を加算した金額をいう。)となることに留意する。

(12課法2―7追加、平14課法2―1、平15課法2―7、平19課法2―3、平19課法2―17、平22課法2―1、平29課法2―17改正)

(債権の現物出資により取得した株式の取得価額)

2―3―14 子会社等に対して債権を有する法人が、合理的な再建計画等の定めるところにより、当該債権を現物出資(法第2条第12号の14((適格現物出資))に規定する適格現物出資を除く。)することにより株式を取得した場合には、その取得した株式の取得価額は、令第119条第1項第2((有価証券の取得価額))の規定に基づき、当該取得の時における給付をした当該債権の価額となることに留意する。

(15課法2―7追加、平19課法2―3改正)

() 子会社等には、当該法人と資本関係を有する者のほか、取引関係、人的関係、資金関係等において事業関連性を有する者が含まれる。

3款 有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出方法

(12課法2―7追加)

(有価証券の種類)

2―3―15 令第119条の51((有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出の方法の選定及びその手続))に規定する有価証券の種類は、おおむね金融商品取引法第2条第1項第1号から第21号まで(17号を除く。)の各号の区分によるものとし、外国又は外国法人の発行するもので同項第1号から第9号まで及び第12号から第16号までの性質を有するものは、これに準じて区分する。

ただし、新株予約権付社債は、同項第5号の社債とはそれぞれ種類の異なる有価証券として区分することとし、外貨建ての有価証券と円貨建ての有価証券又は外国若しくは外国法人の発行する有価証券と国若しくは内国法人の発行する有価証券は、それぞれ種類の異なる有価証券として区分することができる。

(12課法2―7追加、平15課法2―7、平19課法2―17改正)

() 法人が、新株予約権付社債に係る取得価額につき社債と新株予約権とに合理的に区分して経理しているときは、当該社債及び新株予約権については、それぞれ同項第5号の社債及び同項第9号の新株予約権に含まれる。

(信託をしている有価証券)

2―3―16 法人が信託(金銭の信託及び退職給付信託を除く。)をしている財産のうちに当該法人が有する有価証券と種類及び銘柄を同じくする有価証券がある場合には、当該信託に係る有価証券と当該法人が有する有価証券とを区分しないで令第119条の2から第119条の4まで((有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出の方法等))の規定を適用するのであるから留意する。

(12課法2―7追加、平15課法2―22改正)

() 金銭の信託に係る有価証券には、次のようなものがある。

(1) 合同運用信託及び証券投資信託に係る有価証券

(2) 指定単独運用の金銭信託に係る有価証券

(2以上の種類の株式が発行されている場合の銘柄の意義)

2―3―17 法人が、他の法人の発行する一の種類の株式と他の種類の株式とを有する場合には、それぞれ異なる銘柄として令第119条の21((有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出の方法))の規定を適用するのであるが、それらの権利内容等からみて、その一の種類の株式と他の種類の株式が同一の価額で取引が行われるものと認められるときには、当該一の種類の株式と他の種類の株式は同一の銘柄の株式として、同項の規定を適用することに留意する。

(15課法2―22、平19課法2―3改正)

2―3―18 削除

(14課法2―1)

(原価法一期末時評価による評価損益を純資産の部に計上している場合の期末帳簿価額)

2―3―19 事業年度終了の時(以下2―3―19において「期末時」という。)に有する法第61条の31項第2((売買目的外有価証券の期末評価額))に規定する売買目的外有価証券(令第119条の22((有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出の方法))に規定する「その他有価証券」に限る。以下2―3―19において同じ。)について、期末時における価額をもって当該売買目的外有価証券の当該期末時における評価額とし、かつ、当該評価によって生じた評価損益の金額(当該評価額と同号に規定する帳簿価額との差額をいう。)の全額をいわゆる洗替方式により純資産の部に計上している場合であっても、当該有価証券の同号に規定する帳簿価額は、当該期末時の評価を行う前の金額となることに留意する。

(12課法2―7追加、平19課法2―3、平28課法2―11、令2課法2―17改正)

() 上記の評価を行っている場合における次に掲げる事項は、それぞれ次によることに留意する。

(1) 純資産の部に計上した評価損益に相当する金額は、法第2条第16号及び第18((定義))に規定する資本金等の額及び利益積立金額に該当しない。

(2) 「評価損益の金額の全額をいわゆる洗替方式により純資産の部に計上している場合」には、税効果会計に基づき、当該評価損益の金額の一部に相当する金額を繰延税金資産又は繰延税金負債として計上している場合が含まれる。

(その他これに準ずる関係のある者の範囲)

2―3―20 令第119条の22項第2((企業支配株式等の意義))に規定する「その他これに準ずる関係のある者」には、会社以外の法人で令第4条第2項各号及び第4((特殊関係法人))に規定する特殊の関係のある者が含まれる。したがって、例えば、株主の1人及びこれと令第4条に規定する特殊の関係のある個人又は法人が有する会社以外の法人の出資の金額が当該法人の出資の総額の50%を超える金額に相当する場合における当該会社以外の法人はこれに該当する。

(12課法2―7追加、平15課法2―22、平19課法2―3改正)

(棚卸資産の評価方法の選定に係る取扱いの準用)

2―3―21 売買目的有価証券(法第61条の31項第1((売買目的有価証券の期末評価額))に規定する売買目的有価証券をいう。)を保有する場合の当該売買目的有価証券に係る令第119条の51((有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出の方法の選定及びその手続))の規定の適用に当たっては、5―2―12((評価方法の選定単位の細分))の取扱い(事業所別の評価方法の選定に係る取扱いに限る。)を準用し、有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出の方法について変更承認申請書の提出があった場合における令第119条の63((有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出方法の変更の手続))の規定の適用に当たっては、5―2―13((評価方法の変更申請があった場合の「相当期間」))の取扱いを準用する。

(12課法2―7追加、平14課法2―1、平19課法2―17改正)

4款 有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出方法の特例等

(12課法2―7追加)

(帳簿価額のうち最も大きいものの意義)

2―3―22 法人が対象配当等の額及び令第119条の37((移動平均法を適用する有価証券について評価換え等があった場合の一単位当たりの帳簿価額の算出の特例))に規定する同一事業年度内配当等の額(以下2―3―228までにおいて「同一事業年度内配当等の額」という。)を受ける場合における同項の「帳簿価額のうち最も大きいもの」とは、それぞれの配当等の額に係る基準時の直前における帳簿価額のうち最も大きいものをいうことに留意する。

(2課法2―17追加)

() 法人が他の法人(令第119条の37項に規定する他の法人をいう。以下2―3―229までにおいて同じ。)の発行する株式で2―3―17((2以上の種類の株式が発行されている場合の銘柄の意義))の取扱いによりそれぞれ異なる銘柄として令第119条の21((有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出の方法))の規定の適用を受けるものを有する場合には、当該対象配当等の額及び同一事業年度内配当等の額に係る各基準時の直前における帳簿価額は、それぞれの銘柄の帳簿価額を合計した金額によることに留意する。

(外国子会社から受ける配当等がある場合の益金不算入相当額)

2―3―222 法人が他の法人から受ける対象配当等の額又は同一事業年度内配当等の額が措置法第66条の82((内国法人の外国関係会社に係る所得の課税の特例))の規定の適用を受けるものである場合の益金不算入相当額は、同項の規定の適用を受けないものとして法第23条の21((外国子会社から受ける配当等の益金不算入))の規定により計算した場合の益金不算入相当額となることに留意する。

(2課法2―17追加)

(帳簿価額から減算する金額のあん分)

2―3―223 法人が子会社株式簿価減額特例の適用を受ける場合において、当該法人が有する他の法人の株式(2―3―17((2以上の種類の株式の発行されている場合の銘柄の意義))の取扱いによりそれぞれ異なる銘柄として令第119条の21((有価証券の一単位当たりの帳簿価額の算出の方法))の規定の適用を受けるものに限る。)の帳簿価額から減算する金額は、益金不算入相当額を対象配当等の額に係る基準時の直前におけるそれぞれの銘柄の帳簿価額の比によりあん分して計算した金額とする。

(2課法2―17追加)

(関連法人株式等に該当する場合における益金不算入相当額の計算)

2―3―224 他の法人の株式等(株式又は出資をいう。以下2―3―229において同じ。)が法第23条第6((受取配当等の益金不算入))に規定する関連法人株式等(以下2―3―224において「関連法人株式等」という。)に該当する場合における益金不算入相当額については、例えば、令第22条第1((株式等に係る負債の利子の額))の規定により対象配当等の額から控除すべき負債の利子の額(以下2―3―224において「負債利子等の額」という。)を関連法人株式等に係る配当等の額のうちに占める対象配当等の額及び同一事業年度内配当等の額の合計額又はそれ以外の配当等の額の合計額の割合に応じて区分するなど負債利子等の額を合理的に区分した金額により計算する。

(2課法2―17追加)

(基準時事業年度後に対象配当等の額を受ける場合の取扱い)

2―3―225 法人が他の法人から受ける対象配当等の額について、当該対象配当等の額に係る基準時の属する事業年度(以下2―3―225において「基準時事業年度」という。)終了の日後にこれを受ける場合には、その受ける対象配当等の額に基づき当該基準時事業年度に遡って子会社株式簿価減額特例の適用があることに留意する。ただし、当該対象配当等の額を受けることが確実であると認められる場合には、その受けることが確実であると認められる対象配当等の額に基づき当該基準時事業年度の確定申告において令第119条の37項又は第8((移動平均法を適用する有価証券について評価換え等があった場合の一単位当たりの帳簿価額の算出の特例))の規定の適用を受けることとしても差し支えない。

(2課法2―17追加)

(内国株主割合が90%以上であることを証する書類)

2―3―226 令第119条の37項第1((移動平均法を適用する有価証券について評価換え等があった場合の一単位当たりの帳簿価額の算出の特例))「当該期間を通じて当該割合が100分の90以上であることを証する書類」とは、設立の時の株主の状況及び当該設立の時から特定支配日(同号に規定する特定支配日をいう。)までの株主の異動の状況が確認できる書類のそれぞれをいうことから、例えば、これらの状況が確認できる商業登記簿謄本、株主名簿の写し、株式譲渡契約書又は有価証券台帳等はこれに該当する。

(2課法2―17追加)

(他の法人等が外国法人である場合の円換算)

2―3―227 法人が令第119条の37項第2号、第8項及び第11((移動平均法を適用する有価証券について評価換え等があった場合の一単位当たりの帳簿価額の算出の特例))の規定の適用を受ける場合において、他の法人又は同項第1号に規定する関係法人が外国法人であるときにおけるこれらの規定の計算の基礎となる金額の円換算については、当該計算の基礎となる金額につき全て外貨建ての金額に基づき計算した金額について円換算を行う方法又は当該計算の基礎となる金額につき全て円換算後の金額に基づき計算する方法など、合理的な方法により円換算を行っている場合には、これを認める。

(2課法2―17追加)

(特定支配後増加利益剰余金額超過額に達するまでの金額)

2―3―228 法人が令第119条の38((移動平均法を適用する有価証券について評価換え等があった場合の一単位当たりの帳簿価額の算出の特例))の規定の適用を受ける場合において、対象配当等の額及び同一事業年度内配当等の額の合計額が特定支配後増加利益剰余金額超過額(同項に規定する特定支配後増加利益剰余金額超過額をいう。以下2―3―228において同じ。)を超えているときは、当該特定支配後増加利益剰余金額超過額に達するまでの金額に当該対象配当等の額及び同一事業年度内配当等の額のいずれを優先して充てるかは、当該法人の選択による。

(2課法2―17追加)

(総平均法による場合の帳簿価額の減額の判定)

2―3―229 法人が対象配当等の額を受領することにより令第119条の41((評価換え等があった場合の総平均法の適用の特例))の規定の適用を受ける場合において、令第119条の37((移動平均法を適用する有価証券について評価換え等があった場合の一単位当たりの帳簿価額の算出の特例))の規定の例により当該対象配当等の額に係る株式等の帳簿価額を減算するかどうかを判定するときは、その判定の基礎となる帳簿価額は、令第119条の41項の規定により評価換え等(同項に規定する評価換え等をいう。以下2―3―229において同じ。)の直前の帳簿価額とみなされる金額によることに留意する。

(2課法2―17追加)

() 当該対象配当等の額につき、令第119条の41項後段においてその例によるものとされる令第119条の37項の規定が適用されないため当該対象配当等の額に係る株式等の帳簿価額が減額されない場合には、当該対象配当等の額の受領による評価換え等のあった時の属する事業年度については、令第119条の41項に規定する評価換前期間及び同項に規定する評価換後期間をそれぞれ一事業年度とみなさないこととして総平均法によりその一単位当たりの帳簿価額を算出して差し支えない。

(追加型株式投資信託に係る特別分配金の取扱い)

2―3―23 令第119条の316((追加型株式投資信託に係る特別分配金の支払があった場合の一単位当たりの帳簿価額の算出の特例))に規定する「元本の払戻しに相当する金銭の交付」とは、いわゆる個別元本方式による公社債投資信託以外の追加型証券投資信託に係る特別分配金の支払をいうのであるから留意する。

(12課法2―7追加、平14課法2―1、平15課法2―7、平17課法2―14、平19課法2―3、平22課法2―1、令2課法2―17改正)

() 当該特別分配金は、元本の払戻しとしての性質を有するものであり、法第23((受取配当等の益金不算入))の規定の適用の対象とならない。

2―3―24 削除

(14課法2―1)

(一株に満たない株式等を譲渡した場合等の原価)

2―3―25 法人が、令第119条の83((取得請求権付株式の取得等の対価として生ずる端数の取扱い))に規定する1株に満たない端数に相当する部分、令第139条の31項各号((一株未満の株式等の処理の場合等の所得計算の特例))に掲げる一株に満たない端数又は令第139条の32((合併等により交付する株式に一に満たない端数がある場合の所得計算))に規定する1株に満たない端数につき代わり金の交付を受けたときの譲渡に係る原価の額は、当該法人が当該1株に満たない端数に相当する株式等の交付を受け直ちに譲渡したものとして法第61条の2((有価証券の譲渡益又は譲渡損の益金又は損金算入))の規定を適用する。ただし、当該法人が当該代わり金に相当する金額を益金の額に算入している場合は、これを認める。

(12課法2―7追加、平14課法2―1、平19課法2―3、平20課法2―5、平29課法2―17改正)

5款 有価証券の時価評価損益

(12課法2―7追加)

(専担者売買有価証券の意義)

2―3―26 令第119条の121((売買目的有価証券の範囲))に規定する専担者売買有価証券とは、いわゆるトレーディング目的で取得した有価証券をいうのであるから、基本的には、法人が、特定の取引勘定を設けて当該有価証券の売買を行い、かつ、トレーディング業務を日常的に遂行し得る人材から構成された独立の専門部署(関係会社を含む。)により運用がされている場合の当該有価証券がこれに当たることに留意する。

(12課法2―7追加)

(短期売買目的で取得したものである旨を表示したものの意義)

2―3―27 令第119条の121((売買目的有価証券の範囲))に規定する「短期売買目的で取得したものである旨……を帳簿書類に記載したもの(専担者売買有価証券を除く。)(以下2―3―27において「短期売買有価証券」という。)とは、法人が、規則第27条の51((短期売買有価証券に該当する旨の記載の方法))の規定に基づき、当該有価証券の取得の日に当該有価証券を売買目的有価証券(法第61条の31項第1((売買目的有価証券の期末評価額))に規定する売買目的有価証券をいう。以下2―3―34までにおいて同じ。)に係る勘定科目により区分している場合の当該有価証券をいうことに留意する。

(12課法2―7追加)

() 短期的に売買し、又は大量に売買を行っていると認められる場合の有価証券であっても、規則第27条の51項の規定に基づき区分していないものは、短期売買有価証券に該当しない。

(金銭の信託に属する有価証券)

2―3―28 令第119条の122((売買目的有価証券の範囲))の規定に基づく信託財産として短期売買目的の有価証券を取得する旨の帳簿書類への記載は、信託に係る契約を単位として行うことに留意する。

(12課法2―7追加)

() その信託財産に属する有価証券を短期的に売買し、又は大量に売買していると認められる金銭の信託の信託財産に属する当該有価証券であっても、同号の規定に基づく帳簿書類への記載をしていない金銭の信託の信託財産に属する有価証券は、同号に掲げる売買目的有価証券に該当しない。

(市場有価証券の区分及び時価評価金額)

2―3―29 売買目的有価証券に係る令第119条の131項第1号から第3号まで((市場有価証券の時価評価金額))に規定する有価証券(以下2―3―33において「上場有価証券等」という。)の区分及び法第61条の31項第1((売買目的有価証券の期末評価額))に規定する時価評価金額の算定に当たっては、それぞれ次のことに留意する。

(12課法2―7追加、平15課法2―7、平19課法2―17、令2課法2―17改正)

(1) 令第119条の131項第1号に規定する「その売買が主として金融商品取引法第2条第16(定義)に規定する金融商品取引所……の開設する市場において行われている有価証券」であるかどうかは、その有価証券の売買取引が金融商品取引所(金融商品取引所に類するもので外国の法令に基づき設立されたものを含む。以下2―3―29において同じ。)の開設する市場において最も活発に行われているかどうかにより判定する。この場合、当該市場において最も活発に行われているかどうか明らかでないものは、原則として、我が国における売買取引の状況により判定するものとするが、その有価証券が金融商品取引所に類するもので外国の法令に基づき設立されたものの開設する市場において実際に取得されたものであるときは、同号に掲げる有価証券として取り扱って差し支えない。

(2) 同項第3号に規定する「その公表する価格がその有価証券の売買の価格の決定に重要な影響を与えている場合」とは、基本的には、ブローカー(銀行、証券会社等のように、金融資産の売買の媒介、取次ぎ若しくは代理の受託をする業者又は自己が買手若しくは売手となって店頭で金融資産の売買を成立させる業者をいう。以下この章において同じ。)の公表する価格又は取引システムその他の市場において成立した価格がその時における価額を表すものとして一般的に認められている状態にあることをいうのであるから、単に売買実例があることのみでは、当該重要な影響を与えている場合に該当しない。

(3) 同項第1号又は第3号の同一の区分に属する同一銘柄の有価証券について、当該各号に規定する価格が2以上の活発な市場に存する場合には、主要な市場(当該有価証券の取引の数量及び頻度が最も大きい市場をいう。以下2―3―29において同じ。)における価格をもって時価評価金額とする。ただし、これら2以上の活発な市場のうちいずれの市場が主要な市場に該当するかどうかが明らかでない場合には、これら2以上の活発な市場のうち最も有利な市場(取引に係る付随費用を考慮した上で、売却価格を最大化できる市場をいう。)の価格をもって時価評価金額とする。

(取引所売買有価証券の気配相場)

2―3―30 令第119条の131項第1((取引所売買有価証券の時価評価金額))に規定する「取引所売買有価証券」の同号に規定する「最終の気配相場の価格」は、その日における最終の売り気配と買い気配の仲値とする。ただし、当該売り気配又は買い気配のいずれか一方のみが公表されている場合には、当該公表されている最終の売り気配又は買い気配とする。

(12課法2―7追加、平15課法2―7、平19課法2―3、平22課法2―1、令2課法2―17改正)

()

1 法人が、転換社債型新株予約権付社債(募集事項において、社債と新株予約権がそれぞれ単独で存在し得ないこと及び新株予約権が付された社債を当該新株予約権の行使時における出資の目的とすることをあらかじめ明確にしている新株予約権付社債をいう。)に係る最終の気配相場の価格として、取引所の定める基準値段(当該転換社債型新株予約権付社債について事業年度終了の日の翌日の呼値の制限値幅の基準となる価格をいう。)を使用しているときは、これを認める。

2 当該売り気配と買い気配の間の適切な価格を用いることとする旨及びその内容を予め定め、会計処理方針その他のものにより明らかにしている場合で、本文に定める方法に代えて当該予め定められた内容により決定される価格を継続して「最終の気配相場の価格」としているときは、これを認める。

(公表する価格の意義)

2―3―31 令第119条の131項第3((その他価格公表有価証券の時価評価金額))に規定する「当該事業年度終了の日における当該その他価格公表有価証券の最終の売買の価格」又は「最終の気配相場の価格」とは、同号に規定する価格公表者によって公表される次に掲げる価格をいうことに留意する。この場合、当該価格は、法人が、各事業年度において同一の方法により入手又は算出する価格によるものとし、その入手価格は通常の方法により入手可能なもので差し支えないものとする。

(12課法2―7追加、平15課法2―7、平28課法2―11、令2課法2―17改正)

(1) 複数の店頭市場の情報を集計し、提供することを目的として組織化された業界団体が公表した事業年度終了の日における最終の売買の価格(事業年度終了の日の社債の取引情報により証券業協会が公表する約定単価を基に当該法人が算定した平均値又は中央値を含む。)又は最終の気配相場の価格(事業年度終了の日の気配値に基づいて証券業協会が公表する公社債店頭売買参考統計値の平均値又は中央値を含む。)

(2) 金融機関又は証券会社間の市場、ディーラー間の市場、電子媒体取引市場のように、当該法人が随時売買又は換金を行うことができる取引システムにおいて成立する事業年度終了の日における最終の売買の価格又は最終の気配相場の価格

(3) ブローカーによって継続的に提示されている時価情報等のうち当該事業年度終了の日における最終の売買の価格又は最終の気配相場の価格(株式以外の有価証券については、当該ブローカーによって提示された合理的な方法により計算した価格を含む。)

() 気配相場に係る価格の取扱いは、2―3―30((取引所売買有価証券の気配相場))の取扱いを準用する。

(合理的な方法による価額の計算)

2―3―32 令第119条の131項第1号から第4号まで((売買目的有価証券の時価評価金額))に規定する合理的な方法(以下2―3―34までにおいて「合理的な方法」という。)による同項各号に掲げる有価証券の当該事業年度終了の時の価額は、令和元年74日付企業会計基準第30「時価の算定に関する会計基準」に定める算定方法などにより計算するのであるが、それぞれの方法による計算の基礎とする事項として用いられる市場価格、利率、信用度、株価変動性又は市場の需給動向等の経済指標などの指標は、客観的なものを最大限使用し、最も適切な金額となるよう計算することに留意する。

(2課法2―17追加)

(第三者から入手した価格)

2―3―33 法人(金融機関等に該当するもの及び当該法人が属する企業集団の総資産の大部分を金融資産が占め、かつ、総負債の大部分を金融負債及び保険契約から生じる負債が占める場合の当該法人を除く。)が、令第119条の131項第1号から第4号まで((売買目的有価証券の時価評価金額))の規定により有価証券の価額を計算する場合において、取引金融機関、ブローカー又は情報ベンダー(投資に関する情報を提供することを業としている者で、時価情報等の提供を行っている者をいう。以下この章において同じ。)等の第三者から入手する価格が2―3―32((合理的な方法による価額の計算))の取扱いの例により計算されたものと認められるときは、これらの号に規定する合理的な方法により計算した金額に該当するものとする。

(2課法2―17追加)

(売買目的有価証券の時価評価金額に関する書類の保存)

2―3―34 令第119条の132((売買目的有価証券の時価評価金額))に規定する書類は、合理的な方法に当たるものとして採用した方法についてその採用に係る意思決定に関する資料及び合理的な方法による計算の基礎となる事項として用いられた市場価格、利率、信用度、株価変動性又は市場の需給動向等の経済指標などの指標が記載された資料が該当する。

なお、法人が2―3―33((第三者から入手した価格))の取扱いを適用する場合における令第119条の132項に規定する書類は、取引金融機関、ブローカー又は情報ベンダー等の第三者から入手する価格が記載された書類が該当する。

(2課法2―17追加)

(その他のデリバティブ取引の範囲)

2―3―35 規則第27条の71項第7((その他のデリバティブ取引))に規定する取引(以下2―3―36までにおいて「その他のデリバティブ取引」という。)は、基本的には、以下に掲げる要件の全てを満たす取引をいう。

(12課法2―7追加、平19課法2―17、平23課法2―17、令元課法2―10、令2課法2―17改正)

(1) その価値が、特定の金利、有価証券の価格、現物商品の価格、外国為替相場、各種の価格又は率の指数、信用格付け、信用指数その他これらに類する変数(以下この節において「基礎数値」という。)の変化に反応して変化し、かつ、想定元本又は決済金額のいずれか又はその両方を有する取引であること。

(2) 当初純投資が不要であるか、又は同一の効果若しくは成果をもたらす類似の一般的な取引と比べ当初純投資をほとんど必要としない取引であること。

(3) 当該取引に係る契約の条項により純額決済を要求又は容認する取引(次の取引を含む。)であること。

イ 例えば、市場において当該取引に係る契約の転売又は当該契約と反対の契約の締結が容易である場合のように、契約に定められている条項以外の方法で実質的な純額決済が容易にできる取引

ロ 資産等の引渡しを定めていても、例えば、当該資産等が市場において売買される有価証券又はデリバティブ取引(規則第27条の71項第1号から第6号まで((デリバティブ取引の範囲))に掲げる取引をいう。)である場合のように、その資産等が容易に換金できることによって、純額決済の取引と実質的に異ならない状態に置くことができる取引

()

1 想定元本とは、通貨の金額、株式の数、重量若しくは容積その他の単位の数値をいう。以下この章において同じ。

2 決済金額とは、基礎数値があらかじめ定めたように変動した場合に支払われることとされている固定又は変動の金額についての取決めに係る金額をいう。

3 本文の(1)から(3)までの要件の全てを満たす暗号資産に係る変数が基礎数値である取引は、「その他のデリバティブ取引」に該当することに留意する。

4 本文の(1)から(3)までの要件の全てを満たす有価証券の売買契約に係る取引であっても、約定日から受渡日までの期間がおおむねその受渡しに通常要する期間となっているときは、当該売買契約に係る取引は「その他のデリバティブ取引」に該当しないことに留意する。

(受渡決済見込取引)

2―3―36 法人が行う取引が「その他のデリバティブ取引」に該当するかどうかの判定において、農産物、鉱物その他の商品の価格を基礎数値とし、かつ、受渡決済を行うことができる取引が、2―3―35((その他のデリバティブ取引の範囲))に定める要件を満たす場合には、当該取引は、原則として「その他のデリバティブ取引」として取り扱うこととなるのであるが、当該取引の基礎数値に係る商品と同一の商品を通常棚卸資産である商品、原材料等として保有し販売又は費消する法人が、当該取引に係る契約の時に当該商品の受渡決済をあらかじめ決定していることが内部資料その他のものによって明らかなときは、当該取引は、「その他のデリバティブ取引」に該当しないものとして取り扱うことに留意する。

(12課法2―7追加、平19課法2―17、平20課法2―14改正)

() 商品の受渡決済ができる取引のうち銀行法施行規則第13条の231項第1号のロ又は第2号のロに掲げる取引に該当するものは、規則第27条の71項第2号又は第3((デリバティブ取引の範囲等))の規定により、法第61条の51((デリバティブ取引に係る利益相当額の益金算入等))に規定するデリバティブ取引に該当するのであるから、本文の取扱いにより「その他のデリバティブ取引」に該当するかどうかを判定する取引は、これらに掲げる取引に該当しない取引に限られる。

(未決済デリバティブ取引の意義)

2―3―37 法第61条の51((デリバティブ取引に係る利益相当額の益金算入等))に規定する「デリバティブ取引のうち事業年度終了の時において決済されていないもの」とは、事業年度終了の時においてデリバティブ取引(同項に規定する「デリバティブ取引」をいう。以下この款において同じ。)に係る約定が成立しているもののうち、解約、譲渡、オプションの行使・消滅その他の手仕舞いに係る約定(以下この章において「手仕舞約定等」という。)が成立していないものをいうことに留意する。

(12課法2―7追加)

() 2―1―35((デリバティブ取引に係る契約に基づく資産の取得による損益の計上))のただし書又は2―1―36((デリバティブ取引に係る契約に基づく資産の譲渡による損益の計上))の適用を受ける場合には、当該デリバティブ取引は、これらの通達に定める受渡しの日まで手仕舞約定等が成立していないものとして取り扱う。

(金利スワップ取引等の特例処理)

2―3―38 規則第27条の72((金利スワップ取引等の特例処理))に規定する取引に該当するか否かの判定に当たっては、次のことに留意する。

(12課法2―7追加、平19課法2―17改正)

(1) スワップ取引等(規則第27条の71項第1((デリバティブ取引の範囲等))に掲げる取引のうち金融商品取引法第2条第21項第3号若しくは第4号又は同条第22項第3号から第5号までに掲げる取引をいう。以下2―3―38において同じ。)の想定元本と当該スワップ取引等の対象とした資産又は負債の元本金額との差がおおむね5%以内である場合には、規則第27条の72項第3号の要件を満たすこととなる。

(2) 次に掲げる取引は、同項第1号に規定する「金利変動損失額を減少させるために行ったもの」に含まれる。

イ 支払金利を対象とするいわゆる金利キャップ取引(対象金利が上限金利を上回った場合において、当該上回った部分に相当する金額を受け取ることとなるものに限る。以下2―3―38において同じ。)又は受取金利を対象とするいわゆる金利フロアー取引(対象金利が下限金利を下回った場合において、当該下回った部分に相当する金額を受け取ることとなるものに限る。以下2―3―38において同じ。)

ロ LIBORTIBOR等の種類の異なる変動金利同士を交換するいわゆるベーシス・スワップ取引が、資産に係る変動金利と負債に係る変動金利の種類を一致させることを目的とするものである場合(当該資産及び当該負債について同項第2号に規定する帳簿書類への記載を行ったものに限る。)の当該取引

(3) スワップ取引等に期限前解約オプション、金利キャップ取引又は金利フロアー取引が組み合わされた取引は、同項に規定する「前項第1号に掲げる取引(金融商品取引法第2条第21項第3号若しくは第4号又は同条第22項第3号から第5号までに掲げる取引に係る部分に限る。)に該当するものとして取り扱う。

() スワップ取引等のうち規則第27条の72項に規定する要件を満たさないものであっても、法第61条の61((繰延ヘッジ処理による利益額又は損失額の繰延べ))の規定の適用に関する要件を満たすものは、同項の規定の適用がある。

(みなし決済損益額)

2―3―39 法人が、デリバティブ取引について法第61条の51((デリバティブ取引に係る利益相当額の益金算入等))の規定を適用する場合において、事業年度終了の時において決済したものとみなしたところにより算出する利益の額又は損失の額に相当する金額(以下2―3―39において「みなし決済損益額」という。)は、規則第27条の73項各号((みなし決済損益額))に規定する金額となるのであるが、当該みなし決済損益額の算出に当たり、法人が、次に掲げる取引の区分に応じ、それぞれ次によっている場合には、これを認める。この場合、当該みなし決済損益額は、法人が各事業年度において同一の方法により入手又は算出する金額によるものとし、その入手価額は、通常の方法により入手可能なもので差し支えないものとする。

(12課法2―7追加、平22課法2―1、令2課法2―17改正)

(1) 取引所に上場されているデリバティブ取引 当該取引が上場されている取引所において公表された事業年度終了の日の最終の取引成立価格(公表された同日における当該価格がない場合には、公表された同日における最終の気配値とし、公表された同日における当該価格及び当該気配値のいずれもない場合には、最終の取引成立価格又は最終の気配値が公表された日で当該事業年度終了の日に最も近い日におけるその最終の取引成立価格又は最終の気配値を基礎とした合理的な方法により計算した金額とする。)に基づき算出した金額をみなし決済損益額とする。ただし、法人が、取引所の公表する清算価格(値洗いのために授受をする金銭の額の計算の基礎として用いられる金額をいう。)に基づき算出した金額を継続してみなし決済損益額としているときは、これを認める。

(2) 取引システムの気配値があるデリバティブ取引 イ又はロの区分に応じ、それぞれイ又はロによる。

イ 当該デリバティブ取引について、インターバンク市場、ディーラー間市場、電子売買取引市場その他当該法人が随時決済又は換金ができる取引システムの気配値がある場合 当該システムの気配値に基づき算出した金額をみなし決済損益額とする。

ロ 当該デリバティブ取引に類似するデリバティブ取引について、インターバンク市場、ディーラー間市場、電子売買取引市場その他当該法人が随時決済又は換金ができる取引システムの気配値がある場合 当該気配値に契約上の差異等を合理的に調整して算出した金額をみなし決済損益額とする。

()

1 「取引所に上場されているデリバティブ取引」又は「取引システムの気配値があるデリバティブ取引」のみなし決済損益額の算出において気配値を使用する場合には、当該気配値は、事業年度終了の日における最終の売り気配と買い気配の仲値とする。ただし、当該売り気配又は買い気配のいずれか一方のみが公表されている場合には、当該公表されている最終の売り気配又は買い気配とする。

2 当該売り気配と買い気配の間の適切な価格を用いることとする旨及びその内容を予め定め、会計処理方針その他のものにより明らかにしている場合で、()1に定める方法に代えて当該予め定められた内容により決定される価格を継続して「最終の気配相場の価格」としているときは、これを認める。

3 みなし決済損益額の算出に当たっては、委託手数料その他取引に付随して発生する費用は加味しないことに留意する。

4 みなし決済損益額の算出に当たっては、本文の取扱いのほか、2―3―32((合理的な方法による価額の計算))及び2―3―33((第三者から入手した価格))の取扱いを準用する。

(みなし決済損益額に関する書類の保存)

2―3―40 規則第27条の74((デリバティブ取引の範囲等))の規定の適用については、2―3―34((売買目的有価証券の時価評価金額に関する書類の保存))の取扱いを準用する。

(2課法2―17追加)

2―3―41 削除

(2課法2―17)

(有価証券等に組み込まれたデリバティブ取引の取扱い)

2―3―42 法人が、有価証券(法第61条の31項第1((売買目的有価証券の期末評価額))に規定する売買目的有価証券又は法第61条の71((時価ヘッジ処理による売買目的外有価証券の評価益又は評価損の計上))の規定の適用を受ける同項に規定する売買目的外有価証券に該当するものを除く。)、金銭債権、金銭債務等(以下2―3―43までにおいて「有価証券等」という。)で、デリバティブ取引の組み込まれたもの(以下2―3―47までにおいて「複合有価証券等」という。)を取得し、又は発生させた場合において、継続的に、当該複合有価証券等に係る取引を有価証券等に係る取引と当該デリバティブ取引(以下2―3―47までにおいて「組込デリバティブ取引」という。)とに区分し、当該組込デリバティブ取引につき法第61条の51((デリバティブ取引に係る利益相当額の益金算入等))の規定を適用しているときは、これを認める。

(12課法2―7追加、平14課法2―1、平22課法2―1改正)

()

1 本文の「有価証券等に係る取引」とは、当該有価証券等が利付の有価証券等であるときは、当該有価証券等の元本の額とあらかじめ定められた一定の利率(あらかじめ定められた一定の利率がない場合には、国内又は海外において代表的な利率又は指数として公表されているものにより決定される利率を含む。)に基づいて計算される利子の授受及び当該元本の授受に係る取引をいい、当該有価証券等が割引債又はこれに類似するものであるときは、当該割引債の発行価額相当額又はこれに相当するものの授受に係る取引をいう。

2 複合有価証券等に係る取引を有価証券等に係る取引と組込デリバティブ取引とに区分した場合には、有価証券等に係る取引と組込デリバティブ取引とがそれぞれ独立して行われたものとした場合に各事業年度の益金の額又は損金の額に算入すべき金額を各事業年度の益金の額又は損金の額に算入する。ただし、これらの取引に基づいて受け取る金銭の額(元本の償還又は弁済により受け取るものを除く。)については、区分しないこととして差し支えない。

3 法人が、区分することとした組込デリバティブ取引に係る利益相当額又は損失相当額(法第61条の51項に規定する「みなし決済損益額」をいう。以下2―3―42において同じ。)を算出することが困難な場合において、複合有価証券等に係る評価益又は評価損の額(複合有価証券等を売買目的有価証券であるものとみなして計算した法第61条の32((売買目的有価証券の評価益又は評価損の益金又は損金算入等))に規定する評価益又は評価損に相当する金額をいう。)を当該組込デリバティブ取引に係る利益相当額又は損失相当額としているときは、継続適用を条件としてこれを認める。

4 2―1―47((金融資産等の利回りが一定でない場合等における損益の計上))は、組込デリバティブ取引を区分しない複合有価証券等又は組込デリバティブ取引を区分した複合有価証券等の当該組込デリバティブ取引以外の部分について準用する。この場合、(当該適用している利率が国内又は海外において代表的な利率又は指数として公表されているものにより決定されている場合」は、(当該適用している利率が国内若しくは海外において代表的な利率若しくは指数として公表されているものにより決定されている場合又は組み込まれたオプション取引に係るオプションの行使若しくは不行使によるものである場合」と読み替えて適用する。

5 区分することとした組込デリバティブ取引に係る契約に基づき金銭以外の資産を取得した場合には、法第61条の53((デリバティブ取引に係る契約に基づき金銭以外の資産を取得した場合における益金算入等))の規定が適用されることに留意する。

(組込デリバティブ取引の区分の方法)

2―3―43 組込デリバティブ取引を複合有価証券等から区分する場合において、有価証券等に複数の組込デリバティブ取引が組み込まれているときは、全ての組込デリバティブ取引を区分するものとする。ただし、次に掲げる組込デリバティブ取引については、区分しないこととして差し支えない。

(12課法2―7追加、平23課法2―17改正)

(1) ヘッジ目的組込デリバティブ取引(デリバティブ取引を組み込む対象となる有価証券等の価額の変動又は当該有価証券等について受払が予定される金銭の額の変動に伴って生ずるおそれのある損失の額を減少させる組込デリバティブ取引をいう。)

(2) 元本保証型組込デリバティブ取引(資産である有価証券等の元本の額又は償還金額を減少させるおそれのない組込デリバティブ取引をいい、当該組込デリバティブ取引について生ずる利益又は損失を相殺する関係にある他の組込デリバティブ取引を区分することとした場合の当該組込デリバティブ取引を除く。)

(3) リスク限定型組込デリバティブ取引(負債である有価証券等の元本の額若しくは償還金額を増加させ、又は当該有価証券等について支払う利子の額を著しく増加させるおそれのない組込デリバティブ取引をいい、当該組込デリバティブ取引について生ずる利益又は損失を相殺する関係にある他の組込デリバティブ取引を区分することとした場合の当該組込デリバティブ取引を除く。)

() ただし書の適用を受けて区分しないこととした場合の(1)から(3)までに掲げる組込デリバティブ取引は、2―3―42()2((有価証券等に組み込まれたデリバティブ取引の取扱い))に定める有価証券等に係る取引に含めることに留意する。

(デリバティブ取引の手仕舞約定等に係る損益の計上)

2―3―44 デリバティブ取引の手仕舞約定等に係る損益の額は、当該手仕舞約定等が成立した日の属する事業年度の益金の額又は損金の額に算入する。

(12課法2―7追加)

7款 ヘッジ処理による損益

(12課法2―7追加)

(繰延ヘッジ処理の対象となる取引の範囲)

2―3―45 法第61条の6((繰延ヘッジ処理による利益額又は損失額の繰延べ))の規定(以下この款において「繰延ヘッジ処理」という。)の適用は、事業年度終了の日の帳簿価額に反映されていない同条第1項各号の「生ずるおそれのある損失」の額を減少させるためのデリバティブ取引等(同条第4項に規定する「デリバティブ取引等」をいう。以下この款において同じ。)に係る利益額又は損失額をその損失の発生時まで繰り延べるために行うものであるから、例えば、次に掲げる損失等を対象とした取引は同条第1項の規定の適用がないことに留意する。

(12課法2―7追加、平19課法2―3、平22課法2―1改正)

(1) 令第28条第1項第2((棚卸資産の評価の方法))に規定する低価法を適用している棚卸資産の価格の変動により生ずるおそれのある損失

(2) 満期保有目的債券(令第119条の22項第1((満期保有目的有価証券の意義))に規定する有価証券に区分した有価証券をいう。)の金利の変動に基因する価格の変動により生ずるおそれのある損失

(ヘッジ手段の指定の単位)

2―3―46 繰延ヘッジ処理の適用を受けるデリバティブ取引等(以下この款において「繰延ヘッジ手段デリバティブ取引等」という。)は、原則として、当該デリバティブ取引等の契約又は当該デリバティブ取引等の想定元本の割合により区分した部分を単位として、繰延ヘッジ処理に関する帳簿書類(規則第27条の8各項((繰延ヘッジ処理))に規定する事項を記載する帳簿書類をいう。以下2―3―59までにおいて同じ。)に記載して指定する。ただし、次に掲げる部分を除いたものをその指定の単位とすることを繰延ヘッジ処理に関する帳簿書類に記載しているときは、これを認める。

(12課法2―7追加、平22課法2―1改正)

(1) オプション取引の時間的価値に係る部分(オプション取引の価値に係る部分のうち、基礎数値の価格に基因する部分以外の部分をいう。)

(2) 先物取引又は先渡取引のプレミアム又はディスカウントに係る部分(先物取引又は先渡取引の価値に係る部分のうち、基礎数値の価格に基因する部分以外の部分をいう。)

() ただし書により指定から除いた部分の金額については、法第61条の51((デリバティブ取引に係る利益相当額の益金算入等))に規定する「みなし決済損益額」として同条の規定の適用があることに留意する。

(売建オプション取引等の取扱い)

2―3―47 法第61条の61((繰延ヘッジ処理による利益額又は損失額の繰延べ))の規定の適用に当たり、単独で行われる売建オプション取引(規則第27条の71項第1((デリバティブ取引の範囲等))に掲げる取引のうち金融商品取引法第2条第21項第3号又は同条第22項第3号若しくは第4号に掲げる取引及び規則第27条の71項第4号又は第5号に掲げる取引並びに同項第1号に掲げる取引のうち金融商品取引法第2条第22項第6号に掲げる取引又は規則第27条の71項第2号若しくは第3号に掲げる取引でオプション取引に類似する取引のうち、取引の相手方に権利を付与しているものをいう。)のように、その収益の額の限度が権利付与の対価に限られている一方、損失の額が当該対価の額に限られていないものは、法第61条の61項に規定する「ヘッジ対象資産等損失額」を減少させるために有効であるとされる繰延ヘッジ手段デリバティブ取引等とはならないことに留意する。

(12課法2―7追加、平19課法2―17改正)

() 売建オプション取引であっても、次に掲げるものは、繰延ヘッジ手段デリバティブ取引等となる。

(1) いわゆる金利カラー取引のように、損失の発生のリスクが限定されるもので、支払オプション料が受取オプション料と同額又はそれ以上であるもの

(2) 複合有価証券等のうち組込デリバティブ取引を区分して経理しないものに含まれる買建オプションを相殺するもの

(有効性判定の方法)

2―3―48 令第121条第1((繰延ヘッジ処理におけるヘッジの有効性判定等))に規定する「有効性判定」(以下2―3―59までにおいて「有効性判定」という。)を行うに当たり、2―3―46((ヘッジ手段の指定の単位))(1)及び(2)に掲げる部分を当該有効性判定の要素から除くこととしているときは、当該事項を繰延ヘッジ処理に関する帳簿書類にあらかじめ記載していることを条件として、これを認める。

(12課法2―7追加、平14課法2―1改正)

() ヘッジ手段の指定につき2―3―46本文前段による指定を行っている場合も同様とする。

(有効性判定の時期)

2―3―49 有効性判定は、期末時(令第121条第1((繰延ヘッジ処理におけるヘッジの有効性判定等))に規定する「期末時」をいう。)及びデリバティブ取引等の決済時(同項に規定する「決済時」をいう。以下2―3―49において同じ。)に行うのが原則であるが、法人が当該有効性判定を6か月に一度等規則性のある一事業年度以内の一定期間ごとに継続的に行うこととする旨を繰延ヘッジ処理に関する帳簿書類に記載しているときは、これを認める。この場合、法人の選択した当該有効性判定の時に算出した有効性割合(令第121条の2((繰延ヘッジ処理に係るヘッジが有効であると認められる場合))に規定する割合をいう。以下2―3―51までにおいて同じ。)の事績に基づき、繰延ヘッジ処理を適用する。

(12課法2―7追加、平14課法2―1改正)

() 本文の適用を受ける場合には、次に掲げることに留意する。

(1) デリバティブ取引等の決済時には、有効性判定を行わなければならない。この場合、当該決済時とは、デリバティブ取引等について手仕舞約定等が成立した場合における当該手仕舞約定等に係る決済の時をいうのであるから留意する。

(2) 有効性割合の事績がおおむね100分の80未満又は100分の125超となるときは、当該事績に基づき、2―3―51((ヘッジとして有効である部分の金額の特例))の取扱いを適用することができる。

(有効性判定の数値が異常値と認められる場合の取扱い)

2―3―50 有効性判定を行った時に算出した有効性割合が、おおむね100分の80未満又は100分の125超となる場合であっても、それが法第61条の61項第1((繰延ヘッジ処理による利益額又は損失額の繰延べ))の価額の変動又は同項第2号のキャッシュ・フローの変動(以下この款において「相場等の変動」という。)の幅が小さいことによる一時的な状態を基因とするものであると認められるときは、当該繰延ヘッジ処理の適用を開始する前に行った有効性の確認の結果がおおむね100分の80から100分の125までとなっていた事績があることを条件として、繰延ヘッジ処理の適用を認める。

(12課法2―7追加、平14課法2―1、平23課法2―17改正)

() この取扱いは、全てのデリバティブ取引等の有効性判定に当たり継続して行わなければならないことに留意する。

(ヘッジとして有効である部分の金額の特例)

2―3―51 法第61条の61((繰延ヘッジ処理による利益額又は損失額の繰延べ))に規定する「ヘッジ対象資産等損失額を減少させるために有効である部分の金額」(以下この款において「繰延ヘッジ金額」という。)は、令第121条の31((デリバティブ取引等に係る利益額又は損失額のうちヘッジとして有効である部分の金額等))の規定に基づきその金額を算定するのであるが、有効性割合がおおむね100分の80から100分の125までとなっていない場合において、法人が、当該繰延ヘッジ金額のうち同条第4項に規定する「直近の有効性判定(ヘッジの引継ぎをした場合において、当該内国法人が前項に規定する適格合併等の日の属する事業年度以後に行った有効性判定における有効性割合がおおむね100分の80から100分の125までとなっていないときは、同項に規定する被合併法人等が行った有効性判定でその有効性割合がおおむね100分の80から100分の125までとなっていた直近の有効性判定)におけるそのデリバティブ取引等に係る同条第1項に規定する利益額又は損失額(1項に規定する場合にあっては、その利益額又は損失額から第2項に規定する超過差額を控除した金額)の金額をそのまま法第61条の61項第1号に規定する資産又は負債(以下2―3―57及び2―3―58において「繰延ヘッジ対象資産等」という。)の譲渡若しくは消滅又は同項第2号に規定する金銭につき受取若しくは支払がある時まで繰り延べ、次回以降の有効性判定を行わないこととしているときは、継続適用を条件としてこれを認める。

(12課法2―7追加、平14課法2―1、平22課法2―1改正)

(ヘッジ期間の満了による繰延ヘッジ処理の終了)

2―3―52 繰延ヘッジ処理に係るヘッジ期間(規則第27条の81((繰延ヘッジ処理))に規定する「ヘッジ対象資産等損失額を減少させようとする期間」をいう。以下2―3―52において同じ。)が満了した場合には、当該ヘッジ期間満了の日において繰延ヘッジ手段デリバティブ取引等について手仕舞約定等が成立したものとみなすのであるから留意する。

(12課法2―7追加)

() 確定したヘッジ期間を繰延ヘッジ処理に関する帳簿書類に記載していない場合には、当該繰延ヘッジ手段デリバティブ取引等の存続期間をヘッジ期間とする。

(キャッシュ・フローの変動に係る損失の範囲)

2―3―53 法第61条の61項第2((繰延ヘッジ処理によるキャッシュ・フローの変動に係る損失))に規定する損失は、履行確定取引(契約が成立し、当該契約により取引時期、取引物件、取引数量、取引価格等の主要な取引条件が確定しており、かつ、それが実行されることが確定している取引をいう。以下この款において同じ。)又は履行予定取引(契約は成立していないが、取引予定時期、取引予定物件、取引予定数量、取引予定価格等の主要な取引条件が合理的に予測可能であり、かつ、その取引の実行の可能性が極めて高い取引をいう。以下この款において同じ。)に伴って生じるおそれのある損失でなければならないことに留意する。

(12課法2―7追加)

(履行確定取引及び履行予定取引の意義)

2―3―54 2―3―53((キャッシュ・フローの変動に係る損失の範囲))に定める履行確定取引及び履行予定取引については、次のことに留意する。

(12課法2―7追加、平23課法2―17改正)

(1) 履行確定取引に係る2―3―53に定める内容を有する取引であっても、当該取引に係る契約を解除する場合の対価が全く不要か又は極めて軽微であるものは履行確定取引として取り扱わない。ただし、当該取引が次の(3)のイからハまでに掲げる要件の全てを満たす場合には、履行予定取引として取り扱う。

(2) 例えば、貸付金、預金、貯金又は有価証券から生ずる予定の受取利子及び借入金から生ずる予定の支払利子に係る取引も、履行確定取引に該当する。

(3) 履行予定取引とは、その取引の内容が2―3―53に定めるものをいうのであるから、基本的には、以下の要件の全てを満たすことが必要となる。

イ 当該取引が次のいずれかの取引に該当するものであること。

(1) 過去において同様のものを行った実績のある取引であること。

(2) 実績のない取引であっても、その取引の準備が相当程度進捗しており、事業遂行上必要とされるものであること。

(3) 確定した他の契約の履行に伴って必要とされる取引であること。

ロ 当該法人にその予定される取引の履行を行うことのできる財政的能力、法律的能力その他当該取引を行うために通常必要とする能力が備わっていること。

ハ 当該取引が記載されている事業計画又はこれに準ずるものが存在すること。

(予定取引が行われた場合の取扱い)

2―3―55 予定取引(履行確定取引又は履行予定取引をいう。以下この款において同じ。)の決済により金銭を受け取ることとなり又は支払うこととなった場合における繰延ヘッジ金額の処理は、次に掲げる場合の区分に応じそれぞれ次による。

(12課法2―7追加)

(1) 当該予定取引が、売上、仕入、利息その他の損益の発生を予定しているものである場合 令第121条の51((繰り延べたデリバティブ取引等の決済損益額の計上時期等))の規定に基づき益金の額又は損金の額に算入する繰延ヘッジ金額は、予定取引に係る損益と同一の科目により処理する。ただし、当該デリバティブ取引等が外国為替の売買相場の変動に伴って発生する損失を減少させるためのものである場合には、為替差損益として計上することができる。

(2) 当該予定取引が、資産の取得又は負債の発生を予定しているものである場合 その資産又は負債の取得価額に加算し、又は取得価額から減算する。ただし、当該予定取引が、貸付金その他の利付金融資産(利子の支払のあるものに限る。)の取得を予定しているものである場合又は借入金その他の利付金融負債の発生を予定しているものである場合には、当該金融資産又は金融負債の利子の計算期間の経過に応じ利息の調整勘定として各事業年度の益金の額又は損金の額に算入することができる。

(予定取引の中止が確実となった場合等の繰延ヘッジ処理の不適用)

2―3―56 法第61条の61((繰延ヘッジ処理による利益額又は損失額の繰延べ))の規定の適用を受けた後に、予定取引が事情変更等により実行されないことが確実となったとき又は解約されたときは、以後、繰延ヘッジ処理の適用はないことに留意する。

(12課法2―7追加)

(包括ヘッジ処理の要件)

2―3―57 法人が、複数の資産又は負債の集合体(以下2―3―59までにおいて「ポートフォリオ」という。)を一の資産又は負債として繰延ヘッジ処理をしている場合において、当該ポートフォリオを一の資産又は負債として取り扱う旨を繰延ヘッジ処理に関する帳簿書類に記載し、かつ、当該ポートフォリオ構成資産等(ポートフォリオを構成する資産又は負債をいう。以下2―3―59までにおいて同じ。)の個々の資産又は負債が共通のリスク要因(金利の変動、為替相場の変動等の損失を発生させる要因をいう。)による共通の損失の発生の可能性にさらされていることが明らかであるときは、当該ポートフォリオは、一の資産又は負債として繰延ヘッジ対象資産等とすることができる。

(12課法2―7追加)

() 例えば、ポートフォリオ構成資産等の個々の資産又は負債の相場変動等割合(繰延ヘッジ処理の適用を開始した時から当該繰延ヘッジ処理の有効性判定をした時までの相場等の変動の割合をいう。以下2―3―57において同じ。)がポートフォリオ全体の相場変動等割合に対して、おおむね上下10%の範囲内にあるような場合は、「共通の損失の発生の可能性にさらされていること」に該当する。

(包括ヘッジ処理における決済損益額の配分)

2―3―58 法人が、繰延包括ヘッジ処理(ポートフォリオを繰延ヘッジ対象資産等として指定した場合の繰延ヘッジ処理をいう。以下2―3―59までにおいて同じ。)の適用をしている場合において、当該繰延包括ヘッジ処理に係るデリバティブ取引等について手仕舞約定等が成立したときは、繰延ヘッジ処理に係る効果を反映する次に掲げる割合その他合理的な割合に基づき、当該繰延包括ヘッジ処理に係る繰延ヘッジ金額を各ポートフォリオ構成資産等に配分する。

(12課法2―7追加)

(1) 繰延包括ヘッジ処理の適用を開始した時における各ポートフォリオ構成資産等の価額をその時のポートフォリオ全体の価額で除した割合

(2) 繰延包括ヘッジ処理に係るデリバティブ取引等について手仕舞約定等が成立した時における各ポートフォリオ構成資産等の価額をその時のポートフォリオ全体の価額で除した割合

(3) 繰延包括ヘッジ処理に係るデリバティブ取引等について手仕舞約定等が成立した時における各ポートフォリオ構成資産等の帳簿価額をその時のポートフォリオ全体の帳簿価額で除した割合

(4) 繰延包括ヘッジ処理の適用を開始した時から当該繰延包括ヘッジ処理に係るデリバティブ取引等について手仕舞約定等が成立した時までの期間における各ポートフォリオ構成資産等に係る価額の変動額を当該期間におけるポートフォリオ全体の価額の変動額で除した割合

(繰延ヘッジ処理の表示)

2―3―59 繰延ヘッジ処理に関する帳簿書類には、次に掲げる区分に応じ、それぞれ次のことを記載することに留意する。

(12課法2―7追加、平14課法2―1改正)

(1) 規則第27条の81項及び第2((繰延ヘッジ処理に係るヘッジ対象資産等の明細の記載))に規定する記載事項

イ 2―3―46((ヘッジ手段の指定の単位))に定める「指定の単位」の具体的な内容

ロ 2―3―48((有効性判定の方法))の取扱いの適用を受ける場合には、有効性判定から除いたものの内容

ハ 2―3―49((有効性判定の時期))の取扱いにより、一事業年度より短い周期で有効性判定を行う場合には、その有効性判定を行う周期

ニ 2―3―57((包括ヘッジ処理の要件))の取扱いの適用を受ける場合には、ポートフォリオとして取り扱うものの明細

ホ 繰延包括ヘッジ処理を適用する場合には、2―3―58((包括ヘッジ処理における決済損益額の配分))に定める繰延ヘッジ金額を各ポートフォリオ構成資産等に配分する基準

(2) 同条第3項及び第4項に規定する記載事項

令第121条第2((繰延ヘッジ処理におけるヘッジの有効性判定等))に規定する特定事由に係る部分を算出する方法

() 繰延ヘッジ処理に関する帳簿書類には、法人が、規則第27条の8各項に規定する事項及びこの取扱いに定める事項を一括して記載した帳簿書類(これらの事項のうち会計処理方針として定めたものを記載した帳簿書類を含む。)も含まれる。

(繰延ヘッジ処理を適用している場合等における負債の利子の額の計算)

2―3―60 金利の変動に伴って生ずるおそれのある損失を減少させる目的で繰延ヘッジ処理を適用している場合又は特例金利スワップ取引等(規則第27条の72((金利スワップ取引等の特例処理))に規定する取引をいう。以下2―3―60において同じ。)を行っている場合の法第23条第4((負債利子の控除))に規定する負債の利子の額、令第141条の36((国外事業所等帰属所得に係る所得の金額の計算))に規定する共通費用の額に含まれる負債の利子の額、令第141条の41((国外事業所等に帰せられるべき資本に対応する負債の利子))に規定する負債の利子の額、令第141条の51((銀行等の資本に係る負債の利子))に規定する負債の利子の額及び令第141条の82((その他の国外源泉所得に係る所得の金額の計算))に規定する共通費用の額に含まれる負債の利子の額の計算は、当該繰延ヘッジ処理を適用している場合のヘッジ処理に係る損益の額又は特例金利スワップ取引等に係る受払額のうち、支払利子の額に対応する部分の金額を加算又は減算した後の金額を基礎とするのであるから留意する。

(12課法2―7追加、平15課法2―7、平26課法2―6、平26課法2―9、平27課法2―8改正)

(時価ヘッジ処理に係る取扱い)

2―3―61 法第61条の7((時価ヘッジ処理による売買目的外有価証券の評価益又は評価損の計上))の規定(以下2―3―61において「時価ヘッジ処理」という。)の適用は、次に掲げる区分に応じ、それぞれ次による。

(12課法2―7追加、平14課法2―1改正)

(1) 令第121条の61項第1((時価ヘッジ処理における売買目的外有価証券の評価額と円換算額等))に規定する「売買目的外有価証券のそのデリバティブ取引等を行った時における価額」及び「期末時又は決済時における価額」は、売買目的外有価証券(法第61条の31項第2((売買目的外有価証券の期末評価額))に規定する売買目的外有価証券をいう。以下2―3―61において同じ。)について時価法(同項第1号に規定する時価法をいう。)により評価した金額とする。

(2) 法人が、有効性割合(令第121条の8((時価ヘッジ処理に係るヘッジが有効であると認められる場合))に規定する割合をいう。)がおおむね100分の80から100分の125までとなっていない場合において、次回以降の有効性判定(令第121条の71((時価ヘッジ処理におけるヘッジの有効性判定等))に規定する有効性判定をいう。)を行わないこととし、かつ、洗替処理(令第121条の11((時価ヘッジ処理における時価評価差額の翌事業年度における処理等))の規定による処理をいう。)を行わないこととしているときは、継続適用を条件としてこれを認める。

(3) 2―3―46から2―3―50まで、2―3―522―3―57及び2―3―59((1)ホを除く。)は、時価ヘッジ処理の取扱いについて準用する。

8款 短期売買商品等の譲渡損益等

(令元課法2―10追加)

(暗号資産信用取引に係る売付け及び買付けに係る対価の額)

2―3―62 法第61条第1((短期売買商品等の譲渡損益及び時価評価損益))に規定する譲渡利益額又は譲渡損失額の計算に当たり、同条第7項に規定する暗号資産信用取引の方法により暗号資産の売付け又は買付けを行った者が、当該暗号資産信用取引に関し、暗号資産交換業者(資金決済に関する法律第2条第7((定義))に規定する暗号資産交換業を行う者をいう。以下2―3―65までにおいて同じ。)に支払う又は暗号資産交換業者から支払を受ける次に掲げるものは、それぞれ次による。ただし、売買委託手数料の額に相当する金額を除き、これらのものを売付けに係る対価の額(令第118条の69((短期売買商品等の一単位当たりの帳簿価額の算出の方法及びその選定の手続等))に規定する暗号資産の売付けに係る対価の額をいう。以下2―3―62において同じ。)又は買付けに係る対価の額(令第118条の69項に規定する暗号資産の買付けに係る対価の額をいう。以下2―3―62において同じ。)に含めず、その発生に応じ収益又は費用として益金の額又は損金の額に算入している場合には、継続適用を条件としてこれを認める。